2019-08-16
大切なお身内が亡くなり、お通夜に葬儀・告別式と寄り添われてこられたご遺族にとって、無事に葬儀を執り行った後でまた一つ考慮しなければならないのは、納骨のことでしょう。
納骨とは、お墓や納骨堂に火葬後の遺骨を納めることをさします。その納骨には納めなければならない期限やタイミングがあるのでしょうか。
大切な方の遺骨を悔いなく納め供養できるように、ここで詳しく解説していきたいと思います。
まず初めに申し上げますと、納骨しなければならない期限や、守るべきタイミングはありません。
『まだ大切な家族の遺骨をそばに置かせてほしい。納骨の決心がつかない。』
『急な葬でお墓の準備が整わず、自宅に遺骨を安置したままで大丈夫だろうか。』
ご遺族によって色々な事情、お気持ちを抱いて遺骨が手元にあることを、心配に思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、納骨に決められた期限やタイミングはありませんから、心配には及ばないのです。
そもそも法律において遺骨の取り扱いは、都道府県知事から許可の下りた墓地に埋葬しなくてはいけない。と定められているもので、火葬後のいつまでに納骨をしなければならない、といった法律や決まりやは存在しないからです。
まだご遺族の気持ちの整理がつかない状態で無理に納骨をして、後々後悔が残るようでは故人様も本望ではないでしょう。
納骨のタイミングは残された家族がよく話し合い、心の整理がきちんとついた時行うべきなのです。
では納骨に期限がないことはわかりましたが、ごく一般的な納骨はどのようなタイミングで行われることが多いのでしょうか。
まず火葬後の遺骨は四十九日の法要までの間、自宅に備えた後飾り祭壇で安置されることが一般的です。
そして、既にお墓がある場合は、四十九日の法要を迎えたタイミングでお墓や納骨堂に納められる流れが多いのです。
また地域やその土地の習わしによっては、火葬したその日または葬儀の当日に納骨を行うケースもあります。
四十九日の法要に合わせて納骨をするケースが多いと申し上げましたが、これは既にお墓がある場合です。もし、お墓がない時は建墓に時間を要することになります。
その間は、自宅やお寺で遺骨を安置しますが、公営や民営の納骨堂でも一時預かりのサービスを提供しているところもあります。
通常お墓の完成には2~3か月がかかるのが一般的ですから、四十九日の法要に納骨を間に合わせることは出来ません。
昨今は時代の流れから、四十九日の次の法要にあたる百カ日法要はあまり行われませんから、この場合の納骨は一周忌法要や新盆、お彼岸に執り行うことが多いです。
ただし、年配の方や考え方の異なる親せきの方などの中には、一周忌を迎えようというのに納骨がまだなのか。とそれがマナー違反とばかりに反対される方もいらっしゃるかもしれません。
そのような話の流れから、納骨に期限があるのかと気に病む遺族が増えたのでしょう。
しかしながら、お墓とは残された方が亡くなった方との心の触れ合いをし、この先ずっと拠りどころとする大切な場所なのです。
まだお墓がないからと落ち着いて考えずに慌てて準備をしたり、心の整理がつかないうちに四十九日の法要なのだからと無理に納骨するなどは控え、しっかりとお身内が話し合いじっくりとお墓探しや納骨を行うことが望ましいでしょう。家族が皆納得した上で納骨を行うことは、故人様にとっても何よりの供養になるはずです。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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