2023-08-25
病院から大切な方が危篤状態になったと連絡を受けた際、気が動転して慌ててしまうのは人として仕方のないことです。しかし、そんな時こそ落ち着いて対応することが大切です。
連絡を受けたご家族は、親族に連絡を入れる、菩提寺や葬儀社への連絡をするなど行うべきことがたくさんあります。今回は、危篤の連絡を受けた際にご家族が行うべき行動や、連絡の方法について解説していきます。
危篤は、回復の見込みがなく命の危険が差し迫っていると担当医師が判断した状態を指します。しかし、「危篤=亡くなる」ではありません。そのため、実際に危篤から持ち直したケースも存在します。
とはいえ、極めて危険な状況には変わりありません。危篤の連絡を受けた際は、「もしもの事態」を想定しつつ、希望を捨てずに祈り続けることが大切です。
また、「危篤」と似た言葉に「重篤」があります。「重篤」は、病状が悪い状態を表し、「危篤」は病状の悪化により命が危険にさらされている状態を表す言葉です。どちらも危険な状態を指す言葉には変わりありませんが、「危篤」の方が、より一刻を争う状態であると判断されます。
先述したように、危篤の連絡を受けた場合、万が一の時に備えて冷静に行動することが大切です。次の項目では、「病院から連絡を受けたご家族が行うべき行動」と「ご家族から危篤の連絡を受けた方が行うべき行動」について解説していきます。
病院から危篤の連絡を受けた場合、たとえ連絡をもらった時間が深夜でもすぐさま病院へ駆けつけましょう。です。また、親族への連絡も大切です。この連絡方法については、後述する「身近な方に危篤の連絡をする時の手段と伝えるべき情報」を参考にしてみてください。
ご家族の方から直接電話で危篤の連絡を受けた際は、「駆けつけてほしい」といった想いが込められていると受け取るのが妥当です。実際に「一目会ってやってください」など具体的に伝えられた場合は、時間帯に関わらず駆けつけるようにしましょう。
また、メールで連絡をもらった場合は、内容によってその後の行動が変わります。もし「顔を出してほしい」などの内容が書かれていた時はただちに病院へと急ぎましょう。
一方、あくまで報告のみだった場合には、「気を強く持って、何かあればすぐ力になれるよう準備しておきます」「無理せず、私に手伝えることがあれば遠慮しないで連絡ください」など、相手を思いやる一言を添えて返信するのが望ましいです。
病院から危篤の連絡を受けた際には、すぐに病院へ駆けつけるのはもちろんですが、親族・友人・知人への連絡も大切です。次の項目では、どのような心構えをしておくべきなのか、連絡はどの順番で行えば良いのかを解説していきます。
危篤の旨を告げられた際には、「もしもの時を想定して心の準備をしておく」ことが大切です。非常に辛いことではありますが、大切なご家族の心情を理解しつつ、動揺している心を落ち着かせることに努めてください。
危篤の判断がなされたら、医師からご家族やご親族といった方々を病室に呼ぶよう促されます。そのため、身近な方々への連絡が必要です。また、危篤の連絡は一般的に以下のような順番で行われます。
1.同居されているご家族
2.三親等以内のご親族
3.親しい友人や知人
しかし、必ず上記の順番で連絡をしなければいけないというものではありません。「危篤者様の最期に立ち会っていただきたい方」を優先して連絡しても問題ありません。
ただし、その際に注意しなければいけないのが、あまり人数が多くなりすぎないようにすることです。多くの方を呼んでしまうと、病院や他の患者さんに迷惑になってしまいます。そのため、立ち会われる方は最低限の人数にするように心がけましょう。
危篤の連絡を受けた際は、職場への連絡も忘れてはいけません。なぜなら、その後の状況によっては会社を休まなければならない場合もあるからです。
連絡は基本的に電話で行うのがマナーです。しかし、深夜や早朝の場合はまずはメールで一報を入れ、のちほど電話するといった方法が好ましいといえるでしょう。
ただし、一般的にはご家族が危篤状態の場合の休暇は忌引休暇に該当しません。忌引休暇は、あくまでご家族が亡くなられた後に使用できる福利厚生であるからです。
もしも危篤状態になり得ると事前に分かっていた場合には、前もって上司などに相談しておくようにしましょう。事前に伝えておけば、会社の方も柔軟に対応ができますし、突然の報告よりも迷惑をかける心配がなくなります。
危篤の状態を連絡する際は、できるだけ電話で直接伝えるのが望ましいです。近親者であれば、深夜や早朝であっても電話で連絡しても問題はありません。ただし、「早朝にすみません」「夜分に失礼します」など何か一言添える配慮は忘れないようにしましょう。
もしも電話がつながらない場合は、メールで連絡をしても問題ありません。また、連絡を行う際には、以下の項目は伝えるようにしましょう。
【危篤の状態を連絡する際に伝えるべき内容】
・危篤者様の名前
・危篤者様の状態
・加療中の病院名
・病院の住所
・病室の番号
・面会が行えるかの詳細
病院から危篤の連絡を受けた場合、考えたくはありませんが、万が一に備えておくのも大切です。万が一のために家族が行うべきことは、「菩提寺への連絡」「葬儀社の検討」「現金の用意」の3つです。それぞれどのようにすべきなのか、次項で大事なポイントを見ていきましょう。
菩提寺がある場合は、「身内が危篤の状態である」と伝えましょう。もしかすると、ご葬儀の依頼をするかもしれないからです。また、事前に連絡を入れておくことで、菩提寺の方もゆとりを持って準備できるようになり、トラブルなくご葬儀の当日を迎えられるようになります。
葬儀社への連絡も忘れてはいけません。なぜなら、もしも亡くなってしまった際はご遺体の搬送や安置をお願いする場合があるからです。事前に葬儀社を決めていない場合は、危篤の連絡を受けたタイミングで検討しておくようにしましょう。
悔いのないご葬儀を執り行うには、事前に葬儀社を検討しておくのが一番です。また、少しでも余裕があれば希望のご葬儀プランを話し合ったり、ご葬儀の費用の見積もりを取っておいたりすると、いざという時に慌てずに済みます。
危篤の連絡を受けた際は、危篤者様の口座から必要なお金を引き出しておくと良いでしょう。なぜなら、銀行側が名義人の逝去を確認した段階で凍結してしまうからです。
多くの方はさまざまな対応に追われ、口座凍結まで意識が向きません。口座凍結の事態に気がつくのは、お通夜やご葬儀など支払いを行う際といったことが多々見られます。
また、弔事にかかる費用だけでなく、公共料金や、それまで受けていた介護の費用なども一切引き落としができない状態になってしまいます。ご逝去後はある程度まとまった費用が必要となるため、あらかじめ引き出しておくようにしましょう。
自分にとって大切な方が危篤と告げられてしまったら、やらなければいけないことを考える余裕はほとんどないと思います。誰しも、「もしもの時」のことは考えたくはありませんが、来るべき「もしもの時」に備えて必要な情報や物を集めておけば、冷静に対応できることでしょう。
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