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2023-05-12

亡くなった方の確定申告を行う必要はある?しないとどうなる?やり方を分かりやすく解説

大切なご家族が亡くなった際、必要となるのが相続などの法的手続きです。加えて、故人様が個人事業主であった場合や、不動産運営などで収入を得ていた際には確定申告も必要となります。この場合、相続の権利がある方々が代理で確定申告をしなければなりません。

確定申告をしたことのない方であれば、「何を用意すればいいの?」「いつまでにすればいい?」と悩むことになるでしょう。そこで今回は、確定申告の手続き方法や提出までの期限、提出する際の注意点などについて解説していきます。

亡くなった方の確定申告は相続人が行う

亡くなった方に収入があった場合、親族などが確定申告を行うことになります。これは「準確定申告」と呼ばれており、相続の権利がある方全員で手続きをしなければなりません。

「確定申告」と「準確定申告」の違い

準確定申告と確定申告は目的こそ同じですが、申請期間や申請者などが異なります。主な違いを以下の表にまとめました。

確定申告 準確定申告
申請の期限 2月16日~3月15日まで 故人様が逝去したことを知った日から4ヶ月以内
管轄 提出する方が住んでいる税務署 故人様が住んでいた地域の税務署
申告者 本人 相続の権利がある方全員
所得控除の対象 1月1日~12月31日までに支払った総額 1月1日~逝去された日まで支払った金額

申請の期限や提出先に違いがあるため、相続人として作成・提出する際は注意しましょう

準確定申告の必要である方と必要でない方がいる

準確定申告は、単に「生前に確定申告をしていた」といった理由だけで無条件に行うものではありません。ここからは、準確定申告が必要になる条件について解説していきます。

準確定申告の必要がある方

準確定申告は、故人様が以下の条件に当てはまる場合に行う必要があります。

・生前に確定申告をしている

・給与所得が20,000,000円以上である

・給与所得や退職金以外にも収入を得ており、その合計が200,000円以上である

・2つ以上の収入源がある

・公的年金などの収入が4,000,000円を超えている

・公的年金以外の収入が200,000円を超えている

・生命保険などの満期で一時金を受け取っている

・土地や不動産を売却して収入を得ている

・雑所得や不動産所得が得られる

反対に、以下の条件に該当する方は対象外となります。

・正社員として企業で働いていた

・相続人全員が相続を放棄した場合

・年金の受給額が4,000,000円以下で、さらに年金以外の収入が200,000円以下の場合

故人様がどちらに該当するのか分からない場合は、国税庁のホームページで確認する方法もあります。

こちらには具体的な数字が記載されているため、故人様の情報と照らし合わせてみると良いでしょう。

亡くなった方の確定申告の期限

準確定申告は、1月1日~逝去日までの所得を、故人様の逝去後4ヶ月以内に行わなければなりません。これは「逝去を知った日」からのカウントですので、仮に3月1日に亡くなり、6月1日に逝去の事実を知った場合、申請は6月1日の翌日である6月2日から4ヶ月後の10月1日までに行うことになります。

期限内に申告しないとどうなる?

もし準確定申告の期限を過ぎてしまった場合は、延滞税や加算税などが発生する可能性があります。余計な出費を抑えたいのであれば、余裕を持って準確定申告の手続きを行いましょう。

亡くなった方の確定申告のやり方

ここからは、準確定申告をするために必要な書類や手順を解説していきます。準確定申告は想像よりも多くの時間を必要とするため、いざというときにスムーズに動けるよう、事前に準備しておくと良いでしょう。

亡くなった方の確定申告に必要な書類

準確定申告をするには、以下の書類が必要です。

・確定申告書

・源泉徴収票

・控除証明書

・所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表

・医療機関に通った際にもらう領収書

・委任状

基本的な書き方は、通常の確定申告とさほど変わりありません。ただし、準確定申告の場合はフォーマットの見出しに「準」の文字を書き足します。書類を集めるには多くの時間が必要となるので、取りかかる際は余裕を持ったスケジューリングをしましょう。

亡くなった方の確定申告の手順

準確定申告の手順についても通常の確定申告とそれほど変わりありません。一般的な手順は以下のとおりです。

①準確定申告が必要か確認する

準確定申告が必要かどうか分からない場合は、税務署に直接相談すると良いでしょう。国税庁のホームページには詳細な基準が載っているため、それらと照らし合わせて確認すると安心です。

②必要な書類をそろえる

亡くなった方の確定申告に必要な書類』で紹介した書類をそろえます。

③確定申告書に記入する

確定申告書は税務署でもらえるので、不備がないように記載しましょう。その後、窓口に提出すれば終了になります。また、令和2年より準確定申告もe-taxでの提出が可能になりましたので、パソコンが苦手でない方はこちらを利用してみると良いでしょう。

亡くなった方の確定申告に関する注意点

亡くなった方の確定申告をする際は、以下の点に注意しましょう。

・提出先は亡くなった方の住所による

・相続人が複数いる場合は連署で作成する

準確定申告は、通常の確定申告とルールが若干異なります。大切なご家族を亡くされたばかりのときに、慣れない確定申告をするのは大変かと思います。しかし、しっかりと済ませておかなければ、本来は払わなくて良いはずの税金を納めなければならない事態になりかねません。

準確定申告を提出する際は、以下に解説する注意点に留意しつつ、期限を守って手続きを行いましょう。

提出先は亡くなった方の住所による

確定申告書を提出するのは故人様の住所がある税務署なので、間違えないように注意しましょう。また、故人様の住所が遠方で、郵送にて確定申告書を送る場合には、消印に記載されている日が受付日となります。

相続人が複数いる場合は連署で作成する

準確定申告の場合、提出は相続の権利がある人全員で行います。その際には、全員で行ったと証明するために連署で提出しなければなりません。一般的には、「確定申告付表」を用いて連署します。

確定申告付票に記載する内容は、相続人の権利がある方全員の住所・氏名・相続分など多岐にわたるため、漏れがないようきちんと確認しておきましょう。

まとめ

個人事業主や土地・不動産などで収入を得ているご家族が亡くなった場合、法定相続人全員で準確定申告を行います。準確定申告は、逝去したことを知った日を起算日として、4ヶ月以内に済ませなければなりません。

準確定申告は、源泉徴収票をはじめとするさまざまな書類をそろえる必要があるなど時間をかけた準備が必要です。期限を過ぎてしまうと延滞金が発生してしまうおそれがあるので、なるべく早めに終わらせるようにしてください。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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