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2023-02-24

弔電の送り方|お悔やみの電報を送るマナーや文例をご紹介

不幸はいつ訪れるか分からないものです。そのため、通夜・ご葬儀・告別式に参列できない状況も十分起こり得ます。「参列はできないが、お悔やみの気持ちだけでも伝えたい」というときに用いられるのが「弔電」ですが、「どこから申し込めばいい?」「文面の内容は?」と悩む方も少なくありません。

今回は、弔電のマナーについて詳しく解説します。また、料金相場や台紙の選び方、例文など電報を送るために必要な情報も紹介していきますので、それらも併せて読んでみてください。

弔電とは?

弔電とは、訃報を受けたものの、通夜やご葬儀、告別式に参列できない際に喪主やご遺族に対して送る電報です。弔電を用いて、直接伝えられなかったお悔やみの気持ちを伝えます。

弔電は、「遠方で駆けつけられない」「持病が悪化して参列が難しい」といった場合に送るものなので、ご葬儀に参列できる場合は送らなくてかまいません。また、ご葬儀の後に送るのは失礼にあたるので、前日か当日に届くようにするのがマナーです。

弔電の送り方

弔電の送り方には、大きく分けて2つあります。

・インターネット

・電話

それぞれで申込みの方法が異なるため、事前に確認しておくと安心です。

インターネットで送る

インターネットで申し込む場合は、専用の申し込みサイトにアクセスし、手順に従って電報を送付します。このとき、台紙やデザインは画面上で選択が可能です。24時間年中無休で受け付けているサイトが多く、「◯◯時までに申し込めば当日配達可能」といった基準が各サイトに設けられています。最近では葬儀社のサイトから直接申し込めるところもあります。

電話で送る

電話の場合は、「115」にダイヤルするだけで申し込みが行えます。基本的に無料で使えるので、電話料金を心配する必要はありません。

オペレーターの質問に答えるだけで、簡単に弔電の送付が完了します。また、台紙のデザインやメッセージについても電話口で伝えます。

弔電にかかる料金

弔電の価格は、「メッセージ料金」「台紙料金」「オプション料金」の3つで構成されるケースが多いです。料金は、基本的に送料込みの総額が伝えられます。提示された金額が送料込みか分からない場合は、速やかに確認を行いましょう。

支払い方法は、固定電話の料金と一緒に支払うか、クレジットカードを利用するパターンが多いです。ドコモ携帯を使用している場合は、携帯料金との合算も行えます。

弔電の費用は、選ぶ台紙や文字数によって変わってきます。1,000円程度で済む場合もあれば、10,000円以上かかることも少なくありません。

弔電を送るタイミング

弔電は、通夜やご葬儀が始まる前に届くよう、あらかじめ手配しておきましょう。可能であれば、前日までに到着しているのが理想です。当日は、喪主やご遺族が準備・打ち合わせ・参列者への挨拶などで慌ただしくしている可能性が高いため、なるべく避けるなどの配慮を行いましょう。

当日の到着しか対応できない場合は、遅くても開始の1時間前までに届くよう、配慮するのがマナーです。NTT西日本の電報申込サイト「D-MAIL」であれば、午後2時までの申込完了で、当日中に全国へ届けられます。ただし、一部エリア及び年末年始(12/31~1/3)は配達ができないこと、配達できないエリアがあることの2点に注意が必要です。

電報は、出席できないと分かった時点で送るのが最適ですが、どうしても間に合わない場合は送らない方が良いでしょう。電報を送らずに後日伺うか、香典と一緒に手紙を郵送するのが良い方法です。手紙には、通夜や告別式に参列できなかった旨と弔電が間に合わなかったことへのお詫びを記しましょう。

弔電の文面におけるマナー

弔電の内容に関しては、特に決まりがなく自由に書くことができます。しかし、ご葬儀に関するマナーや作法があるように、弔電の文面に関するマナーもあります。以下に、弔電を作成する際に知っておきたいマナーについてまとめましたので、一度確認してみてください。

故人様の宗教宗旨によって内容は異なる

宗教によってご葬儀に関する考え方や形式が異なるため、弔電の内容にも注意が必要です。日本におけるご葬儀の形式は、仏式で行われることがほとんどですが、神式やキリスト教式では、仏式で使われる「成仏」「供養」「往生」などの使用は避けましょう。

また、近年では無宗教葬や家族葬も増えてきておりますので、弔電を送る前に故人様のご葬儀の形式について確認しておくことをおすすめします。

故人様のお名前は敬称

弔電に記載する故人様のお名前は、故人様に敬意を込めて敬称を用います。正しい敬称を使い、故人様と受け取られる方の続柄や関係を表しましょう。

故人様と受取人との関係 故人様の敬称
受取人の【父】 ご尊父様(ごそんぷさま)/お父様(おとうさま)/お父上様(おちちうえさま)
受取人の【母】 ご母堂様(ごぼどうさま)/お母様(おかあさま)/お母上様(おははうえさま)
受取人の【夫】 ご主人様(ごしゅじんさま)/旦那様(だんなさま)/ご夫君様(ごふくんさま)
受取人の【妻】 ご令室様(ごれいしつさま)/ご令閨様(ごれいけいさま)/奥様(おくさま)/奥方様(おくがたさま)
受取人の【祖父】 ご祖父様(ごそふさま)/御祖父様(おじいさま)/祖父君(おじぎみ)
受取人の【祖母】 ご祖母様(ごそぼさま)/御祖母様(おばあさま)/祖母君(おばぎみ)
受取人の【兄】 ご令兄様(ごれいけいさま)/兄上様(あにうえさま)/お兄様(おにいさま)
受取人の【弟】 ご令弟様(ごれいていさま)/弟様(おとうとさま)
受取人の【姉】 ご令姉様(ごれいしさま)/姉上様(あねうえさま)/お姉様(おねえさま)
受取人の【妹】 ご令妹様(ごれいまいさま)/妹様(いもうとさま)
受取人の【伯父(父母の兄)】 伯父様(おじさま)/伯父上様(おじうえさま)/ご令伯(ごれいはく)
受取人の【伯母(父母の姉)】 伯母様(おばさま)/伯母上様(おばうえさま)/ご令伯(ごれいはく)
受取人の【叔父(父母の弟)】 叔父様(おじさま)/ご令淑(ごれいしゅく)
受取人の【叔母(父母の妹)】 叔母様(おばさま)/ご令淑(ごれいしゅく)

「再び」「たびたび」「迷う」などの「忌み言葉」は使用しない

忌み言葉は、「重ね言葉」や「死に対する直接的な言葉」を指し、不幸を繰り返す、重なるといったことを連想させてしまうため使用しないようにします。

【重ね言葉】
重ね重ね(かさねがさね)/益々(ますます)/度々(たびたび)/重々(じゅうじゅう)/次々(つぎつぎ)/再三(さいさん)/いよいよ/くれぐれも/かえすがえす など

【繰り返しが連想される言葉】
続く/引き続き/再び/再々/次に/なお/また/追って/追いかける など

【直接的な表現】
死亡/逝去/死ぬ/生きる/存命中/自殺 など

【不吉な表現】
浮かばれない/大変なことになる/消える など

【宗教・宗派で使っていけない言葉は避ける】
・神式やキリスト教式の場合……成仏/供養/往生などの仏式の表現
・浄土真宗の場合……霊前/冥福など

個人的な話題は避ける

弔電では、故人様のプライベートな話題に関する内容は避けた方が無難です。ご遺族が知らなかったために、後にトラブルとなってしまう可能性もあります。

【場面別】弔電の文例4選

最後に、以下の4パターンに分けて、弔電の文例を紹介していきます。

・一般的な弔電

・職場の上司や取引先に送る弔電

・故人様のご葬儀が神式だった際の弔電

・故人様のご葬儀がキリスト教式だった際の弔電

それぞれのケースで配慮するべきポイントも載せていますので、併せて確認しておくようにしましょう。

一般的な弔電の文例

山田 一郎(宛名) 様

ご逝去の報に接し、心からお悔やみ申し上げます。
ご遺族の皆様のお気持ちを思うと心が痛みます。
その旅立ちがどうぞ安らかなものでありますよう、心よりお祈りいたします。

田中 二郎

同じ仏教であっても、浄土真宗に限っては「冥福を祈る」といった考え方がないため、「ご冥福をお祈りします」といった文言は避けるようにしましょう。

職場の上司や取引先に送る際の文例

山田 一郎(宛名) 様

ご逝去を悼み、故人のご功績をたたえ、心からお悔やみ申し上げます。
○○様のご訃報に、弊社社員一同、謹んで哀悼の意を表します。
ご遺族の皆様ならびに社員御一同様に、心からお悔やみ申し上げます。

○○会社 ○○部一同

法人名義で送る場合、差出人は会社名を記載します。個人名で書く場合は名前を書きますが、名前の後に役職をつけるのを忘れないようにしましょう。もし社葬の場合には、宛名が先方の葬儀委員長になるので注意が必要です。

故人様のご葬儀が神式の際の文例

山田 一郎(宛名) 様

ご母堂様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
もうあの笑顔が見られないのかと思うと、悲しくてなりません。
在りし日のお姿を偲び、御霊の安らかならんことをお祈りいたします。

田中 二郎

故人様の宗教が神道であった場合、基本的に仏教用語を使用してはいけません。そのため、「ご愁傷様」「ご冥福」といった言葉は用いないように注意しましょう。

故人様のご葬儀がキリスト教式の際の文例

山田 一郎(宛名) 様

ご母堂様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
もうあの笑顔が見られないのかと思うと、悲しくてなりません。
在りし日のお姿を偲び、心安らかな眠りにつかれますようからお祈りいたします。

田中 二郎

キリスト教の場合も、神道と同じように仏教用語は控えましょう。また、台紙のデザインは仏教をイメージさせる蓮の花ではなく、ユリなどのデザインにするのがマナーです。

まとめ

弔電は故人様を偲び、故人様へのお悔やみの言葉を伝えるとともに、ご遺族に対する励ましでもあります。ご遺族は大切なご家族を失ったばかりで大きな悲しみの中にいながらも、ご葬儀に向けてさまざまな準備を行っています。弔電を送る際は、ご遺族のご迷惑にならないよう配慮することが大切です。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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