意外と知らない葬儀の知識やマナー、お悩みをわかりやすく解説・解決
意外と知らない葬儀の知識やマナー、お悩みをわかりやすく解説・解決
知っておきたい葬儀の知識
知っておきたい葬儀の知識
動画でみる葬儀の知識へ動画でみる葬儀の知識
さいたま市の葬儀社セレモニーのHPへご葬儀はくらべて選ぶ時代
お問い合わせ・資料請求はこちら
お電話よる資料請求・お問い合わせ0120-41-1147

2022-06-17

仏教の宗派とは?ご葬儀でのマナーの違いや開祖・ご本尊などの基本情報を解説

日本国民の多くは仏教徒ですが、一口に仏教といってもその宗派はさまざまです。宗派が違えばお仏壇の飾り方から祭壇の作り方、お焼香やお線香の作法にいたるまで細かな違いが出てきます。

今回は、「仏教における宗派とは何なのか」という点から、宗派ごとの特徴やご葬儀におけるマナーについて解説していきます。事前に各宗派のマナーを把握しておけば、自身とは異なる宗派のご葬儀に参列した際に慌てず落ち着いて対応できることでしょう。

仏教の宗派とは?

宗派とは、仏教がインドから各国へ伝来していく中で、歴史や国の文化に基づいて変化していった仏教の形です。日本においては、代表的なものだけでも13宗と56派が存在します。

仏教は元々、インドの王族であったゴータマ・シッダールタ(ブッタ)が「悟りを開くためにはどのような修行を行えば良いのか」という課程を教えていった宗教でした。ゴータマ・シッダールタは、悟りを開くのに40年という長い年月を費やしました。そして、悟りを開いた際に「ブッタ(悟りを開いた人・目覚めた人)」と呼ばれるようになったのです。

ブッダの教えは多くのインド国民に支持され、その教えはインドから各国に広まっていきます。しかし、インド語で書かれている経典を言葉の違う国で布教するには、経典を自国語に翻訳する必要がありました。

その過程で、自国の慣習や考え方と矛盾が生じないようにと、仏教の経典は修正が加えられていきます。このように世界各国で布教活動が行われていったため、仏教はその国々で独自の進化を遂げた「宗派」ができ上がっていったのです。

日本の宗派は、日本に古くからある神様への考え方を基に作られていったとされています。また、当時の権力者の考え方も大きく影響し、時代ごとでもそれぞれ特徴が異なります。

日本に仏教が伝来したのは飛鳥時代の頃でした。当時の日本は神様を信仰する「神道」が主流だったため、悟りを開くことに重点をおいた仏教とは考え方が合わず、流行することはありませんでした。

その後、時の権力者の努力により、仏教は日本全土へと広がっていきます。広まる過程で、仏教は「神道」の考え方と調和し、独自の進化を遂げていきました。さらに時代を追うごとに、そのときに力を持っていた僧侶の考え方が反映された「宗派」が生まれていったのです。

宗派によってご葬儀のマナーが異なることがある

同じ仏教であっても宗派が違えば、「信仰する対象」「信じている教理」「唱えるお経」などが異なります。そのため、ご葬儀の内容にもそれぞれの宗派の教えが反映され、自ずとマナーも変わっていくようになりました。

「ご葬儀の内容」「お焼香の回数」「お線香の置き方」「数珠の持ち方」など、それぞれの違いを押さえておくことが重要とされています。

日本の代表的な仏教の宗派まとめ

日本には13の宗と56の派閥が存在し、それぞれに本尊や経典が異なります。次の項目では、その中でも日本を代表する8つの宗派について解説していきます。

天台宗

天台宗は、平安時代に最澄が唐(中国)から日本へ持ち帰って広めた仏教で、信者の数は現在150万人ほどとなっています。すべての人は皆仏様の子どもであり、一人ひとりが手を取り合いながら助け合うという教えが特徴です。
※参考 文化庁 宗教統計調査 「第6表__包括宗教団体別被包括宗教団体・教師・信者数」

本尊は阿弥陀如来となります。「妙法蓮華経」を経典とし、ご葬儀ではお焼香を3回、お線香をあげる際は1〜3本を真ん中に立てるようにします。

真言宗

真言宗は平安時代初期に空海によって開かれました。「即身成仏」を教えとしており、仏様と同じように行動し、心を清く持っていれば誰でも仏様になれると考えられています。本尊は大日如来とされ、「大日経・金剛頂経・般若心経」などを経典としていることが特徴です。

また、ご葬儀ではお焼香を3回額にいただき、お線香は3本立てるのがマナーです。

真言宗はさまざまな宗派に分かれており、多くの人が信仰しています。
※参考 文化庁 宗教統計調査 「第6表__包括宗教団体別被包括宗教団体・教師・信者数」

浄土宗

浄土宗は、平安時代後期〜鎌倉時代に法然が開いた宗派です。信者の数は現在600万人ほどで、厳しい修行ではなく念仏を唱えることによって極楽浄土へ行けると説いています。

※参考 文化庁 宗教統計調査 「第6表__包括宗教団体別被包括宗教団体・教師・信者数」

元来、修行を行ってこそ悟りが開けると考えられていた仏教の世界で、浄土宗の教えはとても新鮮なものでした。そのため、浄土宗は全国に広まり、幅広く信仰されました。

本尊は阿弥陀如来となります。「浄土三部経」を経典としており、ご葬儀ではお焼香を1〜3回額にいただき、その後お線香を1本立てるのがマナーです。

浄土真宗本願寺派

浄土真宗本願寺派は、鎌倉時代中期に親鸞によって開かれました。信者の数は約780万人と、各宗派の中でも特に信者の数が多いです。浄土真宗では、念仏を唱える行為ではなく、唱えようとする気持ちを大切にする考え方を持っています。
※参考 文化庁 宗教統計調査 「第6表__包括宗教団体別被包括宗教団体・教師・信者数」

また、浄土真宗本願寺派は仏教の中では珍しく、僧侶が結婚をしたりお肉を食べたりするのを許可している宗派です。

本尊は阿弥陀如来となります。「浄土三部経」を経典とし、ご葬儀ではお焼香を額にいただかず1回、お線香は火の向きを左側にして、1本を折って寝かせるのがマナーです。

真宗大谷派

真宗大谷派は、浄土真宗本願寺派と同じく親鸞が確立した宗派です。開祖が浄土真宗本願寺派と同じ親鸞である理由は、戦国時代に本願寺派と大谷派に分かれたためです。信者の数は730万人ほどで、阿弥陀様の力を信じ、常に感謝を唱えることで仏になれるという「他力本願」を教えとしています。
※参考 文化庁 宗教統計調査 「第6表__包括宗教団体別被包括宗教団体・教師・信者数」

本尊は阿弥陀如来となります。経典は浄土真宗本願寺派と同じく「浄土三部経」で、ご葬儀ではお焼香を額にいただかず2回行います。お線香は、1本または2本を2つあるいは3つに折って寝かせるのがマナーです。

曹洞宗

曹洞宗は、鎌倉時代初期に道元が唐(中国)から日本へ持ち帰り広めたとされています。曹洞宗の信者の数は370万人ほどで、「般若心経」を唱えていることが特徴です。また、座禅による修行を重視する宗派ではあるものの、同じ禅の宗派である臨済宗とは異なり、「禅問答」を行わず座禅のみを修行としています。
※参考 文化庁 宗教統計調査 「第6表__包括宗教団体別被包括宗教団体・教師・信者数」

本尊は釈迦如来となります。ご葬儀ではお焼香を2回行いますが、1回目は額にいただき、2回目はそのまま抹香を香炉にくべます。お線香は1本立てるのがマナーです。

臨済宗

臨済宗は鎌倉時代初期に栄西によって日本に伝えられました。臨済宗では、ひたすら座禅の修行を行うことにより悟りを開けるという「自力」の教えのほか、特定の本尊を持たないことが特徴です。

また、臨済宗はさまざまな宗派に分かれており、主要宗派のひとつである「臨済宗妙心寺派」には約80万人の信者がいるとされています。なお、臨済宗でのご葬儀では、お焼香を額にいただかず1回、お線香は1本立てるのがマナーです。
※参考 文化庁 宗教統計調査 「第6表__包括宗教団体別被包括宗教団体・教師・信者数」

日蓮宗

日蓮宗は僧侶である日蓮が開いた宗派で、現在330万人ほどの信者がいるとされています。自然災害や戦乱による混乱で人々が苦しんでいる中、仏教の教えによって民衆を救おうと考えたのが始まりでした。日蓮宗の教えは、題目(経典)を唱えればすぐにでも仏になれるという「唱題成仏」であるのが特徴です。
※参考 文化庁 宗教統計調査 「第6表__包括宗教団体別被包括宗教団体・教師・信者数」

本尊は釈迦如来、大曼荼羅となります。「法華経」を経典とし、ご葬儀ではお焼香を3回、お線香は1~3本を立てるのがマナーです。

まとめ

一言に仏教といってもさまざまな宗派が存在し、それぞれに異なる経典・教えが存在します。ご葬儀では祭壇の飾り方や作法が異なるため、事前にそれぞれの宗派のマナーを把握しておくことは、いざというときのためにとても役立ちます。

自身がご葬儀に参列する立場になった際は、落ち着いて供養に向き合えるよう基本的なマナーを覚えておくようにしましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


「葬儀知識・マナー」に関する記事

香典に5,000円を包むことはある?香典袋の書き方やマナーを解説

香典に5,000円を包むことはある?香典袋の書き方やマナーを解説

香典は、ご葬儀の場において故人様の御霊前へお供え物をする代わりに、ご遺族へお渡しする金銭です。「5,000円程度が香典の相場なのではないか」という意見も散見されますが、故人様との関係や地域によって金額のマナーは変わるため、注意が必要です。 そこで今回の記事では、香典の一般的な相場や香典袋の選び方、書き方、香典のマナーについて詳しくご紹介していきます。

喪中のお正月の過ごし方はどう過ごす?年末の過ごし方も分かりやすく解説

喪中のお正月の過ごし方はどう過ごす?年末の過ごし方も分かりやすく解説

故人様の死を偲びながら静かに過ごす一年間を喪中といいますが、喪中では慶事に参列したり、大がかりな旅行をしたりなどの行動を慎むことが、古くからの慣習となっています。本記事では、一年で最もめでたい時期と考えられているお正月に焦点を当て、喪中のご家庭でどのように過ごしていくべきかを解説していきます。

忌中札とは|いつまで掲げる?書き方・掲げ方や意味合いを紹介

忌中札とは|いつまで掲げる?書き方・掲げ方や意味合いを紹介

ご家族に不幸があった場合、玄関に「忌中」と書かれた札が掲げられます。この札は忌中札(きちゅうふだ)といって、日本の伝統的な様式です。目立つ位置に貼ることで近所の方々へ不幸を知らせるため、そして死の穢れを周りへ移さないようにするためという心遣いでもありました。 現代でも、各地域に忌中札の風習は残っています。そこで当記事では、この忌中札の意味や書き方、掲げる時期、掲げ方などを解説いたします。

喪中に厄払いに行っても良い?初穂料の相場や、のし袋の方き方も解説

喪中に厄払いに行っても良い?初穂料の相場や、のし袋の方き方も解説

ご家族の方や2親等以内の方が亡くなった場合、命日から一年間は喪に服すのが通例です。日本における喪中期間では、故人様の死を悼み、静かに過ごすことが一般的であるため、日常生活においてある程度の制約が求められます。 そこで当記事では、喪中と厄年が重なった場合の対処法、初穂料の相場などをご紹介いたします。

関連する記事「葬儀知識・マナー」について

香典に5,000円を包むことはある?香典袋の書き方やマナーを解説

香典に5,000円を包むことはある?香典袋の書き方やマナーを解説

喪中のお正月の過ごし方はどう過ごす?年末の過ごし方も分かりやすく解説

喪中のお正月の過ごし方はどう過ごす?年末の過ごし方も分かりやすく解説

忌中札とは|いつまで掲げる?書き方・掲げ方や意味合いを紹介

忌中札とは|いつまで掲げる?書き方・掲げ方や意味合いを紹介

喪中に厄払いに行っても良い?初穂料の相場や、のし袋の方き方も解説

喪中に厄払いに行っても良い?初穂料の相場や、のし袋の方き方も解説

一周忌の香典について|金額相場や香典袋の書き方も分かりやすく解説

一周忌の香典について|金額相場や香典袋の書き方も分かりやすく解説




埼玉・東京・千葉葬儀場のご案内