2022-02-04
法事や法要に参列することになった際、お供え物を持っていくべきかどうか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。お供え物となれば、果物やお菓子がいいのか、どのくらいの金額で用意すればいいのかなど、色々と考えてしまうことでしょう。今回はそんなお悩みを解決できるよう、お供え物の定番商品や選ぶ際のポイント、金額の相場やお渡しする際のマナーなどについて解説していきます。
法事や法要で持参するお供え物には、昔からの定番商品や逆にお供え物として相応しくないものなどがあります。法事や法要は故人様の魂を供養する場なので、なるべくなら場違いなお供え物を持っていくのは避けたいところです。まずはお供え物のルールや定番の品物、そして現金でお渡しする場合について見ていきましょう。
昔から、お供え物には「消え物」を選ぶのが良いとされてきました。「消え物」とは、消耗してなくなるもののことで、「悲しみが消えますように」という意味を込めて、消え物を選ぶとされています。
「消え物」は定番が「五供(ごくう・ごく)」と呼ばれる品で、五供はあの世で故人様の役に立つものと考えられています。
・香(お線香)…心身を浄化させるもの
・灯明(ロウソク)…故人様やご先祖様のいる場所を明るくするもの
・花(供花)…故人様の心を癒すもの
・水…仏教では亡くなられた方は喉が渇くと考えられており、故人様の渇きを癒すために用意されるもの
・飲食…お供え物の定番で、故人様はその香りをいただくと考えられている
お供え物は、必ず物である必要はなく、現金をお供え物としてお渡しすることも少なくありません。そのような場合、香典と一緒に「御供物料」として包むようにしましょう。相場は5,000〜10,000円とされていますが、故人様との関係や宗派によってはバラつきがありますので、事前に確認しておくと安心です。
法事や法要のお供え物は五供が定番ですが、単に用意すればいいというものではありません。特に、「飲食物」に関しては細かな配慮が必要となります。ここからは、五供の中でも「飲食物」をお供え物として持参する際の注意点について解説していきます。
お供え物は、数日間お供えされることを考えて日持ちするものを選ぶようにしましょう。また、地方によってはお供え物をお茶請けとして出したり、みんなで分けて持ち帰ったりすることもあるので、なるべく個包装になっているものを選ぶのがベターです。
洋菓子ならマドレーヌやクッキー、和菓子であれば羊羹やおまんじゅうなどが好まれます。また、地方から訪れる際には、地方の特産品を持っていくのも良いでしょう。
なお、「死」や「苦」を連想される4と9の数字は避けるようにしましょう。これは、お菓子以外の飲料についても同様です。
一方、お供え物として相応しくないのが「五辛(ごしん)」であり、これは「ニンニク・ネギ・ニラ・ラッキョウ・はじかみ」のことを指します。仏様は食べ物の香りをいただくと考えられているので、香りのきついものは避けるようにしましょう。
他に禁止されているものは、「肉」や「魚」など殺生を連想させるものです。仏教の世界では殺生が禁じられているので、たとえ保存の利くものであったり、故人様の好物だったりするものでも、肉や魚は選ばないようにしましょう。
お供え物のルールは、地域や風習によって異なる場合があるので注意が必要です。前述のとおり、お供え物を現金でお渡しする場合もありますが、現金が失礼にあたると考えられているところも少なくありません。また現金でお渡しするにしても、水引の色や表書きの書き方が地方によって異なる場合もあるので、不安な方はあらかじめ確認しておくと安心です。
お供え物は故人様の他、法事や法要などの場を用意してくださったご遺族様のためのものでもあります。そのためあまりにも高価な品物を用意すると、かえってご遺族様に気を遣わせてしまうことになってしまいます。
生前故人様にお世話になった方なら、高価な品物を持っていきたいと思ってしまうのも無理はありません。しかし、ご遺族様を恐縮させないよう、前述した5,000〜10,000円ほどの予算で用意するのが望ましいと言えます。
お供え物に関してもうひとつ悩んでしまうのが、当日どのタイミングでお渡しすれば良いのかという点です。ここからは、お供え物をお渡しするタイミングやお渡しする際のマナーなどについて解説していきます。
お供え物をお渡しするタイミングは、香典をお渡しするタイミングと同様、会場の入口などで施主から挨拶された際に香典と一緒にお渡しするようにしましょう。もしタイミングを逃してしまった場合、法事や法要が始まる前にお渡ししておくのがベターです。
お供え物は必ず施主にお渡しするようにします。一般的に、お線香を上げてからお仏壇にお供えするイメージがありますが、お仏壇に直接乗せるのは、「喪主もしくは故人様と親しく付き合っていた関係」であった方に限られます。ただし、地方によっては直接仏壇にお供えする場合もあるので、その場合は他の方がどのようにお渡ししているのか確認しましょう。
お供え物をお渡しする際、一言添えてからお渡しすると丁寧な印象になります。まずは、「この度はお招きいただきありがとうございます」と挨拶し、続いて「御仏前にお供えください」と伝えるのが一般的です。
法事や法要でお供え物を用意する場合は、「五供」の中から選ぶようにしましょう。また、「五供」の中で飲食物を選んだ際には、できれば日持ちして個包装されたものを用意するのが望ましいと言えます。極端に高価なものは不要であり、5,000〜10,000円を目安とし、ご遺族様に配慮することを忘れずにお渡ししましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
一周忌や初盆に行われる法要は、数ある法事の中でも特に重要なご供養とされています。ところが、故人様の命日次第で、二つの法要の時期が重なってしまうこともあるでしょう。そこで当記事では、一周忌と初盆が近い、または重なった場合にどちらを優先すべきなのか、対処法を詳しく解説いたします。
お彼岸の時期になると、お墓参りへ向かう方が多くなります。これは日本における古くからの習わしで、主な目的はご先祖様や故人様のご供養です。ただし、お彼岸での鎮魂方法はお墓参りだけに留まらず、僧侶を招いた法要が執り行われることもあります。 そこで当記事では、お彼岸の意味や法要に関する香典のマナーについてご紹介いたします。
日本には、ご先祖様や故人様の御霊を慰めるためのお彼岸という慣習があります。あの世とこの世が最も近づくと伝えられている日に、お仏壇を清めてお供えし、お墓参りに出向いて法要を執り行うことによって、御霊のご供養をする期間です。 ここでは、お彼岸に行われる法要の意味や種類、僧侶に対するお布施の相場とお渡しする際のマナー、参列時の服装についてお伝えいたします。