2020-04-08
訃報(ふほう)を受けた際の対応は、立場や故人様との関係の深さによって変わります。例えば、故人様が近親者や特に親しい間柄であれば、弔問やご遺族のお手伝いのためにすぐに駆け付けますが、故人様と関係性が薄い場合や遠方に住んでいる場合は、ご葬儀の日程や会場を聞くにとどめます。
そこで今回は、訃報を受けた際にかけるお悔やみの言葉や服装、持ち物、弔問時のマナーについてご紹介します。
訃報を受けた際はまず、「お悔やみ申し上げます」「ご愁傷様です」などと簡潔にお悔やみの言葉を伝えます。お悔やみの言葉をかける際は、「度々(たびたび)」「益々(ますます)」「重ね重ね(かさねがさね)」「またまた」などの繰り返しを意味する、忌み言葉に気をつけましょう。故人様が亡くなるまでの経緯や死因について尋ねるのもマナー違反です。
なお、お悔やみの言葉に関しては、以下の記事でさらに詳しくご紹介しておりますので、関心のある方はぜひご参照ください。
もう迷わない「お悔やみの言葉」。知っておくべきマナーや注意点
ご遺族にお悔やみの言葉を伝えたら、ご葬儀の日時・場所・形式・宗教宗派を確認し、すぐに駆け付けるかどうかは、故人様との関係に合わせて判断します。
臨終後は葬儀準備やご遺体のケアのため、多くの人手が必要になります。ご親族などの親しい間柄であれば、できるだけ早く駆け付けましょう。
仕事関係者が亡くなった場合には、上司の判断を仰ぐとよいでしょう。基本的には、お通夜式、またはご葬儀・告別式に会葬します。
ご親族ではなくても、ご家族と同等に故人様と親しい間柄であったのであれば、お通夜式の前に弔問に駆け付けても失礼ではありません。
町内会や、近所の方が亡くなった場合は、お通夜式やご葬儀・告別式の知らせを待って会葬するのが基本ですが、親密な近所付き合いをしていた場合は、すぐに駆け付けてもよいでしょう。
お通夜式かご葬儀・告別式、もしくはその両方に会葬するようにします。
訃報を受けても、出張などの理由ですぐに駆け付けられない場合は、夫に代わって妻が弔問するというように代理人を立てる、弔電を打つなどの方法でお悔やみの気持ちを伝えます。後日、改めてご遺族の都合を確認し、弔問にお伺いするようにしましょう。
また、何らかの手違いで訃報が届かず、亡くなったことを後で知った際には、訃報を知った時点で、速やかにご遺族に連絡し、遅れた事情を説明します。その後、弔問にお伺いする、または、お悔やみ状を送るようにしましょう。
詳しくは、「ご不幸をご葬儀後に知ったらどうすればいいの?」もご覧ください。
弔問時の流れとしては、①ご遺族に弔問にお伺いする承諾を得る、②ご遺族へのお悔やみの言葉を伝える、③故人様との対面となります。
「おつらい中、ご連絡いただきありがとうございます。ご迷惑でなければ、これからご自宅にお伺いしてもよろしいでしょうか」などと尋ねます。もし、弔問することを断られた場合は諦めましょう。ご遺族のお気持ちやご事情が最優先です。
ご遺族に会われたら訃報を受けた時と同様に、まずはお悔やみの言葉をかけます。
「このたびはご愁傷様でございます。心よりお悔やみ申し上げます」「この度は、本当に残念でなりません。ご家族の皆様はお力落としのことでしょう。どうかご無理をなさいませんように」などと、ご遺族に寄り添う表現を使い、故人様のご冥福を祈る言葉を簡潔に述べます。お悔やみは、言葉に詰まってしまっても構いません。語尾が聞こえなくなるくらいの小声で伝えるとよいでしょう。
ご遺族から故人様との対面を勧められたら断らないのが一般的です。ご遺族から対面を勧められない場合は自分から申し出るのは控えましょう。また、対面するのが辛い場合は「お目にかかると辛くなりますので」と辞退しても構いません。
(1) 故人様の枕元で「お別れさせていただきます」
故人様に向かって一礼
(2) ご遺族が白布をとるのを待って対面し深く一礼。手を合わせる。
「穏やかなお顔ですね」などいたわりの言葉を述べる
お通夜式前の弔問は、基本的に玄関先でお悔やみを述べる程度にとどめます。故人様との対面は、ご遺族の申し出があった場合のみとなります。また、家に上がっても長居をしないで引き上げることがマナーです。
近親者であれば、「何かお手伝いできることはありませんか?」と、ご葬儀の手伝いを申し出ましょう。
ご葬儀前に故人様のご自宅にお伺いする際は、喪服を着ていくと事前に準備していたように感じられ、かえって失礼に当たるため平服を着用します。平服といっても、ラフすぎるジーンズや派手目の服は避け、ネイビーやグレー、ブラウンなど落ち着いた色の普段着を選びます。ビジネススーツや白いブラウスにジャケットを着てもよいでしょう。アクセサリーは控え、石付きの指輪をしている場合は石付きの部分を裏に回します。
持ち物は、お通夜式やご葬儀・告別式などに会葬されるのであれば、香典や供花・供物を持参する必要はありません。どうしても手土産を持っていきたいという場合は、故人様の好きだったお菓子や果物などを持っていくとよいでしょう。
訃報の連絡を受けた際は、故人様が亡くなられて間もないご遺族のお気持ちやご事情に沿うことが最も大切です。お通夜式前の弔問は、故人様にお悔やみの気持ちを伝え、手を合わせるためのものですので、正しいマナーを知って、ご遺族に対しても失礼のない対応をするように心がけましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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