2023-02-20
ご遺族がご葬儀に参列する際は、喪服を着用するのが一般的です。しかし、仏教ではご葬儀の後も一周忌、三回忌など年忌法要が続きます。そのため、「毎回喪服を着用するのは面倒だ…」「どのような服装をすればいいの?」などと悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、一周忌・三回忌・七回忌に分けて、喪主やご遺族が気をつけるべき服装マナーについて解説していきます。また、ご家族のみで法要を執り行う場合の服装や、案内状の書き方についても紹介していますので、併せて参考にしていただけると幸いです。
法要の服装は、状況に応じて適切な装いをするのが基本です。一般的には、以下のような目安が存在します。
一周忌 | 準喪服 |
三回忌 | 略喪服 |
七回忌 | 略喪服または地味な服装 |
基本的に、喪主やご遺族は参列者よりも格下の装いにしないのが鉄則です。一般的には、三回忌を節目に服装の自由度が増します。また、一周忌においては、施主側は原則喪服を着用するのがマナーですが、正喪服ではなく準喪服でも良いとされています。
準喪服とは、正喪服よりも一段格式の低い喪服で、一周忌ではこの準喪服を着用します。正喪服・準喪服・略喪服とある格式の中では、最も着用頻度が高い喪服といえます。喪主やご遺族が一周忌で準喪服を着用する際には、以下のマナーに気をつけましょう。
・スーツ…黒色の光沢がないもの
・シャツ…白無地
・ネクタイ…黒無地(ネクタイピンもできればつけないようにする)
・ベルト…黒色でシンプルなデザインのもの
・靴下…黒無地
・靴…黒の革靴(装飾がついているものは極力避ける)
・アクセサリー…結婚指輪(腕時計はシンプルなデザインのものであれば可)
・服…黒色で光沢感のないワンピース・アンサンブル・スカートスーツなど
・ストッキング…黒色でデニール数の小さいもの
・靴…黒色のパンプス(光沢のある素材やスウェード生地は避ける)
・カバン…礼装用の小さな黒いもの
・アクセサリー…結婚指輪(派手なアクセサリーは原則外す)
・メイク…ナチュラルで清潔感のあるメイクを心がける
男の子…白シャツと黒のズボン
女の子…白シャツに黒のスカートまたは黒のワンピース
乳幼児…シンプルな服装
※学校指定の制服があればそれを着用する
三回忌では略喪服を着用します。略喪服とは、準喪服よりも一段階格式の低い喪服です。三回忌を執り行う際は、以下のマナーに注意しつつ、身だしなみを整えましょう。
・スーツ…黒・濃紺・濃いグレーなどの色合いのもの(ストライプなど、同色であっても柄が入ったスーツは望ましくない)
・シャツ…白無地(スーツと同じく柄物は控える)
・ネクタイ…黒無地
・ベルト…黒色でシンプルなもの
・靴下…黒無地
・靴…黒の革靴(金属の装飾品がついていないものが望ましい)
・アクセサリー…結婚指輪(腕時計を着用する際はシンプルなデザインにする)
・服…黒・濃紺・濃いグレーなどの深い色のスーツやアンサンブル(中に着る服もダークカラーを意識する)
・ストッキング…黒色でデニール数の薄いもの
・靴…黒色でシンプルなパンプス
・カバン…飾りや光沢のないシンプルなもの
・アクセサリー…結婚指輪(真珠のネックレスやイヤリングは問題ない)
・メイク…シンプルなメイクを心がける
男の子…白シャツに黒やグレーのズボン、
女の子…同色のワンピース
乳幼児…落ち着いた色合いの服
※学校指定の制服があればそれを着用する
七回忌以降は、略喪服または平服(地味な服装)が一般的です。略喪服については先ほどご紹介しましたので、ここからは平服のマナーについて解説していきます。
ただし、ご葬儀や法事・法要における「平服」は、追悼の場に適した服を指す言葉であって、普段着のようなカジュアルな装いを指す言葉ではありません。
・スーツ…黒・濃紺・濃いグレーなど、落ち着いた色合いのもの(目立たない程度であれば柄が入っていても問題はない)
・シャツ…白無地(夏場は半袖でも良いが、法要が始まったらジャケットをはおるのがマナー)
・ネクタイ…黒無地
・ベルト…黒無地でシンプルなデザインのもの
・靴下…黒・濃紺などの深い色(柄は無地)
・靴…革靴(スニーカーやサンダルなどカジュアルな靴は避ける)
・アクセサリー…結婚指輪(腕時計をする際はシンプルなデザインにする)
・服…黒・濃紺・濃いグレーなどのスーツやワンピース(インナーも同色を心がける)
・ストッキング…(黒色でデニール数の小さいもの)
・靴…黒のパンプス(ヒールの高いパンプスやサンダルは避ける)
・カバン…正装用の黒色で小さいもの
・アクセサリー…結婚指輪(真珠のネックレスやイヤリングは問題ない)
・メイク…ナチュラルで清潔感のあるメイクを心がける
男の子…黒や濃紺などの落ち着いた色合いで清楚な装いにする
女の子…男の子と同様に、清楚な色合いの服装を心がける
乳幼児…派手ではない装いにする(特に決まりはない)
※学校指定の制服があればそれを着用する
ご家族のみの小規模な法要であった場合も、略喪服を着用するのが基本的なマナーです。ただし、七回忌以降であれば、喪服でなくても問題はありません。その際は、地味で落ち着いた色合いの清潔感がある服装を心がけましょう。
初七日法要、四十九日法要などの忌日法要の場合は、準喪服を着用するのが無難です。また、故人様が亡くなられてから初めて訪れる「初盆(はつぼん)」の際は、喪服を着用すると良いでしょう。
案内状には必ず明記するべき内容と、併せて案内しておくと親切な内容の2つがあります。それぞれの項目は以下のとおりです。
・頭語
・時候の挨拶
・法要の詳細(誰の法要か、何回忌なのかを記載する)
・日時と場所
・会食の有無
・服装の指定
・香典の有無
喪服でなくても良い場合は「平服」と指定します。また、香典の有無に関する記載があると親切な印象を与えられるので、こちらも忘れずに明記しておきましょう。
喪主やご遺族の立場であれば、参列者以上に服装への配慮が必要です。法要は、服装の厳密なルールはないものの「場に適した服装」といった暗黙の決まりがあるため、判断に困ることもあるでしょう。
基本的には七回忌まで服装に配慮し、以降は地味で清潔感のある装いをするのが一般的です。本記事で解説した服装のマナーを参考に、各法要に適した装いを心がけましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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