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2022-02-24

墓じまいとは?撤去にかかる相場費用や流れをわかりやすく解説します

厚生労働省の調査によると、近年の少子高齢化や核家族化の影響によって日本全国における「墓じまい」の件数は年々増加傾向にあります。たとえば、2016年から2018年の墓じまい件数は、2年間で約18,000件増加しました。

今回は近年増えている「墓じまい」について、墓じまいの流れや各種手続き、費用相場などを解説します。墓じまいを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

墓じまいとは?

墓じまいとは、現在持っているお墓を更地にして、墓地の管理者に返還することです。

一般的にお墓は土地を所有しているのではなく、土地の使用権を借りてその上にお墓を立てています。そのため、お墓を撤去する際には、墓地の使用権を管理者に返還しなくてはいけません。さらに、撤去したお墓から取り出したご遺骨を、新たな方法で納める必要があります。

これらの一連の作業を墓じまいと言います。

墓じまいの流れ

ここでは、墓じまいの流れや各種手続きについて説明いたします。

①親族から同意を得る

墓じまいを検討するときに最も大事なことは、事前に関係する親族全員と話し合って同意を得ることです。お墓に対する考え方は、親族であっても食い違うことがあります。

急いで話を進めてしまうと、のちに大きなトラブルにつながりかねません。話し合いをするときはゆっくりと時間をかけ、親族一人ひとりの考え方や意見に耳を傾けるようにしましょう。そして、墓じまいを検討するに至った経緯やその後の納骨先について説明し、親族の同意を得るように心掛けることが大事です。

②墓地の管理者に連絡する

無事に親族全員の同意を得られたら、墓地の管理者に連絡します。このとき、管理者に墓じまいの意向を伝え「埋葬証明書」の発行を依頼します。

埋葬証明書は、現在の墓地にご遺骨が納骨されていることを証明する書類です。後述の「改葬許可証」を取得する際に必要となるので、それまで大切に保管しておきましょう。

③新しい納骨先を決める

墓じまいをしたあとで、ご遺骨をどこに納骨するかを検討します。法律によってご遺骨は個人で廃棄することはできません。新しい納骨先の候補は、以下の方法が挙げられます。

納骨方法 概要
一般墓所 ・親族のお墓に一緒に納骨
・新しいお墓を建てて納骨
樹木葬 シンボルツリーの周りに、ご遺骨などを埋葬
永代供養墓(合祀墓) ・寺院などにご遺骨を預け、永代にわたり供養
・合祀墓は永代供養墓の一種で、複数のご遺骨を一緒に埋葬しているお墓
納骨堂・屋内墓苑 決められた専用スペースに、ご遺骨などを納骨
散骨 粉状にしたご遺骨を山や海などに撒く
手元供養 ご遺骨を小型のお骨壺や専用アクセサリーに納める

永代供養墓(合祀墓)はお墓を継ぐ方がいない場合や、定期的なメンテナンスが難しい場合におすすめです。管理は霊園や寺院が行ってくれるので安心できます。

新しい納骨先が決定したら、新しい納骨先の管理者に「受入証明書」を発行してもらいましょう。

④「改葬許可証」を取得する

次に「改葬許可証」を取得します。基本的に、改葬許可証は改葬するときにのみ必要な書類です。

取得した「埋葬証明書」と「受入証明書」は、「改葬許可申請書」とともに現在お墓のある役所に提出します。このとき、誤って納骨先の役所に提出しないように注意しましょう。

「改葬許可申請書」の取得方法は、次の通りです。

・役所の窓口で取得

・インターネットでダウンロード

なお、「改葬許可申請書」の記載項目は各自治体によって異なるため、あらかじめ故人様の情報を集めておくと、スムーズに役所に提出できます。「改葬許可申請書」が役所に受理されると、「改葬許可証」が発行されます。

⑤ご遺骨を移動する

「改葬許可証」の入手後は、ご遺骨の移動を行います。ご遺骨を取り出す際に、お墓のある施設によっては「閉眼供養」を行うことがあります。「閉眼供養」とは、僧侶にお墓に宿る魂を抜いてもらう儀式です。

ご遺骨を取り出したあとは、お墓を解体して墓石を撤去します。地中の基礎部分も撤去して更地となったら、管理人に土地を返還し、墓じまい完了となります。

墓じまいにかかる費用

墓じまいにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは墓じまいにかかる費用を、次の2つに分けて説明します。

・お墓の撤去費用

・納骨先の初期費用

① お墓の撤去費用

お墓の撤去には、主に次の3つの費用がかかります。費用相場も合わせて確認しましょう。

お墓の撤去費用内訳 費用相場
墓石の撤去費用 8万円〜15万円 / ㎡
閉眼供養のお布施 3万円〜10万円
離檀料 3万円〜20万円

閉眼供養のお布施は、閉眼供養を行ってくれた僧侶にお礼として支払います。金額は地域や寺院によって異なります。

「離檀料」とは檀家を離れる際に菩提寺に支払うお礼のことです。支払いの義務はありませんが、お礼としてお渡しすることが多いです。金額はお布施と同様に地域や寺院によって異なります。また、離檀料は受け取らないとしている寺院もありますので事前に確認しておきましょう。

② 納骨先の初期費用

納骨先の初期費用は、納骨方法によって異なります。ここでは前述の6つの納骨方法について、初期費用を確認しましょう。

納骨方法 初期費用
一般墓所 100万円〜350万円
樹木葬 20万円〜80万円
永代供養墓(合祀墓) 5万円〜30万円
納骨堂・屋内墓苑 40万円
散骨 3万円〜30万円
手元供養 数千円〜50万円

補助金を出している自治体もある

地域によっては、墓じまいの補助金を設けている自治体もあります。また、補助金はなくても墓じまいのしやすい取り組みを行っている自治体もあります。特に、公営霊園などの墓じまいの場合は、自治体に補助金の有無を問い合わせましょう。

まとめ

近年増加傾向にある「墓じまい」とは、現在持っているお墓を更地にし、墓地の管理者に返還することです。墓じまいの流れや各種手続き、費用相場に対する知識があれば、親族とのトラブルも回避できるでしょう。

墓じまい後のご遺骨の納骨先としては、比較的安価で納骨後も安心できる「永代供養墓」などが挙げられます。墓じまいの費用を抑えたい場合は、初期費用の準備と同時に地域の自治体から補助金が出ているか確認するとよいでしょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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