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2024-04-12

享年と行年の違いとは?どっちを使うべきか、計算方法もあわせて解説

「享年」と「行年」は、テレビ番組や新聞、雑誌などでよく用いられるため、多くの方が耳にしたことのある言葉なのではないでしょうか。ただし、享年と行年は、それぞれ違う 意味合いを持っているため、使い分けに気を付けなければいけない場合があります。

本記事では、享年と行年の違いと使い方、さらには数え方の計算方法について解説いたします。

享年と行年の違いとは?

享年と行年とは、ともに亡くなった方の年齢を指し示す言葉です。しかしながら、それぞれに違った意味を持つので、使用される機会がある場合は注意する必要が出てきます。ここでは、その違いを詳しくみていきましょう。

享年の意味は「数え年」

享年(きょうねん)は、「天から享(う)けた年齢」という意味です。この世に生を受けた年(0歳)を1年と数え、お正月を迎えるたびに1歳ずつ足していった数字を指します。つまり、カウント方法は数え年と同じなのです。

行年の意味は「満年齢」

行年(ぎょうねん/こうねん)は、故人様がこの世に生まれてから何歳まで生きたのかを示す言葉です。そもそも行年は仏教用語で、行年の「行」は修行を意味します。つまり、この世で何年修行したのかを表しているのです。

かつては、享年も行年も数え年で計算されるのが一般的で、明確な区別はほとんどありませんでした。なお、1950年に「年齢のとなえ方に関する法律」が施行され、公共施設などで年齢を伝えるときには0から数える満年齢が用いられるようになったため、行年ではそれに準じる形で数えられることが増えました。

没年との違いは?

享年と行年は、故人様が生きてきた年数を示しています。一方の没年は、故人様が亡くなった年が表されているのです。例えば、85歳で亡くなった場合は、没年85歳と記載します。生きてきた年数と亡くなった年で、伝えるべき事柄は似通っていますが、時と場合によって使い分けが必要になることを留意しておきましょう。

享年と行年の数え方・計算方法

ここからは、享年と行年の数え方と計算方法について解説していきます。

享年の数え方・計算方法

享年は、数え年で計算します。数え年は、お母さんのお腹にいる時期を0歳と考え、生まれ出た瞬間から1歳とカウントするようにします。そして、1月1日を迎えるたびに年齢を一つずつ足していくのです。

計算方法としては、一般的な満年齢に、1か2を足し算すると覚えておきましょう。つまり、最期の年に誕生日が来ていなければ+1、誕生日が来ていれば+2を年齢に算入します。

〈例〉

1940年2月30日生まれで2024年2月21日に亡くなった場合の享年(数え年)は85歳

行年の数え方・計算方法

行年は満年齢で計算します。満年齢は、一般的な実年齢です。生まれた年を0歳として、誕生日が来るたびに年齢を一つずつ足していきます。

計算方法としては、現在の西暦から生まれた年の西暦を引き算するだけです。亡くなった時点で誕生日が来ていない場合は、さらに1をマイナスしましょう。

〈例〉

1940年2月30日生まれで2024年2月21日に亡くなった場合は2024-1940-1=満83歳

享年と行年の使い方について

では、享年と行年について、どの場面でどのような選択をすれば良いのかみていきましょう。

享年と行年の使い分けは必要?

実は、享年と行年の使い分けに、明確な決まりはありません。ただし、宗派や土地柄によってどちらを使うか決められている場合がありますので、菩提寺や霊園に確認しておくと良いでしょう。

位牌や墓石、喪中はがきにはどっちを使うべき?

結論からいえば、位牌と墓石のいずれも、享年と行年のどちらを表記しても間違いではありません。ただし、寺院では享年を、それ以外の霊園などでは行年が使われることが多くなっています。

基本的には、ご葬儀で使用される仮位牌に合わせますが、ご先祖様が入っている墓石へ新たに彫る場合は、ご先祖様の表記に合わせるのが一般的です。

また、喪中はがきに故人様の年齢を記入する場合は、満年齢で「〇〇歳」と記す方が増えてきています。ただし、満年齢とはいえ、一般的に見慣れない行年は使用を避けるのが無難でしょう。なお、享年で書く場合は、数え年で表記するよう留意します。

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「歳」の記載は必要?

喪中はがきに歳を書かなくてはいけない決まりはないので、必ずしも歳を表記する必要はありません。プライバシーの観点から、あえて亡くなった歳を記載しないご遺族も増えてきています。

宗教・宗派による使い方の違いはある?

享年と行年の使い方は、宗派によって違いがみられます。以下の例をご参照いただいた上で、決定する前に菩提寺の方と相談してみることをおすすめします。

・真言宗

寺院によって違うので、菩提寺や墓石がある場合は彫る前に確認が必要です。

・浄土真宗

享年の代わりに「寿算(じゅさん)」を使うことがあります。計算方法は享年と同じです。

・浄土宗

仮位牌に入っている文字を使って本位牌を作るのが基本です。享年を使うことが多いです。

・日蓮宗

位牌は仮位牌に沿い、墓石はご先祖様の表記に添うのが一般的です。

なお、生まれてから1歳になる前に赤ちゃんが亡くなった場合は、「享年当歳」または「行年当歳」と記載します。いずれも、霊園か菩提寺に確認を取れば間違いありません。

まとめ

本記事では、享年と行年の違いを解説してきました。お墓の石や位牌に故人様の亡くなった年月日を記載する場合、享年か行年、どちらを使うべきなのか迷われる方も多いのではないでしょうか。

どちらを使うかは、宗教や菩提寺、土地柄などで決められている場合があり、ご先祖様の表現に合わせるという考え方も多いです。ご不安な場合は、寺院や霊園、もしくはご親族などに確認してみると良いでしょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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