2022-03-07
初七日法要に喪主として参列する場合、どのような挨拶をしたら良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。人前で話すのが苦手な方であれば、なおさら頭を抱えてしまうかもしれません。
本記事では、当日慌てることのないように、初七日法要における挨拶について解説していきます。挨拶の例文も用意していますので、ご自身の立場に置き換えて参考にしてみてください。
また、法要以外にも会食の際の挨拶や献杯の仕方についても解説しています。喪主として、もしくは喪主の代わりに挨拶する際の参考にしてください。
初めに、初七日法要の意味について解説します。初七日法要とは、故人様が亡くなられてから7日目に執り行われる法要のことです。
仏教の世界では亡くなられた日を1日目とカウントするため、5月1日に亡くなられたのであれば、5月7日が初七日法要を執り行う日になります。
仏教では、人は亡くなってから49日間の間、7回に分けて魂の審判を受けるとされており、この審判によって故人様の魂が極楽浄土に行けるかどうかが決まると考えられています。そのため、最初の審判の日である7日目に故人様の魂の冥福をお祈りするための法要を執り行うのです。
本来はご葬儀と別で執り行うものですが、近年では参列者の都合も考慮し、ご葬儀と同日に行うケースが増えてきています。このような初七日法要の方法を「繰り上げ法要」または「繰り込み法要」といいます。
「繰り上げ法要」はご葬儀を行ったあと、初七日法要も行う方法。「繰り込み法要」はご葬儀の中に初七日法要を組み込む方法です。
初七日法要とはどのような流れで執り行われるのでしょうか。挨拶のタイミングを把握しておくためにも、当日の流れを知っておいたほうが良いでしょう。ご葬儀と別で行った場合、繰り上げ法要の場合、繰り込み法要の場合に分けて解説していきます。
【初七日法要を単独で行った場合の流れ】
1.着席
2.僧侶による読経
3.会食
【ご葬儀後に初七日法要を行う場合(繰り上げ法要)】
1.ご葬儀
2.出棺
3.火葬
4.初七日法要
5.会食
【ご葬儀に初七日法要を組み込む場合(繰り込み法要)】
1.ご葬儀
2.初七日法要の読経
3.出棺
4.火葬
5.会食
前項で初七日法要の流れを解説しました。それでは、喪主はどのタイミングで挨拶をするべきなのでしょうか。
喪主が挨拶するタイミングは4つ、「法要の前」「法要のあと」「会食の前」「会食の締め」です。もし会食がなければ最後の2つは必要ありません。
実際初七日法要ではどのような挨拶をすれば良いのでしょうか。挨拶の例文を場面別で紹介していきます。
法要での挨拶は、「法要前」と「法要後」の2回行います。法要前の挨拶では、「①参列者へのお礼」「②故人様に対する思い、もしくは近況報告」の順で挨拶をしていきます。
法要後に行う挨拶は「①参列者へのお礼」「②会食への案内」の順です。どのような文言で挨拶を行えば良いのかは、以下の例文を参考にしてみてください。
【法要前】
参列者へのお礼
「本日はお忙しい中、◯◯(故人様の名前)の初七日法要にご列席していただき、誠にありがとうございます。」
故人様に対する思いや、近況報告
「皆様のおかげで、無事初七日法要を執り行うことができました。葬儀から1週間が経ち、私どもも少しずつではありますが実感が湧いてきたところです。まだ気持ちの整理は付かない状況ではありますが、◯◯に心配をかけないためにも、1日も早く立ち直れるよう、家族と力を合わせていこうと思います。皆様にご列席いただき、◯◯もとても喜んでいることと思います。本日はよろしくお願いいたします。」
【法要後】
参列者へのお礼
「改めて、本日は〇〇の初七日法要にご列席いただき、誠にありがとうございました。」
会食への案内
「ささやかではございますが、食事のご用意させていただきました。◯◯の思い出話などお聞かせいただけると嬉しいです。お時間の許す限り、ごゆっくりおくつろぎください。本日は、誠にありがとうございました。」
会食がない場合は、会食への案内の挨拶を省き、宴席を設けない旨を付け加えましょう。
食事を始める前に喪主からの挨拶を行います。挨拶の例文は、以下のとおりです。
「本日はお忙しい中、◯◯の初七日法要に足を運んでいただき、誠にありがとうございます。ささやかではありますが、お食事をご用意いたしました。○◯との思い出話を皆様にお聞かせいただければと思います。それでは、献杯のご唱和をお願いいたします。献杯。」
会食の締めにも、喪主からの挨拶が必要となります。挨拶の例文は以下のとおりです。
「皆様、本日は◯◯の初七日法要にお集まりいただき、誠にありがとうございました。◯◯も喜んでいることと思います。簡単ではございますが、これにて初七日法要の会食を終了とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。」
初七日法要に限らず、ご葬儀や追悼供養などの挨拶にはマナーが存在します。次の項目では、初七日法要で挨拶する際に注意しておきたい点や、挨拶のマナーについて解説していきます。
法要の挨拶では「忌み言葉」と呼ばれる、避けるべき言葉や言い回し存在します。忌み言葉とは、「死ぬ」「苦しむ」「迷う」などの不吉な意味をもつ言葉や、「4」や「9」などの数字、「死」や「苦」を連想させるものです。
また、「たびたび」「次々」「くれぐれ」「ますます」などの重ね言葉も避けるようにしましょう。法要や法事において重ね言葉は「不幸が重なる」という意味を含むため、ふさわしくないとされています。
法要後の会食では、お酒が用意されている場合が多いです。そのため、挨拶後に「乾杯」と言ってしまいそうになりますが、法要の場において「乾杯」はNGワードとなります。法要では「乾杯」ではなく「献杯」と言うようにしましょう。
また、献杯の際はグラスを合わせて音を鳴らしたり、グラスを高く掲げたりしてはいけません。なるべく声のボリュームを抑え、グラスは胸の位置あたりに留めておきましょう。
挨拶はできるだけ手短にしたほうが良いのですが、短過ぎるのもよくありません。そのため、挨拶は長くても1分以内で収まるようにしましょう。本記事で紹介した例文を参考にしていただければ、ちょうど良い時間になります。
初七日法要において、喪主が挨拶をしなければならないタイミングは主に4つ。「法要の前」「法要の後」「会食の前」「会食の締め」です。
初七日は故人様が亡くなってからまだ日も浅いため、思い出がよぎって言葉を詰まらせたり、うまく話せなかったりすることもあるでしょう。大切なのはきちんと話すことではなく、故人様のために参列していただいた方への感謝を伝えることです。多少言葉が詰まってもかまわないので、気持ちを込めてマナーに乗っ取った挨拶をすることが大切です。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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