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2023-09-01

ご葬儀における答礼とは|やり方や答礼を行う方についても解説します

急な訃報にも関わらず、貴重な時間を割いてご葬儀へ参列くださる方々には、お礼の挨拶が必要です。この挨拶は答礼(とうれい)と呼ばれ、ご葬儀におけるマナーとして広く知られています。

ご遺族が参列者へ答礼すれば、故人様が生前にお世話になったことや、ご葬儀に駆け付けてくれたことへの感謝を、礼節をもって伝えられます。この記事では、正しい答礼の概念ややり方、焼香中の流れにそった答礼の方法まで詳しく解説いたしますので、ぜひご一読ください。

ご葬儀における答礼とは

ご葬儀や通夜に参列くださった方々から「お悔やみの言葉」を受けた際、お礼を伝えたり、焼香時に参列者から受けた黙礼に、ご遺族が黙礼で返したりする行動を答礼といいます。

かつてのご葬儀は自宅で行われるケースが多かったため、答礼の形といえば、参列者の焼香時に座ったままで黙礼するのがほとんどでした。しかし昨今のご葬儀は、葬儀社の用意する斎場や寺院で執り行われるケースが主流になっています。そのため、受付や焼香は立ったままのスタイルになり、遺族側も立ち姿勢で答礼することが増えました。

答礼は2種類

答礼には2つの方法があり、ご遺族のコンディションや年齢、参列者の人数によって使い分けられます。礼節をわきまえさえすれば、どちらの形の答礼であっても失礼には当たりません。

立礼

立ったまま答礼することを、立礼(りつれい)といいます。ご葬儀や通夜の参列時、または焼香の際、ご遺族と参列者が互いに黙礼を交わしたり、お悔やみの言葉に対して礼を述べたりするやり取りを、立った状態で行います。

座礼

腰を下ろした状態で答礼することを、座礼(ざれい)といいます。ご自宅や寺院の畳の上に座って行う焼香の場合、喪主やご遺族は座ったままで答礼します。

参列者の焼香で答礼を行う方

参列者が焼香した時に答礼するのは、基本的にご遺族の方全員です。つまり、故人様の配偶者・子ども、孫・兄弟姉妹・両親・祖父母が答礼します。葬儀会場では、スタッフの指示に従って並ぶことになりますが、参列者に対して身体を向け、敬意を払って答礼しましょう。

無理に全員が礼をする必要はない

答礼はさまざまな場面で行われています。中でも焼香の儀式で行われる「答礼挨拶(とうれいあいさつ)」は、代表的な答礼です。ご遺族が全員立ち上がり、焼香した参列者に対して黙礼を行います。

しかしながら、長い時間をかけて参列者全員に対して行う黙礼は、足腰に大きな負担が掛かります。ご遺族の中には、病気を患っていたり高齢で体力がなかったりする理由で、長時間立ったまま挨拶をするのが難しい方もいるでしょう。故人様を失い、心に多大なダメージを負っているならば尚更です。

喪主が立礼に立つことは避けられませんが、喪主以外のご遺族に関しては、着席したまま会釈だけでの意思表示に切り替えても、失礼には当たりません。

焼香での答礼のやり方

焼香を終えた後の喪主とご遺族は、焼香台の横、もしくは自席の前に立ちます。次に参列者は、焼香前と焼香後にそれぞれ喪主、ご遺族に黙礼を行いますので、喪主とご遺族は黙礼に応えるように黙礼を返します。

この際、深い礼を行う必要はありません。全ての参列者が焼香を終えるまで、立ち姿勢のまま答礼を続けるのが一般的です。

ただし焼香の際、近くまで来た参列者から、お悔やみの言葉が掛かる場合もあるでしょう。その場合は、「痛み入ります」「恐れ入ります」などの返答を行って構いません。お相手の弔意は、自然な形で受け入れることも大切です。

答礼の言葉とは

喪主やご遺族は、ご葬儀の受付で参列者から、お悔やみの言葉をいただくこともあるでしょう。どう返したら良いか迷う場合の返答としては、「痛み入ります」「恐れ入ります」と返すようにしましょう。

また、お供え物を持ってきてくださった方には「お心遣いありがとうございます」、ご遺族側の体調を気遣う言葉をいただけたなら「お気遣いありがとうございます」と伝えます。お相手が発する言葉によって、返す言葉を使い分けると、よりスムーズな答礼ができます。

「お暑い中お運びいただきまして、誠にありがとうございます」「ご丁寧なお言葉、ありがとうございます」「ご遠路はるばるお越しいただきまして、ありがとうございます」など、感謝を示す言葉も併せて伝えるとより丁寧です。答礼の際、アイコンタクトは忘れず、しっかりと頭を下げて誠意を見せるようにしましょう。

参列者の焼香の流れ

参列者が、ご遺族の答礼をいただきながら、どのような手順で焼香を行えばよいのか解説します。特にここでは椅子式のご葬儀で行われる一般的な焼香のやり方について紹介します。

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参列者は自分の番が来たら席を立つ

ご遺族やご親族が焼香を終えた後は、参列者が焼香を行います。前の方が焼香を終えて席に戻ったら、次の方へ軽く会釈し、数珠を左手に掛けて席を立ちましょう。

焼香台の手前でご遺族に一礼する

参列者は祭壇まで進み、喪主へ向けて1回、ご遺族に向けて1回ずつ黙礼します。この時、喪主とご遺族は参列者に対し、それぞれ黙礼を返します。

焼香台に近づき礼をする

参列者は焼香台の少し手前まで進んだら、遺影に向かって一礼します。

焼香をあげる

右手の親指と人差し指、中指の3本で抹香をつまみ、額の真ん中に持ち上げて押しいただきます。そして静かに香炉へくべましょう。焼香の回数や細かな方法は、地域や宗派によって作法が異なります。ただし、参列者が多い場合は、焼香が1回と決められている場合がありますので、会場スタッフの指示に従ってください。

焼香台から下がって故人様に向かって礼をする

焼香が終わったら、故人様へ向かってご冥福を祈りながら合掌します。その後、一歩下がって一礼しましょう。

喪主・ご遺族に礼をする

再び、喪主へ向けて1回、ご遺族に向けて1回ずつ黙礼します。喪主とご遺族は参列者に対して、それぞれ黙礼を返しましょう。

まとめ

一朝有事の際、駆け付けてくれる方々に対して行う答礼は、礼節をかかさないための大切な行動です。心を込めて伝えることで、お相手にも感謝の気持ちが届きますし、故人様へ敬意を表す意思表示にもなります。

答礼する機会は、誰しも突然やってくるものですが、予備知識があれば落ち着いて対応できます。いざという時のためにも、この記事をお役立ていただければ幸いです。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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