2024-11-08
香典は、ご葬儀の場において故人様の御霊前へお供え物をする代わりに、ご遺族へお渡しする金銭です。「5,000円程度が香典の相場なのではないか」という意見も散見されますが、故人様との関係や地域によって金額のマナーは変わるため、注意が必要です。
そこで今回の記事では、香典の一般的な相場や香典袋の選び方、書き方、香典のマナーについて詳しくご紹介していきます。
結論から申し上げますと、香典の5,000円という金額は、知人や友人、職場関係の方のご葬儀で包む一般的な相場です。故人様と非常に親しかった場合や近しいご親族の場合、または参列者の年齢や地域によっても包む金額は変動しますので、事前に相場を調べておく方が安心です。もしもご葬儀でご一緒する方が周りにいれば、いくら包むのかを相談しても良いでしょう。
ここからは、一般的な香典の金額相場をお伝えいたします。
お通夜やご葬儀へ参列することになった場合、香典を5,000円にしておくのが無難なパターンは、以下の通りです。ただし、一般的な金額は地域の風習や故人様との関係、個々の立場や年齢によっても違うため、迷った場合は周囲の方に相談してから決められるのが良いでしょう。
・職場関係の方(同僚や同期、上司、部下、社員のご家族、お得意先、お得意先のご家族)
・友人、知人
・学生の場合
・三親等より離れたご親族の場合
オススメ関連記事
【年齢・関係別】香典の相場金額まとめ|香典袋の書き方や渡し方のマナーも解説
香典は、通夜・ご葬儀・告別式に参列する際に用意するお金のことであり、生前お世話になった故人様や、ご遺族へのお悔やみの...
香典は、通夜・ご葬儀・告別式に参列する際に用意...
続きを読む香典の具体的な金額相場は、以下の通りです。親戚以外の香典に関しては、普段から親しくしていたかどうかも加味して考えましょう。
社会人 30代後半以上 |
社会人 20~30代前半 |
学生 | |
---|---|---|---|
会社(仕事)関係 | 5,000円 | 5,000円 | 3,000~5,000円 |
取引先関係 | 5,000~10,000円 | 5,000円 | 3,000~5,000円 |
友人、知人 | 5,000~10,000円 | 3,000~10,000円 | 3,000~5,000円 |
ご近所 | 5,000円 | 3,000~5,000円 | 3,000~5,000円 |
両親 | 50,000~100,000円 | 30,000~100,000円 | 3,000~5,000円 |
祖父母 |
30代 10,000~30,000円 40代 30,000~50,000円 50代以上 50,000円 |
10,000~20,000円 | ※両親と同居している場合は包まなくても問題ないものの、経済的に独立している場合は包んだ方が良い |
兄弟姉妹 |
30,000~50,000円 60代 50,000円~ |
30,000~50,000円 | 同上 |
伯父伯母 (叔父叔母) |
10,000~20,000円 50代以上 20,000~30,000円 |
5,000~10,000円 | 同上 |
その他ご親族 | 10,000~20,000円 | 5,000~10,000円 | 同上 |
ここからは、香典袋の選び方、書き方などの一般的なルールをご説明していきます。
ご葬儀に参列する際、5000円以内で香典袋を選ぶときのポイントは、以下の通りです。
・袋が入れる金額に見合っているか
中に入れる金額が5,000円以下の場合は、水引がプリントされており、かつ中袋のない香典袋を選びましょう。紐状の水引が付属している格式の高い香典袋は、10,000円以上の金額を入れるときに使用します。
・宗教に合っているか
ご遺族(故人様)の宗教が分からない場合は、白無地の封筒を用います。仏教と分かっている場合は、「御香典」の文字のみが書かれているものを選びます。以下で宗教別の香典袋の特徴をまとめましたので、ご参照ください。
・蓮あるいは菊の絵が描かれている
・水引がプリントされた封筒
・無地の白い封筒
・蓮あるいは菊の絵が描かれている
・水引がプリントされた封筒
・無地の白い封筒
・十字架、あるいは百合の絵が描かれている
・無地の白い封筒
・水引のみがプリントされた封筒
・無地の白い封筒
表書きは宗派によって変わりますが、四十九日前のご葬儀で広く使用できるのは「御霊前」です。ただし、浄土真宗では「御佛前」を用いましょう。表書きは、まず封筒表側の半分より上に薄墨で記入します。故人様とご遺族の宗教によって、以下のように使い分けましょう。
・御霊前、御香典
・御仏前、御佛前、御香典
・カトリック…御花料、御ミサ料
・プロテスタント…御花料、献花料、弔慰料
・御神前、御玉串料
半分から下には、参列者のフルネームを書きます。役職を書く場合は、氏名の右側に一回り小さめの字で記入しましょう。夫婦連名の場合は、真ん中に夫のフルネーム、左横に妻の名前だけを記入します。中袋がない場合は、裏側左下に住所、旧漢字の金額を縦書きで記載します。(例:金伍阡圓也)
中袋には、表側中央に旧漢字で「金伍阡圓也」と縦に記載します。
裏側左下には、参列者の住所と氏名を縦書きで記入します。
香典を用意する際に避けたいのは、新札や汚れたお札です。ご葬儀の不祝儀袋に相応しいのは、程よくきれいで中央に折り目がついているお札です。香典袋へ入れるときは、お札の向きにも注意します。肖像画のある方を裏向きにして、下に向けてから封筒へ入れましょう。
オススメ関連記事
ご香典で新札(ピン札)を包むのはだめ?新札しかない場合の折り方や、入れ方を解説
ご葬儀や法事・法要に参列する際、用意しなければならないもののひとつに香典があります。香典にはさまざまなマナーがあり、...
ご葬儀や法事・法要に参列する際、用意しなければ...
続きを読むご葬儀の際、ご遺族は深い悲しみの中にいらっしゃいます。そのため、香典のマナーにも注意を払い、ご遺族に負担をかけないように配慮することが重要です。後悔することのないよう、しっかりとマナーを守って香典を用意するようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
仏事に参列する際は、香典をお渡しするのが通例です。香典とは、故人様にお供えするお香や供花の代わりとして、参列者が持参する金銭のことです。香典には、格式の高いご葬儀、そしてその他の法事で古くから言い伝えられているマナーや渡し方など、さまざまな決まりがあります。 そこで当記事では、香典の意味や使用すべき袋の選び方、金額相場をご説明していきます。
ご葬儀に参列することになった場合、まず用意しなければならないのが不祝儀袋です。ところが、巷には「御霊前」と「御仏前」の二種類のものが店頭に並べられています。ここで、どちらをどのようなタイミングで使うのか、迷われる方も多いのではないでしょうか。 そこで当記事では、「御霊前」と「御仏前」の意味や違い、表書きの使い分けについて明確に解説していきます。