2020-01-24
訃報はある日突然やってきます。事前に日取りが分かっているお祝い事と異なり、普段から親交のある身内などの場合を除いて、ほとんどの場合は故人様が亡くなられてから訃報の連絡をいただきます。そのため、ご葬儀に着ていく喪服の用意はできていても、服飾小物や袱紗(ふくさ)、数珠などを用意できている方はそう多くないと思います。
そこで今回は、急なご葬儀でも慌てることなく参列できるように、事前に用意しておくと安心できるご葬儀に必要な小物についてまとめてみました。
男性が事前に必ず用意しておきたい物は、次のような物です。
仕事などで白いワイシャツを着用している場合でも、仕事用とは別に、白い無地のワイシャツを用意しておきましょう。白のワイシャツは、きちんとアイロンを掛ける、クリーニングに出しておくなどして、普段着用しているものとは別に保管しておくといざという時に取り間違えが起こらないでしょう。
黒いネクタイも同様に、きちんとアイロンを掛ける、クリーニングに出しておくなどして、ワイシャツと一緒に保管しておくとバラバラになりにくく、急いでいる時に探す手間がはぶけます。
つい忘れがちなのは、ご葬儀用のシンプルな黒いベルトです。上からスーツを着用するので、目立たないと思うかもしれませんが、ご葬儀のお手伝いをした時や何かの拍子でベルトが見えてしまうこともありますので、黒無地のベルトは忘れずに用意しておきましょう。
こちらもワイシャツと同様、仕事用やプライベート用のベルトとは別に保管しておくとよいでしょう。
黒い靴下は、コンビニエンスストアなどでも簡単に手に入りますが、いざという時にないと慌ててしまいますし、売り切れていることもありますので、事前に用意しておくと安心です。
女性が事前に必ず用意しておきたい物は、次のような物です。
ご葬儀中は焼香などで動き回ることが多いため、あまり大きめのバッグだと差し障ることもあります。そのため持ち運びやすく、焼香などの際に椅子の上に置きやすい小さめのバッグを用意しておくと安心です。
最近では、革製のシンプルなデザインのものであればよいとされることもありますが、革製は殺生を連想させてしまうので布製が望ましいとされています。もしもの時に備えて無地で飾りが付いていない葬儀用バッグを用意しておくとよいでしょう。
また、荷物がフォーマルバッグに入りきらない時のために「サブバッグ」を用意しておくのもよいでしょう。「黒一色の無地、素材はサテンなどのもの、サイズはA4くらいの長方形」がご葬儀においては一般的です。キャンバス地やエコ素材といった、カジュアル感が出てしまう素材は避けましょう。
ネイルアートを施していると、「急には落とせない」ということもあります。そんな時のためにシンプルな礼装用の黒手袋を用意しておくと安心です。なお、白手袋は葬儀スタッフが使用するものですので注意が必要です。
黒いストッキングは、男性と同様に、コンビニエンスストアなどで簡単に手に入ります。
しかし、いざという時にないと慌ててしまいますし、売り切れていることもありますので、事前に用意しておくと安心です。色が黒くても柄入りのもの、ラインストーンなどが付いているものは避けましょう。また、黒いストッキングは伝線してしまった時に目立つため、予備を用意しておくことも忘れずに。
バッグと同様に、革製のものは殺生を連想させるため避け、布製の低いヒールのものを用意しましょう。また、ヒールが高いものや細いもの、ミュールなどは足音が響き目立ってしまうため避けましょう。
ご葬儀に参列する際のマナーとして事前に用意しておきたい物は、次のような物です。
ご葬儀では、不祝儀袋を袱紗に包んで持参するのがマナーです。袱紗は、ご葬儀や法事のほか、結婚式などの慶事でも使われます。そのため、グレーや紺色の弔事用と赤やオレンジの慶事用の2枚を用意しておくのが理想です。
弔事用と慶事用の2枚を揃えるのが大変な場合は、冠婚葬祭全ての場面で使える紫色の袱紗を用意しておくことをおすすめします。
数珠には、宗派ごとに決まった形がある「本式数珠」とすべての宗派で使用することができる「略式数珠」があります。ご自分の宗旨に合う本式数珠を用意しておくことが理想的ですが、宗旨が分からないなどという理由がある場合は、略式数珠を用意しておくと急なご葬儀の際にも安心です。
ご葬儀の際、涙や汗を拭く時に色柄ものの派手なハンカチを使用していると大変目立ってしまいます。そのため、白いハンカチも事前に用意しておくと安心できます。きちんと洗濯をしてからアイロンを掛け、喪服のポケットに入れておくようにすれば、急なご葬儀の際にも慌てずにすみます。
ご葬儀の際に喪服を着用するのを忘れる人はまずいらっしゃいませんが、小物はうっかり忘れてしまいがち。ご葬儀はフォーマルな場ですので、マナーからはずれた格好をすると非常に目立ちます。ご葬儀の場で、恥ずかしい思いをしないように普段から小物類を用意しておくと安心です。
また、ご葬儀用の小物は、頻繁に使用するものではないため、長期間保管しているうちに紛失してしまうこともあります。小物を紛失してしまったり、探す手間を省くためにも、箱や袋などに入れて、喪服と同じ場所に保管しておくとよいでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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