2020-11-20
日本には古くから年末年始に年賀状を送り合う慣習があります。新年の挨拶と近況の報告が書かれているため、受け取る側は相手の近況を知ることができる非常に楽しみな便りですが、喪中を迎えられている場合は、年賀状を送ることができません。そこで、年賀状の代わりにお送りするのが「喪中見舞い」になります。
そこで今回は、喪中見舞いの意味や送り方、タイミングなど、喪中見舞いをお送りする場合のマナーについてご紹介します。
喪中見舞いは、喪中を迎えている方に対するお見舞いと故人様を悼む気持ち込めて、はがきやその他の品物をお送りする慣習を指します。喪中見舞いを送ることになった際に、喪中見舞いでお送りするものは以下のようなものになります。
喪中見舞いとしてお送りするものとして、一般的になっているのがはがきになります。
喪中見舞いはがきと似ているものとして、喪中を迎えられた方から送られる「喪中はがき」がありますが、両者の違いはどちらがはがきをお送りするのかという点になります。喪中はがきが喪中を迎えられた家の方が送られるのに対し、喪中見舞いはがきは故人様と親交があった方が喪中を迎えられた家に送ります。
喪中見舞いでは、はがき以外にもお悔やみの品をお送りすることもあります。お送りする品物は、基本的にご葬儀などの際に持参する品物とあまり変わりはなく、お仏壇に飾れる花・線香やギフト券・花券などが一般的です。なお、喪中見舞いにお悔やみの品を送りする場合は、必ず手紙を添えるようにしましょう。
喪中見舞いとして品物を送る場合は、送られた相手が負担にならない金額の品を選ぶようにするのがよいですが、地域や宗教宗派によって喪中見舞いの品物が決まっていることもありますので、お送りする前に念のためにご近所の方やご親族の方に確認をしておくとよいでしょう。
喪中見舞いでは、香典をお送りすることもできます。香典をお送りする際は、現金が入った不祝儀袋のほかに喪中見舞いの手紙を添え、「現金書留用の封筒」を使用してお送りしましょう。住所と氏名に関しては、不祝儀袋と現金書留用の封筒の両方に記載しましょう。
従来、喪中はがきをいただいたら、年明けに「寒中見舞い」をお送りするのが一般的とされてきましたが、「寒中見舞い」と「喪中見舞い」にはどのような違いがあるのでしょうか。
大きく異なる点として挙げられるのが、「香典やお悔やみの品を送るかどうか」と「送るタイミング」の2点になります。
喪中見舞いが香典やお悔やみの品を送ることができる上、喪中はがきが届いたら遅くとも年内には喪中見舞いをお送りするのに対し、寒中見舞いは香典やお悔やみの品を必要とせず、松の内(1月7日)から立春(2月4日)までにお送りすることになります。
喪中見舞いは、最近でははがきをお送りすることが多いのですが、その際はどのような内容にすればよいのでしょうか。
喪中見舞いをはがきでお送りする場合、以下の内容が一般的になります。
・挨拶:「喪中見舞い申し上げます」の文言
・喪中はがきをお送りいただいたことへのお礼
・故人様に対するお悔やみの言葉
・ご遺族への慰めや励ましの言葉
・年賀状を控える文言
【必要に応じて】
・ご不幸を知らなかったことへのお詫び
・誤って年賀状をお送りしてしまったことへのお詫び
なお、喪中見舞いで使用するはがきに関しては、絵柄や切手に関しても注意しましょう。はがきの絵柄に関しては、喪中を迎えられた方や家にお送りしても問題の無い山桜やヤマユリ、胡蝶蘭などの絵柄を選ぶようにしましょう。
切手に関しては、62円の普通切手(ソメイヨシノ)がよいでしょう。ちなみに、弔事用の花文様切手は、喪中見舞いが喪中を迎えられた方や家にお悔やみの気持ちや励ましの言葉をお伝えするためにお送りするという点から使用は避けましょう。
喪中見舞いでは、マナーとして「句読点を使用しない」「忌み言葉を使用しない」「時候の挨拶や頭語は不要」などがあります。これらのマナーをふまえて、以下にシーン別の文例をまとめさせていただきましたのでご参照ください。
このたびはご丁寧なご挨拶状をありがとうございました
ご逝去を存じ上げず お悔やみも申し上げず失礼いたしました
〇〇様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
心ばかりですが〇〇を贈らせていただきますのでお供えいただければ幸いです
服喪中と存じ 新年の挨拶は控えさせていただきます
皆様 どうぞお体を大切に新しい年をお迎えになられますよう心よりお祈り申し上げます
このたびは ご丁寧なご挨拶をいただき ありがとうございました
〇〇様がお亡くなりになられてから〇ヵ月 お寂しい年の瀬をお過ごしのことと
お察し申し上げます
ご家族が一人かけたこの冬は寒さもひとしおとお察しいたしますが
お体大切に新年をお迎えいただきますようお祈り申し上げます
なお服喪中と存じ 年頭のあいさつは控えさせていただきます
喪中お見舞い申し上げます
○○様が亡くなられて半年になりますね
○○様のご冥福をお祈り申し上げます
ささやかながら心ばかりの品をお送りさせていただきますので
ぜひとも御仏前にお供えいただければ幸いです
何卒健やかに新しい年をお迎えいただければと存じます
令和〇年〇月〇日
○○ ○○
喪中見舞いは比較的新しい慣習ではありますが、故人様を悼む気持ちや喪中を迎えられた方や家に励ましの気持ちを伝えるという点においては、従来喪中はがきに対してお送りしていた「寒中見舞い」と変わりありません。ご自身と故人様の関係やご遺族の方への配慮をふまえて、「喪中見舞い」と「寒中見舞い」のどちらにするかを見極めてお送りしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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