2019-10-04
ご葬儀において意外と多くのご相談をいただくのが、今回取り上げる「親族としてご葬儀に参列する時のマナー」です。親族の範囲はどこまでなのか、弔電や供物・供花を送るべきなのか、ご葬儀の手伝いをしたほうがいいのかなど、迷われた方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、親族ならではのご葬儀でのマナーや振る舞い方についてご紹介します。
法律における親族の範囲は、民法第725条で「6親等内の血族、配偶者及び3親等内の姻族」と規定されています。しかし、ご葬儀における「親族」はそれほど厳密に考える必要はなく、「親戚付き合い」をしている間柄なら親戚側とされます。
また、「遺族」と「親族」の境界に悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。「遺族」とは、故人様が亡くなるまで生計を共にしていた配偶者や子ども、祖父母、兄弟姉妹が「遺族」にあたります。
ただし、故人様が長く一人暮らしをされていたなどの事情で遺族席が空いてしまう場合は、血縁が最も近い人や、関係性が最も近い人が遺族代表として喪主になることが一般的です。その際は、親族代表の言葉も喪主が務めます。
親族がご葬儀に参列される際の服装は、一般の参列者と同様の服装マナーで問題ありません。
一般の参列者の服装に関して以下の記事でさらに詳しく紹介していますので、関心のある方はぜひご参照ください。
お通夜の正しい服装を事前に確認しよう
親族がご葬儀で用意する供物としては、「供花」「盛篭」「花輪」「小包でのお供え物」とされています。
供花には、死者の霊を慰めると同時に祭壇や会場を飾る意味があります。ご葬儀の際は、個人名で供花を出したり、親族や親戚一同で出す場合もあります。
供花を親族で贈る際は、同じ立場の人たちで相談し、供花代を折半して贈りましょう。
果物や缶詰、お茶、ろうそくなどを籠に盛り、造花で周りを飾った供物を盛篭といいます。供花と同じく祭壇の脇に飾られます。
供花と同様に、同じ立場の人たちとしっかり話し合い、盛篭を贈るかどうか、予算はどうするかを決めましょう。
葬儀式場の入口などに飾られる、背が高く大きな造花が花輪です。故人様を偲んでご葬儀の際に飾られる花という点では、供花と同じですが、生花である供花と違って、花輪は造花で作られていることがほとんどです。なお、現在では花輪を飾ることはほとんどなくなりましたが、地域によっては飾ることがありますので、心配な方は親戚の方に確認されるとよいでしょう。
お菓子や飲食物などにのしを付け、お供えするという方法があります。その際に付けるのしは、白黒の水引がプリントされたものが一般的ですが、地域によっては黄白となることもありますので、事前に確認をしておきましょう。
ご遺族と親族は一般の参列者と比べて気の張らない関係にあることが多いので、ご葬儀の中で手伝えることがあれば積極的に手伝いをするようにしましょう。例えば、会場であればご葬儀の受付、ご自宅等であれば足りなくなった物の買い出しやお清めの配膳などを手伝うとよいでしょう。
ご葬儀の手伝いをする時には、1時間前くらいには会場に到着して、事前に葬儀社の担当者に確認し、当日の段取りなどを把握しておくとよいでしょう。
親族としてご葬儀に参列される際は、ご遺族の様子をよく見ておき、必要に応じてお手伝いをしましょう。ご遺族が一般の参列者にはお願いしにくいことの手伝いなどを積極的にして、ご遺族を支えるのが親族の振る舞いとして理想的です。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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