2022-11-11
偲ぶ会は、「故人様のご葬儀には参列できなかったけれど、きちんとお別れをしたい」といった方のために開かれます。しかし、偲ぶ会は宗教的な儀式ではなく、これまで一度も参列したことがない方も多いです。そのため、案内が届いた際、「一体どのような服装をしていけば良いのか、守るべきマナーはあるのか?」と悩んでしまうでしょう。
今回は、偲ぶ会の基本的な知識から、当日の流れや服装・香典のマナーについて解説していきます。本記事をご覧いただき、「偲ぶ会とは何なのか」についての大枠を把握しましょう。
「偲ぶ会」とは、故人様との思い出を語り合い、ご冥福をお祈りする集まりのことを指します。人によって異なるものの、「お別れの会」と称して開催されることもあります。偲ぶ会を開催する日時に決まりはなく、ご葬儀の後や四十九日法要、一周忌のタイミングで開催することが多いです。
また、偲ぶ会は会費制で行われるものであり、参列する人数によって費用が異なります。総額の半分は施主持ちとなる場合が多く、その際の会費は一人あたり8,000~20,000円の金額に設定されるのが基本です。
偲ぶ会とご葬儀は、同じ仏教のくくりとして見られがちですが、実は宗派に関係なく開催できる宗教色の薄い集まりです。そのため、神式やキリスト教など、さまざまな宗派の方が偲ぶ会を開催しています。また、先ほども軽く触れましたが、香典ではなく会費制となっており、会費の金額は事前の案内に記載されていることが多いです。
なお、服装は施主側が指定するので、案内に従って服装を決めましょう。しかし、年忌法要と同じ日に開催する場合、喪服での参列が基本とされています。
偲ぶ会は、大きく分けて「セレモニータイプ」と「会食パーティータイプ」の2種類に分けられます。形式として多いのは立食パーティータイプです。しかし、なかにはセレモニータイプの偲ぶ会もあるため、どちらに呼ばれても戸惑わないよう、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
「セレモニー(式典)」ですので、ご葬儀や告別式と同じような形で行われる場合が多いです。一般的には、故人様の経歴などが紹介された後、施主による挨拶が行われます。そして、親しかった友人からの弔辞が読み上げられ、参列者一人ひとりが献花を行います。
会食パーティーの場合は、立食ビュッフェの形式が多いです。想定していた参列者の人数が前後しても対応できるため、多くの偲ぶ会で採用されています。比較的自由度が高く、献花や退出のタイミングにルールはありません。
偲ぶ会は、ご葬儀と違ってそこまで厳密にルールが決められているものではありません。 次の項目では偲ぶ会の一般的な流れについて解説していきます。
友人代表からのお別れの言葉があります。他にも、故人様の生前の姿を映像として流したり、好きだった楽曲をかけたりします。
故人様の経歴などを紹介し、黙祷を行います。その後は、参列者が1人ずつ焼香または献花を行いますが、偲ぶ会は厳密な形式があるわけではないため、「故人様らしい」形に変更しても問題はありません。
食事会場へ移動し、施主による献杯が行われた後、会食が始まります。このとき、自分が故人様と親しかった友人だった場合、献杯の音頭をお願いされるかもしれませんので、その際は断らずに引き受けましょう。簡潔に故人様との関係性やエピソードを紹介し、「献杯」とグラスを掲げます。
時間を見て、施主が閉会の旨を伝えます。閉会の挨拶が終わった後は、速やかに席を立つのがマナーです。このとき、返礼品が用意されている場合は必ず持ち帰りましょう。
閉会後は、故人様の遺影を中心に参列者全員で写真撮影を行いますので、あまり気負わずに臨みましょう。
仏教行事ではないにしろ、服装や香典のマナーの基本的な部分は変わりません。常識の範囲内で、なるべく節度のある服装で偲ぶ会に参列しましょう。
偲ぶ会では、施主から服装の案内がされます。「喪服」と指定されていた際は、お通夜やご葬儀に参列する際と同じブラックフォーマルを着用しましょう。男性の場合は、光沢のないブラックスーツ、女性の場合は同じく光沢のないブラックスーツまたはアンサンブルが適しています。
もし平服と指定されていても、普段着るようなカジュアルな服ではないので注意しましょう。男性の場合、黒・グレー・ネイビーなどの落ち着いた色味のスーツを着用します。また、女性も同じように落ち着いた色味のワンピースなどを選びましょう。
偲ぶ会は仏教行事ではないため、表書きはどの宗派にも広く使える「御香典」を用います。もし会費が提示されていなかった場合は、ご葬儀の相場にのっとり会費を包みます。金額は、5,000~20,000円前後を包む方が多いです。
偲ぶ会は、故人様と生前お付き合いの会った方が集まり、別れを惜しみご冥福をお祈りする会です。宗教とは関係のない集まりであり、神道・キリスト教など関係なく開催されます。
仏教行事よりもカジュアルな場ではありますが、服装や会費のマナーなど、ご葬儀と変わらない点も多いです。この点だけ留意いただき、ご遺族が「偲ぶ会を開いて良かった」と思えるような配慮を行いましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
現代のご葬儀は、各ご家庭の都合によって一般葬や火葬式、家族葬、一日葬などさまざまな形で執り行われることが増えてきています。中でもスタンダードなご葬儀といえば、一般葬です。一般葬では、お通夜や告別式を終えた後で、最後に火葬が行われます。
自宅葬とは、故人様のご自宅を葬儀会場として執り行うご葬儀です。故人様との思い出が詰まった我が家で、時間に縛られず故人様との最期の時をゆっくり過ごせるというメリットがありますが、ご遺族の手間が増える場合もありますので、自宅葬を検討している方は確認しておきましょう。
ご葬儀が年々簡略化される昨今では、「ご葬儀をしない」という選択肢も時々耳にするようになりました。そこで近年注目されているのが、火葬だけでお別れを済ませる火葬式(かそうしき)というものです。