2020-04-08
春を迎えるとたくさんの行事があります。特に桜が咲く4月には、お子様の入学式・入園式やご自身の入社式を控えていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、入学式・入園式はお子様にとっては記念すべき門出であります。しかし、もしご葬儀と日程が重なってしまったら、どちらを優先すればよいのでしょうか?
そこで今回は、入学式・入園式や入社式とご葬儀のどちらを優先すればよいのか悩んだ際の判断基準や対応などについてお話させていただきます。
「入学式・入園式」と「ご葬儀」、どちらも大切な儀式です。珍しいケースではありますが、もしも日程が重なってしまった場合は、基本的には慶事(入学式・入園式)よりも人の死に関わる弔事(ご葬儀)を優先することがマナーとなります。
しかし、入学式・入園式もお子様にとっては一度しかありません。お通夜式の日と重なったのであれば、午前中は入学式・入園式に出席し、午後はお通夜式に会葬するというようにしましょう。また、故人様との関係性によっては、お通夜式のみに会葬するといった形を取っても問題ない場合もあります。
ご葬儀へ会葬するべきかどうかは、故人様との間柄によるところが大きく、身内のご葬儀でしたら、できる限りご葬儀を優先させたいところです。したがって、血縁の深さ、また、生前の故人様と、そのご家族とのお付き合いの深さなどを基準に、どちらの儀式を優先するか判断します。
お子様から見て、1親等の父・母、2親等にあたる祖父・祖母、また、その他同居されているご家族のご葬儀には会葬されるのが一般的ですが、面識があまりないなど、生前そこまで親しい間柄でなければ、ご葬儀を優先する必要はないでしょう。
ただし、3親等の叔父・叔母、曽祖父母の方などで、普段からお世話になっていたのであれば、ご葬儀を優先された方がよいでしょう。
4親等はいとこや高祖父母となりますが、この場合も、故人様やご遺族との間柄によって変わってきますので、それぞれの状況に合わせて判断するようにしましょう。
職場の関係者・取引先に関する訃報を受けた際は、まず上司の指示を仰ぐようにしましょう。ご葬儀の形式によって異なりますが、最近では、仕事終わりにお通夜式のみ会葬するケースが多いようです。ただし、会社の代表者として会葬される際や特に親しい間柄だった際には、ご葬儀・告別式にも会葬することが一般的です。
会社関係者と同様に、ご葬儀の形式や故人様との間柄にもよりますが、お通夜式かご葬儀・告別式のいずれかに参加すれば問題ないため、入学式・入園式との時間が重ならない、お通夜式に会葬されることをおすすめいたします。
入学式・入園式とお通夜式、双方に出席・会葬する場合の服装はダークスーツに革靴・パンプス(いずれも黒色で光沢のないもの)で構いませんが、移動途中に、ご葬儀の場に合った服装・小物に取り替えられるよう、女性なら黒いストッキング、男性なら黒いネクタイを準備しておきます。入学式・入園式で身につけていたコサージュなどのアクセサリーは外しましょう。
お子様の場合、制服があるならお通夜式には制服を着用します。帽子は要りません。私服で会葬される場合は、白いシャツに、ブレザーとズボン、女の子であればワンピース・ジャンバースカートなどで、色は黒・濃紺・ダークグレーを選ぶようにします。
大人同様に、靴はエナメルなどの光沢がある素材は避け、できれば革靴、なければ汚れのないスニーカーでも構いません。ヘアアクセサリーなどの光るものは外しましょう。素足は避け必ず靴下を履かせましょう。
小さなお子様が主役である小学校の入学式や幼稚園の入園式でしたら、なおのこと大事な門出に立ち会いたい、晴れの舞台に立たせてあげたいという気持ちは大きいでしょう。
そういった場合は、ご主人(または奥様)のご親戚のご不幸であれば、ご葬儀・告別式はご主人に会葬してもらい、ご自身はお子様と入学式・入園式に出席する、または、ご自身のご両親か兄弟姉妹、ご近所で親しくしている方などに代理で入学式・入園式に出席してもらえないか、相談してみましょう。
もし、ご主人のお身内のご葬儀を欠席し、入学式・入園式に出席される際には、式典後は速やかに、ご葬儀の後片付けなどに駆け付けつけるようにしましょう。
入社式とご葬儀・告別式が重なってしまった際も、どちらを優先させるかは、前述した通り、故人様との関係性やご葬儀の形式によります。特に新社会人ともなると、いきなり休むとも言い出しづらい面もあるかもしれませんが、故人様と面識があり、生前お世話になっていたのであれば、最後の別れとなるご葬儀・告別式には会葬すべきでしょう。
故人様がご親族にあたる方でも、遠方に住んでいてあまり会っていないなど、関係性が薄いようでしたら、ご家族に相談して、どちらを優先されるのかを決めるとよいでしょう。
入社式を欠席される際は、できるだけ早く会社に電話連絡を入れます。例えば、「△月〇日に、〇〇(ご自身との関係)の□□(お名前)が永眠したため、入社式を欠席させていただきます。」と口頭で、故人様のお名前・命日・自身との関係・ご葬儀の日程を伝えることがマナーです。
会社の方から、詳しい葬儀内容を聞かれた際には、ご葬儀の場所・開始時刻・喪主・葬儀場の連絡先・葬儀形式・宗教宗派などを伝えます。また、多くの会社では忌引き休暇が導入されているでしょうから、故人様の命日と、ご葬儀の日程を伝えたら、忌引きの段取りも確認しておきましょう。
基本的には、慶事よりも弔事を優先することがマナーですが、入学式や入園式はお子様にとって記念すべき晴れ舞台です。もし、双方の日程が重なってしまい悩まれた場合は、故人様との関係性や葬儀形式を踏まえて、ご葬儀へ会葬をどうされるのか検討されるとよいでしょう。ただ、故人様との最後のお別れは一度きり。できる限り、ご葬儀には会葬する努力することが大切だと言えるでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
お通夜やご葬儀では、ご遺族は深い悲しみの中にいらっしゃいます。ご葬儀でのマナー違反などにより、相手の方々に失礼があれば、関係に亀裂をもたらすかもしれません。そのような事態を防ぐためにも、ある程度の心構えと準備は日頃から整えておく必要があるでしょう。そこで今回は、ご葬儀に適した服装を解説いたします。
ご葬儀とは、故人様のご冥福を祈り、あの世へお送りするための大切な儀式です。したがって、さまざまなマナーが存在します。それは、子どもについても例外ではありません。最期の別れという悲しみの席では、くれぐれもお相手に失礼のないよう、大人の配慮が必要です。
ご葬儀へ向かう際、どのハンカチを持って行こうか、悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。ハンカチはお出かけの際にも必要になるアイテムですが、基本はしまっておくものであるため、どのようなデザインでも問題ないだろうとお考えになる方も少なくないでしょう。