2020-11-06
近年では在宅医療の進歩や在宅での終末医療の体制の整備も相まって、慣れ親しんだご自宅で最期を迎えたいというご本人やご家族の希望から在宅医療を選ばれる方が増えてきました。それに伴い、ご自宅で亡くなられる方も増加していますが、ご自宅で亡くなられた場合、病院で亡くなられた時とは異なる手続きや対応が必要となるのをご存知でしょうか。
そこで今回は、ご家族がご自宅で亡くなられた際の対応や注意点などについてご紹介します。
ご自宅で療養されている方が心肺停止などにより息を引き取られてしまった場合はもちろん、危篤状態に陥った場合に取れる方法としては、「かかりつけ医に来てもらう」「救急車を呼ぶ」「警察に連絡を入れる」の3つあります。以下でそれぞれの方法での詳細についてまとめましたのでご参照ください。
「かかりつけ医」は、お住いの地域で健康に関することを何でも相談したり診察してもらえる身近な医師のことを言います。
自宅療養や自宅介護をされている方であれば、かかりつけ医がいることがほとんどですので、息を引き取られてしまった場合や危篤状態に陥ってしまった場合は、まずかかりつけ医に連絡を入れて、ご自宅まで来ていただきましょう。死因が療養中の疾患によるものだと判断されると「死亡診断書」を発行してもらえます。
それでは、かかりつけ医がいない場合はどうすればいいのでしょうか。かかりつけ医がいない場合の対応の1つが、「救急車を呼ぶ」です。たとえ亡くなっているのが明らかであったとしても、救急車を呼びましょう。
その場合、病院で亡くなられた場合と同じように、病院で死亡確認がなされ、死因が特定できれば「死亡診断書」を発行してもらえます。ただし、死因が特定できないようであれば行政解剖が行われる場合もあります。
かかりつけ医がいない場合の対応のもう1つが、「警察に連絡を入れる」です。救急車を呼んで救急隊員の方により死亡が確認された場合、救急隊員から警察に連絡を入れてくれます。なお、死後何日も経過しているのを発見された場合は、ご自身で警察に連絡を入れましょう。
病院で死亡された場合とは異なり、ご自宅で亡くなられた場合は事件性が考えられるため、警察による現場検証と検視が行われます。検視を受けた場合は、死亡診断書の代わりに「死体検案書」を発行してもらえます。
ここからはかかりつけ医による診察や検視が終わり、「死亡診断書」もしくは「死体検案書」を発行してもらったら、すぐに葬儀社に連絡を入れ、ご葬儀の手続きを進めましょう。その際、ご遺体の安置場所についても忘れずに相談します。
葬儀社とご葬儀の日程やご葬儀の形式などの打ち合わせが終わったら、「ご納棺の儀」を執り行います。ご納棺の儀は、故人様の旅立ちが安らかであるよう祈って執り行われる、故人様の口元に水を含ませる「末期(まつご)の水」からはじまり、故人様の身体を清める「湯灌(ゆかん)」、死装束への着せ替え、故人様をお棺に納め、副葬品を納めるまでの一連の儀式を指します。
ご納棺の儀は本来であれば、故人様が亡くなられてからご自宅にご遺体が安置された際に執り行われます。しかし、最近では病院や施設などで亡くなられてからご自宅に戻らないということも多く、その場合はお通夜式とご葬儀・告別式を執り行う葬儀会場でご納棺の儀を執り行います。
ご納棺の儀を終えたら、お通夜式が執り行われ、翌日にはご葬儀・告別式という流れになります。
なお、ご納棺の儀の詳細に関しては、以下の記事でご紹介しておりますので、是非ご参照ください。
ご葬儀最初の儀式である「ご納棺の儀」とは?一連の流れやマナー、服装をご紹介
日本の法律では、「死亡診断書」もしくは「死体検案書」がなければ、故人様の死亡が認められず、法的にはまだ存命であるとされてしまいます。そのため、それらがないと火葬も埋葬もできませんので注意が必要です。
また、先述しましたが、ご自宅で亡くなられた場合には事件性を疑われてしまうことがあります。そのため、ご自宅で亡くなられた場合は、医師や警察が来るまではご遺体に勝手に触れないようにしましょう。
在宅医療を選択されてご自宅で最期を迎えられる場合、亡くなられた際の手続きや流れを予め意識しておくことで、もしもの時に慌てることなく大切なご家族を看取ることができます。また、ご自宅で看取ることを選択された場合は、かかりつけ医(主治医)や葬儀社に事前に相談しておくのもおすすめです。
セレモニーでは、常設の相談サロンにて、ご葬儀のプロである葬祭ディレクターがご葬儀の事前相談・事前見積を無料で承っております。お気軽にお近くのセレモニー直営葬儀式場までお問い合わせください。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
人が亡くなると、急逝・逝去・死去・永眠などいろいろな言葉で表現され、ご家族や関係者などに伝えられます。一見、同じ「死」を連想させる言葉ですが、それぞれ意味や使い方に違いがあります。そのため、いざというとき相手に失礼のないよう、一般的な情報として使い分けを知っておく必要があるでしょう。
ご葬儀は何度も経験するものではないため、「参列したことはあるけど、喪主としていろいろな手配をした経験はない」「ご葬儀に一度も関わったことがない」という方も多いです。不幸はいつどのようなときに起こるか分かりません。いざご葬儀の手配をする立場になった際、何もかも初めてのため、何から手をつけていいのか分からず慌ててしまうかもしれません。 今回は、いざというときが来ても慌てず対応できるよう、ご逝去からご葬儀までの流れや注意するべき点について解説していきます。
ご家族が長い闘病生活の末に亡くなられた場合、少しでもきれいな姿で送ってあげたいと考えられる方は多いと思います。ご遺体を清潔に整えて生前の姿に近づける死後処置のことを「エンゼルケア」と言います。エンゼルケアは遺されたご家族の悲しみを和らげる1つの拠り所になるはずです。 そこで今回は、大切な方の死を受け入れる大切なプロセスの1つであるエンゼルケアの目的や内容、費用相場などについてご紹介します。