2020-04-17
夏の季節のお便りである「暑中見舞い」。梅雨明けが近くなると、暑中見舞いを送ることを考える人が多くなってくると思います。お世話になった人や親しくしている人に宛てて出す暑中見舞いですが、相手や自分が喪中の際に年賀状のように出すことを控えるべきなのか、悩まれる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、相手や自分が喪中の際に暑中見舞いを出してもいいのか、暑中見舞いを出す際の注意点などについてご紹介します。
暑中見舞いとは、小暑(7月7日頃)から立秋(8月7日頃)の間に、お世話になった人や親しい人宛に出す夏の挨拶状のことをいいます。相手の健康を気遣い、近況の報告をするために出すものです。
かつては、お盆で里帰りする際にご先祖にお供えを贈る習慣がありましたが、この習慣が簡略化され手紙(ハガキ)で、相手の健康を気遣うものへと変化してきました。
喪中は、身内や近親者が亡くなった時に、死を悼む期間のことをいいます。喪中の期間は概ね1年程度で、その間結婚式や新年の挨拶などのお祝い事は控えた方がよいとされています。
では、暑中見舞いを喪中の方へ出してもよいものなのでしょうか。結論からいうと、喪中の方へ暑中見舞いを出しても問題ありません。なぜなら、暑中見舞いはお世話になった方や親しい方へ出す季節の「挨拶状」であり、1年のはじまりを「お祝い」するための年賀状と違うものだからです。
相手が忌中である時は「忌明け」してから送る方がよいとされています。忌中とは、喪中と同様に、故人様の死を悼む期間のことをいいます。忌中の期間は、仏式では法要が行われる四十九日、神式では五十日祭、キリスト教であれば召天記念日までとされるのが一般的です。
忌中や喪中について以下の記事で詳しく紹介していますので、関心のある方はぜひご参照ください。
忌中や喪中って?その間の過ごし方の決まりはあるの?
喪中の方へ暑中見舞いを送る際に使用するハガキや便せんのデザインや色使いに配慮するようにしましょう。夏の楽しげな雰囲気のデザインやカラフルで明るめの色のものは避け、シンプルなものを選ぶようにしましょう。
喪中の方へ暑中見舞いを出す際には、故人様のことにも触れご遺族を気遣うような文面にするとよいでしょう。
暑中お見舞い申し上げます
暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
○○様がご逝去されて、皆様のご心中お察し申し上げます。
謹んでお悔やみ申し上げます。
暑さ厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ。
令和○年盛夏
自分が喪中の場合に暑中見舞いを出す際も、同様に「忌明け後」に「ハガキや便せんのデザインや色使いに配慮」して送るようにしましょう。なお、文面は、こちらが喪中であることを知らない場合と知っている場合とで変わってきます。
暑中見舞いを使って、こちらが喪中であることを相手に知らせます。
暑中お見舞い申し上げます
暑い日が続いておりますが、皆様にはご健勝のことと存じます。
このたび令和〇年〇月〇日に父〇〇が他界いたしました。
生前のご厚情に深く御礼申し上げるとともに、謹んでご報告申し上げます。
これから更に暑さが続きますが、皆様におかれましてはくれぐれもご自愛ください。
令和○年盛夏
相手の方がご葬儀に会葬してくださったお礼を加えて書くと丁寧な印象になります。
暑中お見舞い申し上げます
暑い日が続いておりますが、皆様にはご健勝のことと存じます。
先日は父〇〇儀の葬儀にご会葬いただき誠にありがとうございました。
無事 四十九日を終え、心穏やかにすごしております。
これから更に暑さが続きますが、皆様におかれましてはくれぐれもご自愛ください。
令和○年盛夏
暑中見舞いは、相手が喪中であっても自分が喪中であっても出すことができます。電話やメールなどで用件をすませてしまうことが多い現代ですが、暑中見舞いのハガキや手紙をいただくのは嬉しいものです。だからこそ、相手や自分が喪中の時には、送る時期やハガキ(便せん)のデザインや文面を普段以上に気を配ることが大切です。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。