2024-09-06
日本では、喪中期間に控えるべきといわれる行動があります。代表的なものは、お祝い事であるお正月や結婚式です。では、喪中のクリスマスはどのように過ごせば良いのでしょうか。クリスマスは華やかな雰囲気に包まれますが、仏教とは関係のない行事のため、慶事として考えるべきか悩む方も多いことと思います。
そこで当記事では、喪中に控えるべき行動やクリスマスの意味合い、喪中におけるクリスマスの過ごし方を解説していきます。
たとえ喪中であっても、クリスマスを祝ってはいけないという制約はありません。クリスマスを祝うかどうかは、ご遺族の心の整理がついているかどうかの問題となります。
ご家族が亡くなったばかりで何もする気が起きないようであれば、無理にクリスマスのお祝いをする必要はありません。ご葬儀から数か月が経過しており、故人様も一緒に楽しんでくれるのではないかというお気持ちがあれば、クリスマスのお祝いをしても構いません。
喪中は、日本古来より伝えられている儀礼的な禁忌状態であり、故人様を偲ぶために日常生活とは異なる慎ましやかな生活を行うべき期間と考えられています。喪中は、かけがえのないご家族を失ったご遺族が少しずつ悲しみを癒やすために、慶事を控える時期なのです。
神道や一部の宗派を除く仏教では、故人様が亡くなってから一年間は喪に服す期間であるとされています。ただし、現在の喪中に関する縛りは法律などによるものではないため、個々の判断で喪中の期間を定めても構いません。
キリスト教では、故人様に天国でまた会うことができるという概念があるため、一年間喪に服す考えはありません。そのため、キリスト教のお祝い事とされるクリスマスに重きを置く国や地域では、同じ年にご家族が亡くなった場合でも、クリスマスを祝ったりクリスマスのミサに参列されたりするご家庭が多いようです。
日本では、喪中は死を悼む期間として静かに過ごすことが美徳であると伝えられているため、守るべきタブーがあります。地域差やご家庭の考え、宗教により違いはあるかもしれませんが、ここでは一般的に控えた方が良いとされる行動をお伝えしていきます。
神道では、死は穢れであると考えられています。そのため、忌中に神へ参拝することは禁じられています。ただし、四十九日が過ぎて忌中が終われば、喪中の期間であっても参拝して構いません。
年が明けた時の「おめでとうございます」という挨拶、正月飾り、年賀状などは祝い事に当たるため、喪中ではタブーとされています。ただし神社への初詣やお守り、札、おみくじの購入は、忌中でない限り通常の参拝と同様にしても構いません。また、仏道では死を穢れとは捉えていないため、忌中であっても寺院にはお参りできます。
基本的に、喪中期間の慶事への出席は避けるべきとされています。しかしながら、前々から決まっていたお呼ばれ、なおかつ忌明けの場合は、互いにご相談の上で出欠を決められると良いでしょう。
オススメ関連記事
忌中の期間や控えるべきこととは?知っておきたい忌中のマナー
「忌中」という言葉をご存じでしょうか。なかなか馴染みのない言葉でもありますので、「喪中」は知っているが「忌中」は分か...
「忌中」という言葉をご存じでしょうか。なかなか...
続きを読むそもそもクリスマスは、キリスト教国を中心とした海外のイベントです。厳密にお伝えすると、クリスマスはキリストがこの世に生を受けた日という意味ではなく、キリストが神として降誕したことを祝う日です。つまり、クリスマスはキリスト教徒の方々が行う儀式というのが本来の意味合いになります。
クリスマスが日本に普及したのは、戦後です。日本でのクリスマスはまだ新しい風習であり、キリスト教への宗教心で行っている方は多くありません。お祝いの意味合いとしては、慶事ほどには重要視されていません。
そのため、ご自宅への飾り付けやケーキを食べることなどは問題ないと考えられています。ただし、地域や各ご家庭の考えによっては、喪中にクリスマスを祝うことが不謹慎と考える方も少なくありませんので、外にイルミネーションを飾るなど派手な演出は避けた方が無難でしょう。
喪中であっても、仲の良い方々にクリスマスカードを送るのは問題ありません。しかしながら、喪中の方へクリスマスカードを送るのはなるべく控えた方が良いでしょう。喪中の方の中には、深い悲しみから立ち直れていない方も多くいらっしゃるためです。
かつて寒中見舞いとは、寒さが厳しい冬の時期に相手を思いやり、近況を交わす意味合いの挨拶状でした。しかしながら現代では、さまざまな理由で年賀状を送れなかった場合の返事として、または年賀状の代わりに喪中の方と交わすコミュニケーションツールとして定着しています。
喪中の方とのやり取りをご希望される場合、華やかなクリスマスカードよりもシンプルな寒中見舞いの方が相手の方とも心穏やかに交流できるでしょう。ただし寒中見舞いは、松の内以降から立春までに到着するように配慮する必要があります。
クリスマスは元々海外のイベントであり、慶事として歴史が深いものではないため、喪中でもお祝いして構わないとされています。ただし、悲しみから立ち直れていない喪中の方へ、クリスマスカードを送ったりパーティーに誘ったりする行動は慎むのが無難です。もし、ご遺族の方と一緒にクリスマスを過ごされたい気持ちがある場合は、それとなくクリスマスの過ごし方を伺ってみてから判断しましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
故人様の死を偲びながら静かに過ごす一年間を喪中といいますが、喪中では慶事に参列したり、大がかりな旅行をしたりなどの行動を慎むことが、古くからの慣習となっています。本記事では、一年で最もめでたい時期と考えられているお正月に焦点を当て、喪中のご家庭でどのように過ごしていくべきかを解説していきます。
ご家族の方や2親等以内の方が亡くなった場合、命日から一年間は喪に服すのが通例です。日本における喪中期間では、故人様の死を悼み、静かに過ごすことが一般的であるため、日常生活においてある程度の制約が求められます。 そこで当記事では、喪中と厄年が重なった場合の対処法、初穂料の相場などをご紹介いたします。