2020-05-29
日頃、夫婦や親子、兄弟姉妹で異なる宗教・宗派を信仰していても、ほとんど問題なく過ごしていると思います。しかし、いざご葬儀のことを考えると、どうすればよいか悩まれる方も多いと思います。できる限り故人様のご遺志を尊重したいものですが、ご家族で信仰している宗教・宗派が異なる時のご葬儀はどうすればよいのでしょうか。
そこで今回は、ご家族で宗教・宗派が異なる場合のご葬儀についてご紹介します。
ご家族の中でも、夫は仏教、妻はキリスト教など異なる宗教・宗派を信仰していたり、親子で違う宗教・宗派を信仰しているということがあると思います。このような時、ご葬儀はどのようなものになるのでしょうか。
最終的には喪主が判断することになりますが、故人様のご遺志を尊重したい気持ちや残されたご家族・ご親族の意見などを考えると簡単に決められることではなく、またこれが正解というものはありませんが、いくつかの方法があります。
故人様のご遺志に沿った宗教・宗派でご葬儀を行い、供養も故人様のご遺志に沿う方法です。この方法では、ご家族やご親族の意見は取り入れにくくはなりますが、故人様のご遺志が最も尊重されます。
この方法では、故人様と異なる宗教・宗派のご家族もご葬儀を執り行いやすく、故人様の希望も叶います。
告別式を前半後半の二部制にする方法です。例えば、前半は無宗教で誰でも会葬できるようにし、後半は故人様が信仰されていた宗教・宗派で執り行うといった形になります。この方法では、告別式は多少複雑なものとなりますが、ご家族の意見も故人様のご遺志も取り入れられるといった利点があります。
お通夜式は無宗教で執り行い、司式者は呼ばずに故人様の好きだった音楽をかけるなどして過ごします。そして、告別式では司式者をお呼びし、故人様もしくはご家族・ご親族の宗教・宗派で執り行う方法です。
もし、ご家族で異なる宗教・宗派を信仰されているようであれば、事前にご自身が信仰する宗教・宗派についてのお話や亡くなられた際にどのようなご葬儀を執り行ってほしいかなどをご家族内できちんと話し合っていただくか、「エンディングノート」を活用しましょう。
「エンディングノート」には、ご葬儀に関して記入する項目がありますので、どのような宗教・宗派を信仰しているのかなどを記入することができます。また、「エンディングノート」は何度でも書き換えることができますし、最近では容易に入手できますから、ご家族のためにもご用意しておくことをおすすめします。
ただし、「エンディングノート」には法的拘束力はございませんので、その点だけは注意が必要です。
仏教には様々な宗派があり、よりどころとするお経や死生観などの考え方について、同じ仏教でも宗派によって変わります。そのため、特定の宗派の司式者が異なる宗派でのご葬儀を執り行うことは基本的にできません。
なお、最近では葬儀社からお寺や司式者を紹介してもらうことができますので、お困りの際は葬儀社に相談することをおすすめします。
ご夫婦であれば基本的に同じお墓に埋葬されますが、宗教・宗派が異なると同じお墓に埋葬できないことがあります。特に寺院墓地はその宗派の信者のみを供養することが多いため、宗派が異なる場合は同じお墓に入れない可能性があるのです。
そのため、夫婦そろって同じお墓に入るには、民間霊園や公営墓地であれば宗教・宗派不問のところが多いため、そちらに夫婦墓(めおとばか・ふうふばか)を建てるのがよいでしょう。
ご葬儀の形式を決める際にどなたかの意見をないがしろにしたり、独断で決めてしまったりすると、ご家族やご親族の間で問題が生じることもあるため、できる限り関りのある方々の意見を聞いた上で、ご葬儀や供養に臨みましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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