2020-12-04
ご葬儀に参列することはそう何度もあることではありません。それが、ご遺族という立場であれば尚更です。身内の不幸によって、ご遺族としてご葬儀に参列する際は、身だしなみやご会葬者への挨拶のマナーを理解した上で臨みたいものです。
そこで今回は、ご遺族としてご葬儀に参列する際の気を付けるマナーなどについてご紹介します。
ご葬儀におけるご遺族の範囲は、一般的に「配偶者・子ども・両親・祖父母・孫・兄弟姉妹」とされています。なお、法律的には人の死亡によって一定の給付(遺族補償)がなされる場合に受給権者の範囲を画すために用いられています。
ご葬儀では上記の「配偶者・子ども・両親・祖父母・孫・兄弟姉妹」以外の親戚はご親族となります。
ご遺族としてご葬儀に参列する際に特に気になるのが身だしなみになると思います。基本的には、ご遺族としてご葬儀に参列する際もご会葬者としてご葬儀に参列する時とで身だしなみが大きく変わることはありません。
ただし、ご遺族としてご葬儀に参列される場合、受付やご会葬者への挨拶など、ご親族だけでなく故人様の友人・知人や葬儀関係者などから見られる機会が多くなっています。そのため、ご自身が気付かないうちにご葬儀の場に合わない感じになってしまっていたり、だらしなく見えてしまっていたということも起こりかねません。
以下で、ご遺族のご葬儀での身だしなみに関してまとめましたのでご参照ください。
<男性の場合>
洋装の正式礼装……「喪服(ブラックスーツ・ブラックフォーマル)」
・生地は黒で光沢素材ではないもので(上着はシングル・ダブルのどちらでも問題ありません)
・ベルトは、黒無地のシンプルなデザインのもの
・靴下は、黒無地
・靴は、紐で結ぶタイプの黒い革靴
和装の正式礼装……「紋付き羽織袴」
・羽織は、黒羽二重、染め抜き5つ紋付き
・和装の紋は、左右胸元に2つ、左右袖それぞれ2つ、首筋に1つ紋の5つ紋
・袴は、仙台平もしくは博多平
・羽織紐は、丸組みの平打ちで、色は白か黒
・草履は、畳面つきのもので、帯は博多の角帯、鼻緒は黒
※扇子は不要です
<女性の場合>
洋装の正式礼装……「喪服(ブラックスーツ・ブラックフォーマル)」
・生地は黒で光沢素材ではないもので、パンツスタイル、ワンピース、アンサンブル
・ストッキングは、黒色の薄手ストッキング
・靴は、黒のシンプルなパンプスを選び、素材は革のもの、もしくは布のもの
和装の正式礼装……「着物」
・着物は艶消し黒無地・染め抜き5つ紋付き
・生地は羽二重か一越(ひとこし)ちりめん
・半襟・長襦袢・足袋は、白を選ぶ
・帯は、黒の名古屋帯
※髪飾りや帯留めは原則としてつけない
<子どもの場合>
・新生児~1歳になるまでの赤ちゃんは、モノトーンのロンパース
・1歳を過ぎたら、上下別々のコーディネート
下は黒のスカートもしくは黒のズボン、上は黒もしくは濃紺のカーディガンにシャツ
・靴は、エナメルに金具がついた光る素材のものは避け、黒のスニーカー
ご葬儀当日に忘れ物をしてしまい、司式者やご会葬者の方々に心配をかけてしまってはマナー違反になってしまいます。そのため、前もって持ち物を準備しておきましょう。
ご葬儀に持っていくものとしては以下の通りです。
・絶対に必要なもの
数珠、香典、袱紗(ふくさ)、ハンカチ
・あると便利なもの
傘、サブバック、ストッキングの替え
※冬場であればコート
※夏場であれば扇子
ご遺族は、ご葬儀において様々な場面で挨拶をすることになります。慣れない場ですので、緊張をされるかと思いますが、落ち着いて話すことを心掛けましょう。
以下でご葬儀においてご遺族がされる挨拶の例文をいくつかまとめましたのでご参照ください。
本日はお忙しいところ、夫○○のためにご丁寧なお悔やみをいただきまして、誠にありがとうございます。
皆様方には、生前○○が大変お世話になりました。
心からお礼申し上げます。
ささやかではありますが、別室にお食事の用意をいたしましたので、故人の供養のためにもお召し上がりいただければと存じます。
皆様、本日はお忙しい中○○の通夜にご参列いただきまして誠にありがとうございました。
おかげをもちまして、滞りなく通夜を終了させていただくことができました。
もう夜も更けてまいりました。
後は家族で見守りますので、どうぞご自由にお引取りくださいませ。
本日はお忙しいところ、夫○○の葬儀・告別式にご会葬いただき誠にありがとうございました。
生前、故人が皆様に大変お世話になりましたことを心からお礼申し上げます。
○○亡き後も、変わりなくご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
遺族ならびに親族代表といたしまして、皆様にご挨拶を申し上げます。
本日は父○○の葬儀に際し、お忙しいところご会葬いただきまして誠にありがとうございました。
故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
今後は、残された私ども遺族、親族にもご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますが、お礼の挨拶にかえさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
・本日はお忙しい中ご会葬いただきまして、ありがとうございます。
・生前は大変お世話になりました。
・心よりお礼申し上げます。
ご遺族は、ご葬儀の際にご会葬者や葬儀関係者に振る舞いを見られていますので、ご葬儀の流れだけでなく、いざという時のために、ご遺族として参列するご葬儀での身だしなみやご会葬者への挨拶など、ご葬儀におけるマナーを把握しておくことが大切です。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
お通夜やご葬儀では、ご遺族は深い悲しみの中にいらっしゃいます。ご葬儀でのマナー違反などにより、相手の方々に失礼があれば、関係に亀裂をもたらすかもしれません。そのような事態を防ぐためにも、ある程度の心構えと準備は日頃から整えておく必要があるでしょう。そこで今回は、ご葬儀に適した服装を解説いたします。
ご葬儀とは、故人様のご冥福を祈り、あの世へお送りするための大切な儀式です。したがって、さまざまなマナーが存在します。それは、子どもについても例外ではありません。最期の別れという悲しみの席では、くれぐれもお相手に失礼のないよう、大人の配慮が必要です。
ご葬儀へ向かう際、どのハンカチを持って行こうか、悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。ハンカチはお出かけの際にも必要になるアイテムですが、基本はしまっておくものであるため、どのようなデザインでも問題ないだろうとお考えになる方も少なくないでしょう。