2022-06-10
ご葬儀に参列する際、参列者は服装や髪型など、さまざまな箇所に配慮しなければなりません。このとき、服装のマナーは心得ているが、靴に関してはよく分からないという方がいらっしゃいます。「ご葬儀にどのような靴を履いていけばいいのか分からない」「黒の革靴は持っているけど、持っている革靴がご葬儀にふさわしいのか」と悩む方も少なくありません。
今回は、どのような靴が喪服にふさわしいのかについて解説していきます。
喪服に合わせる靴は基本的に「黒色の合成皮革」が男女共通のマナーとなります。黒に近いこげ茶やグレーのような落ち着いた色は一見問題ないようにも思えますが、ご葬儀の場においては避けた方が良いとされています。
ご葬儀は故人様のご冥福をお祈りする厳粛な儀式のため、靴も服装と同じようにフォーマルな装いを心がけましょう。派手なものや華美なデザイン、逆にカジュアルすぎるものはマナーとして好ましくありません。
また、黒であれば何でも良いわけではなく、「素材」にも注意が必要です。「ワニ革」「ヘビ革」「クロコの型押し」は殺生を連想させるため、ご葬儀の場にはふさわしくありません。スエード素材の靴も同様です。
また、「エナメル」は光沢感が出すぎるため、ご葬儀にはふさわしくないとされています。一昔前だと布製の靴が常識でしたが、現代では合成皮革が一般的です。
男性であれば、「黒の内羽式ストレートチップ」がフォーマルな靴とされています。冠婚葬祭すべての場面に使えるので、一足持っておいても損はありません。ここからは、ご葬儀にふさわしい靴のデザインと靴下の選び方について解説していきます。
前項でも解説したとおり、ご葬儀にふさわしい靴は「黒の内羽式ストレートチップ」です。革靴にはほかにも「プレーントゥ」「ウィングチップ」とさまざまなデザインがあります。
「ウィングチップ」は靴に穴飾りがたくさん施されており、オシャレなデザインの革靴です。ビジネスには向いていますが、喪服に合わせるにはカジュアルすぎるため、避けた方が良いでしょう。
「プレーントゥ」はストレートチップに次いでフォーマルなデザインです。ご葬儀においては「黒のプレーントゥ」でも問題ないとされています。
ほかにふさわしくないデザインとしては、靴紐がついていない「ローファー」「スリッポン」などがあります。また、金具がついているものも、少しカジュアルな印象になってしまうため控えた方が無難です。
靴の羽根は「内羽根式」がフォーマルとされています。靴の羽根とは靴紐を通す箇所の名称で、内羽根式と外羽根式の2種類が存在します。
「内羽根式」とは、靴紐を通す部分の革が甲の皮に潜り込んでいるデザインのものです。こちらはほとんどの場面で使用できるフォーマルなデザインとされています。
一方「外羽根式」は、靴紐を通す部分の革が外で開いているデザインを指します。内羽根式に比べて歩きやすいほか、脱ぎ履きもしやすいのが特徴です。狩猟や屋外労働で用いられてきたデザインのため、冠婚葬祭の場にはあまりふさわしくありません。
靴に合わせる靴下も、ご葬儀の場では配慮するべきポイントのひとつとなります。基本的に、靴下も喪服同様「黒」を選ぶのがマナーです。
こげ茶・グレー・濃紺のような落ち着いた色合いであっても、ご葬儀では避けた方が良いでしょう。柄物の靴下はマナー違反となりますが、ワンポイントやリブソックスであれば問題ありません。
靴下の丈は、ふくらはぎまで覆ってくれるミドル丈を選ぶようにしましょう。ミドル丈なら椅子に座った際、肌の露出を避けられるからです。丈の短い靴下は肌が露出していまい、下品な印象を与えてしまうため注意が必要です。
女性は基本的に「黒いプレーントゥのパンプス」がフォーマルなデザインとされています。ヒールは3〜5㎝ほどのものを選ぶと良いでしょう。ここからは、デザインやヒールの高さに関する細かなマナーや、ストッキングの選び方について解説していきます。
女性の靴はデザイン性に富んでおり、先ほど挙げた「プレーントゥ」のほかにも「スクエアトゥ」「ポインテッドトゥ」「オープントゥ」などの種類があります。スクエアトゥはつま先が角張っているデザインで、プレーントゥに次いでフォーマルなデザインです。ご葬儀においてはスクエアトゥを選んでも問題はありません。
つま先が尖っているポインテッドトゥ、つま先が開いているオープントゥはカジュアルすぎるため、ご葬儀には向かないデザインとなっています。
素材は合成皮革か一部が革のもの、または布製のものを選びましょう。ストラップがついているものは、歩きやすさや脱げにくさを優先したデザイン性の低いものであれば問題ありません。
女性の靴で注意したいのが「内側」と「靴底」です。女性の靴は内側と靴底が派手な色で作られているものも多いため、通販で購入する際は注意しましょう。
ヒールの高さは、先述したように3〜5㎝が良いとされています。低すぎるとカジュアルな印象になってしまいますし、逆に高すぎると華美な印象を与えてしまうため注意が必要です。
また、ヒールのデザインにも配慮が必要で、「ピンヒール」「ウェッジソール」「チャンキーヒール」はカジュアルなデザインなのでご葬儀では履かないようにしましょう。
ストッキングも基本的に喪服と同様「黒」が良いとされています。ただし、真っ黒ではなく肌が薄く透ける程度のストッキングがマナーです。一般的にちょうど良い薄さは30デニールほどです。
ただし、例外として冬にご葬儀が行われる場合はタイツを着用しても良いとされています。厚さは80デニールまでに抑えておくのが無難です。
また、網タイツやデザイン性の高いタイツ、飾りがついたものもマナーに反します。生足も好ましくないため、あまり派手ではないタイツを着用しましょう。
お子さんに関しては大人ほど意識する必要はなく、未就学児であればスニーカーなどで問題ありません。また、就学児で学校指定の靴があればそちらを履くのがマナーです。
学校指定の靴がない場合、ローファーやスニーカーでも構いません。色はなるべく黒・白・グレーなどの落ち着いた色合いを選択しましょう。
ご葬儀の場では服装だけでなく靴にも配慮が必要です。男性は「黒の内羽式ストレートチップ」、女性は「黒いプレーントゥのパンプス」ヒールは3〜5㎝が良いとされています。お子さんの場合、黒・白・グレーなど落ち着いた色合いの靴のほか、学校指定の靴があればそちらを優先して履かせましょう。
ご葬儀で一番大切なのは故人様のご冥福をお祈りする気持ちですが、あまりにもマナーに反する格好だとご遺族の方や故人様に対して失礼になってしまいます。ご葬儀の場にふさわしい「身だしなみ」に整えるのも大切なので、不安な方は自身の服装や靴などを一度見直してみてはいかがでしょうか。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
お通夜やご葬儀では、ご遺族は深い悲しみの中にいらっしゃいます。ご葬儀でのマナー違反などにより、相手の方々に失礼があれば、関係に亀裂をもたらすかもしれません。そのような事態を防ぐためにも、ある程度の心構えと準備は日頃から整えておく必要があるでしょう。そこで今回は、ご葬儀に適した服装を解説いたします。
ご葬儀とは、故人様のご冥福を祈り、あの世へお送りするための大切な儀式です。したがって、さまざまなマナーが存在します。それは、子どもについても例外ではありません。最期の別れという悲しみの席では、くれぐれもお相手に失礼のないよう、大人の配慮が必要です。
ご葬儀へ向かう際、どのハンカチを持って行こうか、悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。ハンカチはお出かけの際にも必要になるアイテムですが、基本はしまっておくものであるため、どのようなデザインでも問題ないだろうとお考えになる方も少なくないでしょう。