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2025-01-10

浄土真宗にはお盆がない?過ごし方について分かりやすく解説します

年に一度、あの世から御霊が戻る期間とされるお盆ですが、浄土真宗では故人様の死と同時に魂が成仏されると考えられているため、「霊」の概念がありません。そのため「霊が帰らないお盆には何をしなくても良いのだろうか」といった誤解が生じやすいです。

しかしながら、浄土真宗にも古くから伝えられているお盆期間の過ごし方があります。そこで当記事では、浄土真宗におけるお盆の考え方やお供え、法要についても詳しくご紹介していきます。

浄土真宗でお盆がない?

結論から申し上げると、浄土真宗でもお盆に飾りつけやお墓参り、法事を行います。つまり、お盆に行うことがないわけではありません。ただし、「死」に対する概念が他の宗派と異なるため、お盆の過ごし方が違うのです。

一般的な考え方でのお盆は、ご先祖様や故人様の御霊がこの世に帰ってくる唯一の時期とされています。ゆえに、御霊をお迎えするための飾りつけやお供え、迎え火、送り火を焚くといった準備を行うのが通例です。

浄土真宗では、臨終即往生(りんじゅうそくおうじょう)といった教えがあります。つまり人が亡くなると、阿弥陀如来様の手によって即座に成仏が叶い、仏様になるとされているのです。そのため、御霊がこの世をさまよい、ご供養を行って冥福を祈るといった概念がなく、追善供養も行いません。

では、ご先祖様や故人様が既に仏様となっている場合、ご遺族の方々はどのような意味合いでお盆を過ごすのでしょうか。

浄土真宗のお盆は「歓喜会」とも呼ばれる

ご先祖様や故人様が成仏されているため、追善供養を行う必要がない浄土真宗の方々は、お盆を「歓喜会(かんぎえ)」と呼びます

これは、御霊をご供養する意味で行われるものではありません。故人様の死を悼みながらも、阿弥陀如来様の救いに感謝し、法話会や僧侶の説法で仏法を受け、喜びを得る期間といった解釈になります。

浄土真宗では、阿弥陀如来様を含め、ご先祖様や故人様も亡くなっている方は全てが仏様です。そのため、お盆では仏様に対する感謝として飾りつけやお供え物を供え、お墓参りも行い、浄土真宗の法話会に参列しながら、この時期を過ごします。

浄土真宗のお盆で行われない行事

ここからは、浄土真宗では必要とされない風習を挙げていきます。地域によって多少の違いはありますが、一般的に行われるお盆との違いを把握しておきましょう。

新盆法要

新盆(または初盆)は、故人様が亡くなって四十九日が経ったあと、初めて迎えるお盆のことをいいます。浄土真宗以外の新盆では、亡くなってから初めて故人様の御霊が戻る時期と考えられ、手厚いご供養をするための法要である「新盆法要」を行います。

しかしながら浄土真宗では、既に故人様が成仏されたといった考え方に基づいているため、基本的に新盆法要は行いません。そもそも霊の概念がありませんので、白提灯を灯す必要もないのです。

一方で、浄土真宗でもご家庭や地域により白提灯を飾る場合があります。その場合でも、道しるべの意味は含まれません。つまり、浄土真宗での白提灯は、ただの飾りにすぎないのです。

迎え火・送り火

浄土真宗以外の宗派では、お盆にご先祖様や故人様の魂が、あの世とこの世を迷わず行き来する目印の一環として、迎え火や送り火を焚きます。ただし、既に仏様となっているご先祖様や故人様は、阿弥陀如来様とともに極楽浄土へいらっしゃるため、迎え火や送り火は焚く必要がありません

精霊馬

キュウリやナスに割り箸や楊枝を4本さし、動物のような形に作られたものを「精霊馬」といいます。これはお盆の期間にあの世とこの世を行き来する御霊のために作る乗り物です。

浄土真宗では、ご先祖様や故人様は成仏しており、お盆だからといって特別に戻る概念はありません。よって、精霊馬も作らなくて良いとされています。ただし、ご家庭や地域によっては、感謝の気持ちを込めて仏壇に飾る方も少なくありません。

浄土真宗のお盆の過ごし方

浄土真宗の教えは、阿弥陀如来様やご先祖様、故人様などといった仏様を敬い、毎日感謝しながら過ごしていく積み重ねが大切であるとされています。つまり、一時期のお盆だけ祈るというよりは、常に心で敬い感謝し、対話し続ける日々を重視しているのです。

浄土真宗でのお盆は、ご供養や弔いをするための時期ではなく、仏様への理解と感謝をより深めるための特別な機会です。ただし、ご先祖様や故人様をより強く思い出し、慈しむ時期に変わりありません。ここからは、浄土真宗の教えに則ったお盆の過ごし方についてご紹介していきます。

仏壇を飾りつける

浄土真宗のお盆の時期は、他の宗派と変わりません。全国的な時期としては8月13~16日、東京都心や横浜の一部地域では7月13~16日です。浄土真宗では、お盆での特別な飾りつけは必要ないとされていますが、せっかくの機会ですので、まずは柔らかい布で仏壇をきれいに掃除してみましょう。

なお、地域やご家庭によってはお盆の月の1日目から仏壇に飾りつけるところもあります。飾りつけの手順として一般的なやり方を以下でご紹介していきますが、飾り方や時期には地域差もあるため、不安な場合は菩提寺の僧侶や身近で詳しいご年配の方などに確認してみると良いでしょう。

<浄土真宗の仏壇の飾りつけ手順>

・きれいに掃除した仏壇に打敷(うちしき)という煌びやかな布を敷きます。

・丸餅などのお供え物を、供笥(くげ)という台に乗せてお供えします。供笥は二つで一組となっており、形は大谷派で八角形、本願寺派では六角形です。丸餅やお菓子などを飾ったら、両端の左右に安置します。

・錨(いかり)型の白い和ろうそくを用意し、燭台にさしておきます。

・持ちの良い仏花を飾ります。

・朝に仏飯を供え、昼には下げます。極楽浄土には美しい水やさまざまな食べ物があるとされているので、豪華な食事や水は必要ありません。

・お線香を供えて終了です。

歓喜会の法要に参加する

浄土真宗の方は、お盆で歓喜会の法要に参列される方が多いです。お布施の相場は3,000~5,000円程度、不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)に入れて「お布施」と記載します。また、服装はカジュアルになりすぎず、肌露出度の低い黒やグレーのものを着用しましょう。

なお、新盆で僧侶をご自宅にお招きする場合は、事情を伝えてお布施の金額を上げます。相場としては30,000~50,000円程度です。また、お布施のほか、お車代(5,000~10,000円)も用意します。

お墓参りに行く

浄土真宗でもお墓参りは行います。ただし、他の宗派にある「追善供養」は行いませんので、冥福を祈るといった意味は含まれません。ご先祖様や故人様の死を悼むのは同じですが、一番の目的は阿弥陀如来様やご先祖様、新たに仏となった故人様へ日々の感謝をお伝えし、信仰心を高めることにあります。

お墓参りの方法は同じで、墓石やお墓参りをきれいに掃除してから供花やお供え物を行い、線香をあげて手を合わせます。なお、お供え物は傷みますので下げて持ち帰り、仏様からのお下がりとして皆様でいただきましょう。

まとめ

浄土真宗のお盆では、御霊を迎え慰めるための行事とは異なり、御仏への信心を深めるための意味合いが大きいとされています。そのため、お盆でも他の宗派と過ごし方が変わってくるのです。

同じ浄土真宗でも、地域によってお盆における仏壇の飾り方や過ごし方、法要などの方法が異なることもありますので、不安な場合は詳しい方や菩提寺の僧侶に確認してみても良いでしょう。浄土真宗では、特にお盆へ重点を置くことなく、仏様に感謝しながら日々祈り続ける積み重ねこそが、何よりも重視されているのです。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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