2021-03-19
樹木葬や散骨などの新たなお墓の形として注目されてきているのが「納骨堂」になります。近年の核家族化や埋葬に関する価値観の多様化などによって、先祖代々の墓という従来の概念にとらわれず、ご自身やご家族のライフスタイルにあったお墓を求められる方が増えてきているのが要因だとされています。
そこで今回は、近年注目されている納骨堂に関して、その特徴や種類、相場などをご紹介します。
納骨堂は、主に建物の中などに個人やご家族でご遺骨を納められる施設になります。納骨堂は、もともと墓石へ納骨するまでの間、お寺などで骨壺を預かる「預骨(よこつ)」のための施設でしたが、現在ではお墓の代わりとして利用したいというニーズから現在のような形になっていきました。
納骨堂の多くが継承を前提としない「永代供養」のお墓であり、寺院の敷地内などに設置されます。しかし、永代と言っても個別に納骨される期間が決まっているのが一般的です。それぞれの納骨堂の契約やサービスの内容によって変わりますが、契約期間が終わった時点または継承者が不在となった時点で合祀墓にご遺骨を移して供養を続けるということが多いようです。なお、期限終了時に更新料を支払うことで期間を延長できる場合もあります。
納骨堂は、同じ敷地内に多くのご遺骨が納められているため、一般的なお墓を購入するよりも費用が安くすむのも特徴です。区画単位で購入するのが一般的で、「個人用」「家族用」「夫婦2人用」などように納めるご遺骨の数によって料金が異なります。
納骨堂には多種多様なタイプがあり、以下のようなものがあります。
タイプ | 収蔵形式 |
---|---|
ロッカー型 | 鍵がかけられるロッカーに骨壺を納める |
神棚型 | シンプルな棚上に骨壺を並べるため、個別の仕切りがない |
仏壇型 | 1つあたりのスペースが広く、小型仏壇の下部に骨壺を納める |
墓石型 | 室内墓地とも呼ばれる屋内に並んだ墓石の下部に骨壺を納める |
合葬・合祀型 | 屋内外にある永代供養塔の中に骨壺を並べる |
自動搬送型 | 一ヶ所に集められた骨壺が、お参りスペースに自動搬送されてくる |
位牌型 | 骨壺は一ヶ所に集められており、お参りは位牌に向かって行う |
一般墓と納骨堂の違いは、大きく分けて5つの違いがあります。
1)墓石建立費の有無
2)骨壺を納める場所
3)安置期間(ご遺骨を扱う期間)
4)お参りの仕方とお参りのできる時間
5)メンテナンスが必要か
一般墓は当然のことですが墓石を建てるための費用がかかります。しかし、納骨堂の場合は墓石を建てる必要が無いため、費用をぐっと抑えることができます。
一般墓の場合、ご遺骨はお墓の下にある「カロート」と呼ばれるスペースに納めます。一般的なお墓のカロートは地下部分に接していることが多いため湿気がこもりやすく、長期間保存するうちに骨壺やご遺骨が濡れてしまうことがあります。
一方の納骨堂の場合、骨壺はロッカーや仏壇形式になっている納骨堂の仏壇下部に納められたりするなど様々です。また、室内で管理しているため、骨壺やご遺骨が濡れることがなく安心して預けられます。
一般墓の場合、納骨を執り行ったらそのまま半永久的にお墓の中にご遺骨が納められることになります。一方の納骨堂の場合は、契約期間が過ぎれば取り出されて他の方のご遺骨と共に供養される場合がほとんどです。なお、先にも取り上げたように、期限終了時に更新料を支払うことで期間を延長できる場合もあります。
一般墓の場合、お参りにはお線香、お花、ロウソクなどを持参し、お線香をあげてお参りをします。一方の納骨堂の場合、多くの納骨堂ではロウソク型のライトをつけてお参りをします。納骨堂は室内になることが多いため、お線香をあげることが禁止されているのがほとんどですが、参拝室で一般墓と同じようにお参りができます。
一般墓の場合、お墓はほとんどの場合屋外にあるため、草むしりや墓石を磨くなどのメンテナンスが必要になります。一方の納骨堂の場合、そのほとんどが室内であり、メンテナンスも管理者が行ってくれるため、いつでも清潔で安心して利用できます。
納骨堂には様々なタイプがあるため、まずはご自身が納得できる納骨堂を見つけるようにしましょう。また、納骨堂を選ぶ際に大切なのは、お参りをされる配偶者や子どもと一緒に見学をすることです。親子共々、納得できる納骨堂を選ぶことが、将来の安心につながります。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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