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2023-12-29

自宅葬とは?一般的な自宅葬の流れや費用相場を分かりやすく解説します

ご葬儀にはさまざまな形があります。現代の日本では、故人様が亡くなると葬儀社へ連絡し、会場でスタッフにご葬儀をお任せする形が最も一般的となっていますが、中には自宅でご葬儀を執り行う「自宅葬(じたくそう)」を選ばれる方もいます。

自宅葬とは、長年慣れ親しんだご自宅で、故人様と最期の時間を過ごせるご葬儀です。しかしながら、実際の自宅葬とはどのようなものなのか、また、自宅葬を執り行うにあたってのリスクが気になるという意見を耳にします。そこで当記事では、自宅葬のメリットやデメリット、そしてご葬儀の流れや費用相場に至るまでを解説いたしますので、自宅葬をご検討されている方はぜひお役立てください。

自宅葬とは

葬儀社が指定する会場や斎場、または葬儀会館を借りて執り行われるご葬儀は「一般葬」と呼ばれています。その一方で、会場を故人様のご自宅へ指定し、ご葬儀を執り行うのが「自宅葬」です。

故人様との思い出が詰まった我が家で時間に縛られず、「故人様との最期の時をゆっくり過ごしたい」と思われる方が、自宅葬を選ぶ傾向にあります。

現代では自宅葬は減っている?

かつての日本では、ほとんどのご葬儀が自宅で執り行われていました。多くのご家庭で自宅葬が執り行われていたのです。しかしながら、1990年辺りから葬儀会場でご葬儀を執り行う概念が生まれ、徐々に自宅以外でご葬儀を執り行う方が増え始めました。

こうして現在では、ご自宅以外のご葬儀会場などを利用してご葬儀を執り行うのが一般的になりました。今でも、もちろん自宅葬で故人様を見送りたいと希望される方はいますが、その割合は全体のわずか5%ほどに留まっているようです。

自宅葬のメリット

では、自宅葬を行うにあたってのメリットとは、どのようなものになるのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。

➀時間の制限がない

会場を借りて執り行うご葬儀は、どうしても時間の制約に縛られてしまいます。会場に次の方の予約が入っている場合、故人様とのお別れがいかに名残惜しくとも、時間通りにお別れを済ませなくてはなりません。

一方、自宅葬では会場がご自宅のため、時間の制約はほぼありません。時間を気にすることなく故人様とじっくり向き合い、その死をゆっくりと悼めるのです。

➁住み慣れた家でお別れができる

自宅葬のメリットは、住み慣れた家の中で故人様とお別れができるという点にもあります。故人様の中には「自宅から送り出してほしい」と言い残して旅立たれる方も少なくありません。また、ご自宅でのご葬儀は、場所がハッキリと分かるため、ご親族や知り合いの方が駆け付けやすいことも利点の一つになります。

➂ご葬儀会場の費用がかからない

ご葬儀会場をレンタルすれば、当然高額の費用がかかります。また、さまざまなスタッフの手も借りることになるため、人件費も含まれることになり、多くの出費になることは間違いありません。しかしながら自宅葬では、会場が故人様自身の家になるため、会場のレンタル費用を抑えられます。

④自由な形でのご葬儀ができる

自宅葬では、比較的自由度の高いご葬儀を執り行うことができます。故人様が生前好きだった食べ物を並べたり、好きだった音楽をかけたりすることも可能です。

自宅葬のデメリット

自宅葬を執り行うにあたっては、それに伴うリスクも知っておくことが大切です。早速確認していきましょう。

➀近隣住民への配慮が必要

自宅葬を執り行う場合は、ご近所への配慮をまず一番に考えましょう。ご葬儀中は、参列者や棺が出入りしますし、駐車場の確保や霊柩車が止まるスペースも必要になります。あらためて自宅周辺の環境を確認し、ご近所の方々へお声かけを済ませておくことが大切です。

➁自宅葬ができない場合もある

お住まいの場所に寄りますが、中には自宅葬が禁止されている建物があることも念頭に置いておかなければなりません。特に集合住宅へお住まいの場合は、あらためて規定を確認しておきましょう。また、自宅葬が禁止されている集合住宅では、地域の方々が集まりやすい集会場を貸し出してくれる場合もあります

➂準備や片付けが必要

自宅葬の場合、ご自宅でご葬儀をするための片付けや準備だけでなく、参列者へお出しする料理作り や食器の後片付けを、全て自分たちで行わなくてはなりません。葬儀社を介していたとしても、このような前準備やお料理などは、コースに含まれていないことが一般的です。

ご遺族での準備が難しい場合は、ご近所の助けを借りたり、お手伝いさんやケータリングの手配をしたり など、対策を講じておきましょう。

④ご葬儀のスペースが必要

ご葬儀を執り行うには、自宅内に一連の儀式を行う場所を確保しなければなりません。参列者が少人数の場合は、祭壇のスペースを含めて6畳ほどの広さが最低限必要です。また、マンションにお住まいの場合、エレベーターに棺が乗るかどうかも確認しておきましょう。

自宅葬にかかる費用の相場

では、ご自宅で行うご葬儀の費用負担の相場は、どのくらいになるのでしょうか。参考として、会場を借りて執り行う 場合は、通夜・告別式・火葬代を含めて約1,000,000円前後になることが多いです。また、会場の大きさ・会葬人数によっては、 その倍以上かかることもあるようです。

一方、自宅葬では会場費用は一切かかりませんが、葬儀社へ自宅葬を依頼した場合は、400,000~600,000円程度が平均的な相場となります。この金額には祭壇費用・搬送費・人件費・火葬料金などが含まれています。プランによっては火葬料金が含まれない場合もあるので、契約前に確認することが重要です。

自宅葬の流れの一例

ここからは、自宅葬の一般的な流れを解説していきます。なお、地域や宗派によって、その内容や順番に違いが出ることもありますので、不安な方は事前にあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

自宅でのお通夜までの流れ

故人様が亡くなったら、まずは葬儀社へ連絡をしましょう。そこで故人様をご自宅までご移送してもらい、ご遺体の安置と枕飾りなどの設営をお願いします。

次に、お通夜や告別式について葬儀社の方と打ち合わせをしたら、菩提寺へ連絡を入れて僧侶の手配を行いましょう。

手配や手続きが全て済んだ後は、ご葬儀の準備を行います。お通夜当日を迎えたら、通夜式と参列者の方々に向けて、通夜ぶるまいを行うことになります。

さまざまな準備に対し、しっかりとしたサポートをする葬儀社もありますが、家の方々が中心となって作業が行われるのが一般的です。準備の段階で手厚いサポートが必要な場合は、契約時に葬儀社へ確認しておきましょう。

自宅でのご葬儀の流れ

メインのご葬儀や告別式は、葬儀社スタッフ進行の元で執り行われます。その後は、火葬場まで故人様をご移送し、火葬と骨上げを行います。精進落としや初七日法要を済ませたら、骨壺と共にご自宅へ戻り、部屋の片付けをして終了です。

このように、ご葬儀の流れ自体は一般葬と大差ありません。一般葬よりも当日の仕事は増えますが、業者のサポートでいつ何を行えば良いかが理解できれば、作業も比較的スムーズに進められるでしょう。

自宅葬を執り行いたい場合は葬儀社に相談する

自宅葬は、葬儀社を挟まずとも執り行うことが可能です。しかしながら、故人様のご移送やご遺体を安置する際のドライアイスの手配、式の進行、火葬場の手配など、ご葬儀に関する全ての準備が必要となります。なおかつ誰のサポートも受けられないため、非常に心労のつのる作業になってしまうかもしれません。

したがって、全てのご葬儀準備を個人で行うことはおすすめできません。基本的には葬儀社の助けを借りながらご葬儀を執り行うことをおすすめいたします。

まとめ

自宅葬は、ご自宅の中で安心しながら執り行えるご葬儀です。会場を借りる費用を抑えられるなどのメリットがある一方で、スペースの確保やご近所への配慮が大切という認識も忘れてはいけません。気持ちよく故人様を見送るためにも、さまざまな注意点を確認してから本番へ臨みましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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