2023-10-20
身内に不幸があった際、やるべきことの一つとして喪中はがきの送付があります。これまで付き合いのあった方々に、喪中につき年末年始の挨拶を控える旨を伝えるものです。しかし、連絡手段が紙媒体からネットに移行している現代において、喪中をメールで伝えたいと思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、喪中をメールで伝えても良い相手の基準や喪中メールのマナー、文例を解説します。
喪中はがきとは、自身が喪中であると伝えるための挨拶状です。喪中であるため、年賀状のやり取りを控えるといった旨を伝えます。
長い間はがきで伝えるのが一般的でしたが、近年はメールで済ませるケースも増えています。しかしながら、誰にでもメールで送っていいとは限りません。メールを用いて良いのは、親しい間柄の方や、新年の挨拶を毎年メールで済ませていた方々などです。
目上の方には、はがきで送った方が良いでしょう。生前に大変お世話になった方がいた場合は、年賀状のやり取りがなかったとしても、はがきで送るのが無難です。また、メール・はがきのどちらを利用するにせよ、文章は礼節を重んじた内容にしましょう。
喪中メールは、年賀状の用意を始める前に到着しているのが理想です。郵便局が年賀状の引き受けを始めるのが毎年12月15日前後ですので、12月14までには喪中であると伝えておきましょう。
一般的に、身内に不幸があってから1年間が喪中期間とされています。喪中の対象となる親族の範囲は、2親等以内です。血族の親等は、以下をご参照ください。
0親等 | 本人 |
1親等 | 親/子ども |
2親等 | 祖父母/孫/兄弟姉妹 |
上記の表はあくまで目安であり、宗教宗派・地域の風習によって対象の親等や喪中期間が違う可能性もあります。一部では、1年間ではなく3〜6ヶ月の場合もあるので、分からない場合は予め確認しておきましょう。
喪中期間は、年末年始を含めお祝い事の挨拶は基本的に避けるべきです。喪中はがきを送付し、年賀状のやり取りを控えるのもそのためです。同じ理由で、新年の挨拶回りや鏡餅・門松を飾るのも自粛しましょう。
挨拶が必要な場合は、「あけましておめでとうございます」ではなく「昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします」といった内容にします。お子さんがお年玉を受け取るのは問題ありません。
宗教がキリスト教の場合、仏教や神道と異なり喪中の概念がありません。そのため、喪中はがきや喪中メールは必要ないです。年賀状も例年どおり出して良いとされています。ただし、クリスマスカードは自粛しましょう。
喪中メールは、送る相手への配慮が大切です。本文は、なるべくシンプルな内容を心がけます。ご葬儀の形式によっても挨拶文は異なりますが、必要最低限のマナーは把握しておきましょう。
本項では、件名・本文・文末に分けて、配慮すべきポイントを解説します。
件名は、見ただけで喪中だと分かるようにしましょう。例えば、「年賀欠礼のご通知」「喪中につき年賀欠礼といたします」といった件名です。
本文でいきなり喪中を知らせるのではなく、件名で報告するのがマナーです。また、一斉送信はマナー違反とされるため、一人ひとり丁寧に送りましょう。
本文は、簡潔にまとめるようにしましょう。あくまでも喪中であるのを知らせるのが目的であるため、他の内容は極力控え、訃報に関しての内容も深掘りしないようにします。
喪中であることと、年賀状が不要である旨だけを伝えられれば問題ありません。また、本文内で絵文字・顔文字・文字装飾を使うのはマナー違反です。
文末には、返信が不要である旨を記入しましょう。なぜなら、送った相手に余計な気遣いをさせないためです。
返信不要と書いていても、返信してくれる場合があります。喪中メールでは、返信不要と書いてあっても返信するのが一般的です。喪中メールをもらう側になった際には返事が必要ですので、頭の片隅に留めておきましょう。
喪中メールは、送る相手や執り行ったご葬儀の内容によって文面が異なります。本項では、友人や知人に送るパターン、目上の方に送るパターン、すでにご葬儀を済ませたパターンに分けて文例を紹介します。文章を作る際のポイントも解説しているので、併せて参考にしてください。
友人・知人に送る喪中メールの例は、以下のとおりです。
件名:
喪中につき新年の挨拶を遠慮いたします
本文:
○○(自分の名前)です
今年の○月に 父○○が永眠しました
喪中につき 年賀状などによる年末年始のご挨拶をご遠慮します
私は元気なので心配はいりません
良い新年を迎えられるようお祈りしています
返信はいりません
上記のようにシンプルな内容で問題ありません。深い内容にする必要はないため、死因などは記載せず、あくまで喪中である状況だけを伝えましょう。親しい友人の場合は、LINEで伝えても差し支えありません。
不慮の事故などで故人様が複数にわたる場合、2名までは名前を記載します。3名以上であれば、代表者1名のみ名前を記入し「ほか○名」と続けましょう。例文は以下のとおりです。
今年の2月に祖父○○(故人様の名前) 6月には祖母の○○(故人様の名前)が永眠いたしました
祖父母とも親しくしてくれていた方であれば、享年を記載しても良いでしょう。
目上の方や、会社の上司に送る場合の例文は、以下のとおりです。
件名:
年賀欠礼のご通知
本文
○○(相手の名前)様
○○(自分の名前)です
本年2月に祖父である○○(故人名)が他界いたしました
喪中につき年末年始のご挨拶を遠慮させていただきます
来年も変わらぬご厚意を賜りますようお願い申し上げます
健やかな新年を迎えられるようお祈りいたします
尚 返信は不要です
目上の人に送る場合は、より一層マナーに配慮しましょう。メールであっても、礼儀を重んじるのが大切です。尚、会社の取引先には喪中はがき・喪中メールは送りません。あくまで個人の家庭事情なので、ビジネスにはあまり関係ないためです。
家族葬など、身内だけでご葬儀を執り行った場合の例文です。
本年○月に 母○○(故人名)が75歳にて永眠いたしました
故人の生前の意向により 葬儀は身内のみで相済ませました
お知らせが遅れたことを心よりお詫び申し上げます
時節柄 ますますのご自愛をお祈り申し上げます
尚 返信は不要です
訃報連絡をしておらず、すでにご葬儀を済ませている場合は、その旨を記載しましょう。
喪中メールに関してよくある質問をまとめました。メールを作る際、または喪中メールを受け取った際の参考にしてください。
喪中メールは、年賀状を用意する前に到着しているのが理想です。郵便局は12月15日前後に年賀状の受付を開始するため、12月14日までには送付を済ませておきましょう。
喪中メールが届いたら、なるべく早めに返信するのがマナーです。返信の例文を紹介します。
ご丁寧にありがとうございます
健やかな新年を迎えられますことを心よりお祈り申し上げます
くれぐれもご自愛ください
受け取ったメールに「返信不要」と書いてあったとしても、返事をしましょう。「返信不要」は「返信しないで欲しい」ではなく「返信がなくても良いですよ」といった意味があるためです。内容についても簡潔に、ご遺族の気持ちに寄り添った返信をします。
また、喪中はがきが届いた場合は、喪中見舞いにて返事をしても問題はありません。その場合、はがきの中で簡潔にお悔やみの気持ちを記しましょう。
親しい関係であれば、LINEで喪中を伝えても問題はありません。LINEで送るときは、喪中を伝える必要がある相手なのかを判断しましょう。LINEであっても礼節は忘れず、スタンプや顔文字などは控えるよう注意が必要です。
喪中に年賀状・年賀メールが届いた場合は、年賀メールか寒中見舞いをお返しします。その際、新年を祝う言葉は控えましょう。寒中見舞いを送る場合は、松の内と呼ばれるお祝いの期間は避け、1月7日以降に送るのが理想です。
喪中はがきとは、自身が喪中であり年賀状のやり取りができない旨を伝えるための挨拶状です。これまでは長い間はがきが用いられてきましたが、近年はメールで済ませる方も増えてきました。相手との関係にもよりますが、メールで送って失礼にあたらない相手であれば、はがきでなくても問題はありません。
喪中メールを送る際には、内容をなるべく簡潔にし、文末には返信不要の文言を入れましょう。相手の負担をなるべく軽減できるように配慮し、礼儀を重んじる内容にするのが大切です。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
身内の方に不幸があった年は、そこから1年間が喪中となります。喪中期間中は、さまざまな慶事や祝い事に参列できなくなります。ただし、年末年始における対応は滞りなく行うことが、日本における古くからの一般的な慣習となっているのです。そこで今回は、喪中期間のマナーやはがきの書き方、例文をご案内していきます。
現代の寒中見舞いといえば、喪中の方とやり取りするためのはがきというイメージを持つ方が多いでしょう。かつて寒中見舞いは、暑中見舞いと同じく、差し出す相手の方の体調を気遣う季節の挨拶状でした。しかしながら、今は主に喪中の方とのやり取りとして差し出されることがほとんどです。 ここでは、寒中見舞いの正しい書き方やマナー、差し出す時期などをご紹介いたします。