2020-10-16
お仏壇をお持ちの方からよくご相談をいただくのが、お仏壇の掃除の仕方です。故人様やご先祖様を祀る大切なお仏壇は綺麗にしておきたいものですが、お仏壇の掃除の仕方が分からないという方も多いと思います。
そこで今回は、お仏壇の掃除方法やお仏壇の掃除を行う際の注意点などについてご紹介します。
毎日お仏壇を拝んでいらっしゃる方でも、お仏壇の掃除をあまりされていないという方もいらっしゃいます。お仏壇を掃除する頻度についての決まりはありませんが、日ごろからこまめにお手入れをされるのが望ましいとされています。その上で年に数回程、しっかりとしたお手入れをされれば、故人様やご先祖様もきっと喜んでくれるでしょう。
「毎日お仏壇を掃除するのは大変」と思われる方も多いと思いますが、お仏壇やその他の仏具に埃が積もっていないだけでもかなり違います。そのため、お仏壇で手を合わされた際に、ハタキなどで軽く埃をはらうところからはじめてみることをおすすめします。
毎日お仏壇を拝まれない方の場合は、数日に1回や1週間に1回などの頻度でも問題ないでしょう。ご負担にならず、できる範囲で、長くこまめに続けられる頻度でお仏壇を掃除していきましょう。
先ほども述べましたが、お仏壇の掃除に関しては1年間に数回程、しっかりとお手入れをされるとよいでしょう。お正月やお盆、お彼岸の際にお仏壇を拝まれる方が多いので、それ以前にお仏壇をお掃除しておきましょう。それ以外にも、故人様やご先祖様の命日や誕生日などに合わせてお仏壇を掃除されてもよいでしょう。
お仏壇をよい状態で保つためには、実際にお仏壇の掃除を始める前に気を付ける点がいくつかあります。
お仏壇にとって湿気は天敵です。お仏壇の掃除後の湿気によってお仏壇にカビが生えてしまうと、お仏壇を痛めてしまいます。そのため、できるだけ天気のよい日を選んでお仏壇を掃除するとよいでしょう。
しかし、予定をしていた日しか時間が取れないために、その日が雨や湿度の高い日というようなこともあると思います。そのような時は、お仏壇の掃除を終えた後に丁寧に乾拭きをし、エアコンや扇風機などをかけることで湿気を取り、カビの発生を抑えることができます。
お仏壇が大きい場合や高い位置にお仏壇を置いている場合、お仏壇の上まで手が届かないため、イスや踏み台などを使って掃除をされる方も多いと思います。
その場合、足場の安定性をしっかりと確認しておきましょう。足場がガタつくといった不安定な状態でお仏壇の掃除を行ってしまうと、イスや踏み台が倒れて怪我をしてしまったり、お仏壇を壊してしまったりしまう危険性があります。
事前にしっかりと足場の安定性と安全性を確認した上でお仏壇の掃除をしましょう。
お仏壇を掃除したら、仏具を元の位置に戻しますが、元の位置を覚えておらず困惑される方もいらっしゃるかと思います。
そのため、お仏壇の掃除を始める前に、スマホやデジカメなどで仏具の配置を撮影しておくと、写真を見ながら仏具を戻せるのでおすすめです。
お仏壇を掃除する際に使用する主な道具には以下のようなものがあります。以下で紹介する道具については、どれも仏具店で揃えられるものになります。
なお、お仏壇の材質や仕様によっては使用できないものもありますので、事前に必ず確認をしておきましょう。
・毛払い
お仏壇や仏具に付いた埃を払うために使用します。様々な種類の払いやはたきがありますが、毛先が柔らかく細かいものがおすすめです。
・お仏壇用の筆はたき
お仏壇の中には細かい装飾や彫刻を施した箇所があります。そのような箇所を掃除する際に便利なのが筆はたきになります。
・お仏壇用のクロス
お仏壇用のクロスは表面が柔らかくなっており、お仏壇の塗りや塗装が傷付かないようになっています。なお、お仏壇用のクロスがない場合は、ガーゼなどの柔らかい布で代用しましょう。
・金属(真鍮)磨き用のクリーム
お線香を上げる際に鳴らすおりんを金属(真鍮)磨き用のクリームで磨くと、おりんの響きや輝きが見違えるほどよくなります。
・つや出しクリームやワックス
お仏壇の掃除の仕上げにつや出しクリームやワックスを塗ると、光沢が出るだけでなく、汚れが付着しにくくなりますのでおすすめです。
お仏壇の掃除の基本的な流れは、お仏壇に置いてある仏具を一旦外に出して、埃を払い、拭き掃除するという流れです。以下では一般的なお仏壇の掃除の流れと詳細に関してまとめましたのでご参照ください。
お仏壇を掃除するにあたって、お線香を立てて、おりんを鳴らし、合掌します。その際、「これからお仏壇のお掃除をさせていただきます」とご本尊と故人様・ご先祖様にお伝えしましょう。
掃除をする際に埃が宙に舞いますので、事前に部屋の窓を開けておきましょう。
お仏壇の中に置いてある仏具を全て取り出しますが、掃除を終えた後に元の場所に戻せるように、写真を撮っておくとよいでしょう。
仏具を全て外に出したら、お仏壇の中に積もっている埃を払っていきます。
拭き掃除をする際は、お仏壇用のクロスを用いるのがおすすめです。もし、お仏壇用のクロスがない場合は、先述しましたがガーゼなどの柔らかい布で代用しましょう。
お仏壇の内側の掃除が終了したら、お仏壇の外側を掃除しましょう。一旦、障子や扉を閉じてから掃き掃除をしましょう。
お仏壇の掃除が終了したら、次は仏具の掃除をします。仏具は主に、「漆や塗装を施した仏具」と「金属の仏具」の2つに分けられます。それぞれで掃除の仕方が異なりますので、それぞれ見ていきましょう。
・漆や塗装を施した仏具
表面に漆塗りを施したものや塗装を施した仏具に関しては、乾拭きで拭きとりましょう。
・金属の仏具
お仏壇に置く金属の仏具はほとんどが真鍮(しんちゅう)製になります。真鍮製品は時間が経つと色がくすんでいきますが、かつてはこれを磨くことで徳を積むと考えらえていました。年に数回、金属(真鍮)磨き用のクリームで磨くことで、仏具の品質を保ちましょう。
なお、最近の金属の仏具にはメッキなどがあります。その場合は磨けませんので、メッキ塗装がされているのか、そうでないのかが分からない場合は仏具店に相談しましょう。
掃除した仏具を元の場所に戻したら、再度お線香を立てて、おりんを鳴らし、合掌します。その際、「お仏壇の掃除が終わりました」とご本尊と故人様・ご先祖様にお伝えしましょう。
ほとんどの方はお仏壇や仏具の扱いに慣れていないため、掃除をする際に不安があると思います。お仏壇や仏具に関して分からないことがあれば、お近くの仏具店に相談をしてみましょう。
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