2020-05-08
突然の訃報で、「せめてお焼香だけでも」と遠方からご葬儀に駆けつけたものの、交通事情でどうしても最後まで参列することができません。こういう場合は、ご葬儀を途中で退席してもよいものなのでしょうか。
そこで今回は、ご葬儀の途中で退席してもよいのか、退席する際にご遺族や他の会葬者へ配慮すべきことやどのタイミングで退席するのがよいのかについてご紹介します。
お通夜式とご葬儀・告別式は、故人様を見送るための大切な儀式です。基本的には、儀式の最後まで参列するのがマナーです。しかし、仕事の用事あるいは、ご家庭の事情などでどうしても最後まで参列することができないということもあると思います。
やむを得ない事情でお通夜式やご葬儀・告別式の途中で退席してもマナー違反にはなりませんが、途中退席する際は、故人様とご遺族に対して失礼がなく、他の会葬者にも配慮したふるまいが必要です。
ご葬儀を途中退席する際は、どのようなことに配慮するのとよいのでしょうか。以下に配慮すべき内容をまとめましたので、ご参照ください。
まずは、事前に途中退席しなければならない旨をご遺族に伝えます。ご遺族が忙しくしているようでしたら、ご葬儀会場のスタッフや受付で伝えるとよいでしょう。その旨を伝える際は、「仕事の都合で」「家庭の用事で」などという理由を簡単に申し添えれば問題ありません。
事前にご葬儀会場のスタッフや受付に途中退席の旨を伝えると、退席しやすい席に案内してくれることがあります。その際は、指示に従って席に着きます。案内がない場合は、退席しやすい出口付近の席に着くようにするとよいでしょう。
ご葬儀は厳かに行われます。退席する際に大きな音を立てたり、複数人で話しながら退席すると、とても目立ちます。ご遺族や他の参列者が不愉快な気持ちにならないよう配慮して静かに退席するようにしましょう。
しめやかにご葬儀が進んでいるにもかかわらず、会場を頻繁に出入りしている人がいると式の進行を妨げるだけでなく、故人様を偲ぶ気持ちに横やりを入れることになりかねません。基本的に、一度退席した際は、式中に戻らないようにしましょう。
退出する際に、一緒に会場を出る予定の人が複数名いる場合は、1人ずつ退席するようにします。また、自分と同じタイミングで退席しようとする方がいらっしゃったら、動くのを少しだけ待ってから退席するようにしましょう。
仏式ではお焼香、神式では玉串奉奠、キリスト教式では献花の際に、会葬者が席から移動することが多いので、これらの儀式を済ませてから退席するようにしましょう。
自分の番が済みましたら、周囲とのタイミングをみて静かに退席します。退席する際は、ご遺族に目礼し、受付に人がいるようであれば、声をかけてから帰るようにしましょう。
なお、お焼香の形式が座った状態のまま焼香炉を順番に回していく「回し焼香」の場合は、焼香後に動いてしまうと大変目立ってしまいます。そのため、「回し焼香」の場合は、棺に花などを入れる際に退席するのが、他の方の動きに紛れられるのでおすすめです。
一般的な仏式のご葬儀では、お焼香の時間まで30分程度かかります。お焼香の時間までいることができないのであれば、参列を遠慮することを考えてもよいでしょう。
ご葬儀に参列しない場合は、弔電を打つ、供物や供花を贈る、代理人に参列してもらうなどの方法で、弔意を表すこともできます。
大切な方、お世話になった方との最後のお別れ。やむを得ずご葬儀を途中退席をしなければいけないときは、自分の想いだけで行動せず、ご遺族や親族の方に配慮したふるまいを忘れないようにすることが大切です。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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