2022-03-07
故人様が亡くなられてから最初に行われる追悼供養に「初七日法要」があります。大切な意味合いを持つ法要のため、ご親戚の方であれば初七日に呼ばれることも多いでしょう。
初七日法要に参列をお願いされた方の多くは、「葬儀でも香典を出したけど、初七日でも必要なの?」「初七日法要の香典はいくら包めばいいの?」という悩みを抱えたこともあるのではないでしょうか。
本記事ではそのような悩みを解決できるよう、初七日には香典が必要なのか、香典の金額相場、書き方や渡すタイミングなど、初七日における香典について解説していきます。
初七日とは、故人様が亡くなってから初めて執り行われる法要のことです。仏教において、故人様の魂は7日ごとに計7回審判を受け、最後の49日目に極楽浄土に行けるかどうかの結果が出るとされています。
初七日法要は最初の審判の日に行われるもので、故人様の魂が極楽浄土に行けるようお祈りするという意味が込められています。
本来であれば、ご葬儀や告別式と別で執り行われるのですが、最近では参列者の都合を考え、「繰り上げ法要」や「繰り込み法要」を行うことが増えてきました。
「繰り上げ法要」とは、ご葬儀の当日に初七日法要も一緒に行ってしまうという方法です。もう一つの「繰り込み法要」は、ご葬儀の中に初七日法要も繰り込んで行うという方法になります。
「ご葬儀に参列した際、香典は渡しているが、初七日法要でも必要なの?」と、疑問をもっている方も多いでしょう。そのような疑問をもっている方のために、初七日法要においての香典の必要性について解説していきます。
結論から言うと、ご葬儀で香典を出していても、初七日法要に招かれたときには、香典が必要となります。ご葬儀と初七日はそれぞれ別の意味をもつ法要のため、それぞれに香典が必要です。
初七日法要とご葬儀を同日に行う場合でも、香典は別々で用意する場合もありますが、最近ではご葬儀当日に初七日法要を行うことも多くなり、ご葬儀の香典のみの場合も多くなっています。
香典を包むにあたって、一番の悩みどころは「包む金額」ではないでしょうか。初七日法要における香典の金額は、故人様との関係性によって変わってきます。この項目では、関係性別に香典の金額相場を解説していきます。
・実の親の場合:10,000〜100,000円
・実の兄弟、姉妹の場合:10,000〜50,000円
・その他の親族の場合:10,000〜30,000円
・友人、知人の場合:5,000〜10,000円
上記の金額は、初七日法要がご葬儀とは別の日に行われた場合の相場です。繰り越し法要や繰り込み法要だった場合は、ご葬儀で包んだ香典の「約半額」が相場となります。
例えば、ご葬儀で10,000円を包んだ場合、初七日法要の香典は5,000円です。また、ご葬儀後に会食がある場合は、「ご葬儀で包んだ香典の約半額」+「会食代」を包みましょう。
会食代にいくらくらい包めばいいのか迷った場合は、初七日法要の香典と会食代の合計金額が、ご葬儀の香典と同額になるように包むのが無難です。
香典の金額と同じくらい悩んでしまうのが、不祝儀袋の書き方なのではないでしょうか。この項目では、初七日法要における香典の表書きの書き方について解説してきます。
【外袋】
上段に「御霊前」、下段に「名前」を記入します。よく「御仏前」と間違ってしまう方がいますが、「御仏前」は四十九日を過ぎてから用いられる書き方です。よって四十九日を過ぎる前の初七日では「御霊前」と記入します。
初七日法要がご葬儀と同日に行われる場合は、「御霊前」の右上に小さく「初七日」と記載するのがマナーです。
名前を記入する際は、1人であれば自分の名前を記入します。夫婦で包む場合は家長の名前、もしくは連名で書いても問題ありません。職場で出す場合は、代表者の名前を記入し、左側に「◯◯株式会社」または「〇〇一同」と記入します。
複数人で包む場合は、3名までであれば連名で記入しても構いません。しかし、4名以上になるのであれば、代表者の名前を記入し、別の紙に全員の名前を記入しましょう。記入した紙は、香典袋の中に一緒に入れおきます。
【中袋】
表面に「金額」、裏面に「住所・氏名」を記入します。金額は大字を用いて書くようにしましょう。例えば、10,000円を包んだのであれば「金壱萬圓他」と記入します。中袋がないタイプの香典袋を用いる場合は、外袋の裏面に「金額・住所・氏名」を記入しましょう。
初七日法要における香典には、他にも気をつけなければいけないマナーが存在します。この項目では、マナーについて解説していきます。
初七日法要に限らず、香典を包む場合は必ず頭の金額が「奇数」になるようにします。なぜかというと、偶数は割り切れる数字であるため「縁が切れる」という意味があり、縁起の悪い数字とされているからです。
初七日法要とご葬儀を同日に行う場合は、「薄墨」を用いて表書きを記入します。理由はご葬儀の際の香典と同様で、薄墨には「突然の訃報で墨をする時間がなかった」「涙で墨が薄くなってしまった」という意味合いがあるからです。
香典は受付でお渡しします。その際、一言添えてからお渡しするようにしましょう。添える言葉は、「心よりご冥福をお祈りいたします」「謹んでお悔やみ申し上げます」などで大丈夫です。
初七日法要がご葬儀と同日に執り行われる場合も、香典はご葬儀の受付でお渡しします。その際は、初七日の香典も持参した旨を一言添えるようにしましょう。なぜなら、ご葬儀後に再度初七日法要のための受付を設ける場合があったり、初七日法要の案内をしていたりするからです。
初七日法要は、本来ご葬儀とは別日に執り行うものです。しかし近年では参列者の都合も考慮し、ご葬儀と同日に行うケースが増えてきました。
初七日法要でも香典が必要となるため、参加をお願いされている場合はご葬儀と初七日法要、2つ分の香典を用意しておきましょう。
初七日はご葬儀と同じくらい大切な儀式となります。故人様やご遺族様に失礼がないよう、本記事で解説したマナーを参考に、香典の用意をしていただければと思います。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
初七日法要とは、故人様が亡くなられてから初めて執り行う追善供養です。法要を行った際、参列者から香典をいただくことがありますが、「初七日法要でも香典返しは必要?」「のしや表書きの書き方は?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。今回は、初七日法要のお返しに最適な品物の選び方・渡すタイミング・金額相場・用意する際のマナーなどについて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
初七日法要に親戚を呼ばず、ご家族だけで執り行うのに特別問題はありません。昨今は、小規模の法要が主流となりつつあるため、「家族だけで執り行います」と伝えても違和感は持たれないでしょう。しかし、ご家族だけで行う場合、服装やお布施・法要後の食事はどうすれば良いのでしょうか。今回は、初七日法要をご家族だけで執り行う際の流れやマナー、準備しておくべき内容について解説していきます。