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2022-06-24

枕経とは|あげる際の準備と流れ、服装やお布施に関するマナーも解説します

枕経は、大切な方がお亡くなりになってから一番始めに行われる儀式です。お通夜やご葬儀などとは異なり、一部の身内だけで行う儀式のため、経験したことのない方が多いです。喪主になったものの、「誰にどのタイミングでお願いをすればよいか分からない」と、悩んでいる方もいらっしゃいます。

今回は、枕経をあげる前に準備しておきたいものや流れ、服装やお布施に関するマナーについて解説していきます。近年では省略する傾向もありますが、故人様をお送りするための大切な儀式ですので、この記事を参考にしてみてください。

枕経とは?

枕経(まくらぎょう・まくらきょう)や枕勤めは、お亡くなりになった方の枕元でお経をあげる仏教特有の儀式です。近年では、故人様をお送りするスタイルの変化に伴って徐々に少なくなってはきているものの、故人様が無事に成仏することを願って行われます。

枕経はいつ行う?

枕経は大切な方がお亡くなりになった直後~納棺前までに行われます。ただし、地域によってはお通夜の前や安置してすぐに行われる場合もあります。

元々は臨終時に枕経をあげていましたが、現代では病院で最期を迎える方が多くなったため、読経しながら最期を看取るという形は取られなくなりました。タイミングについて明確な決まりはないため、いつ行えばよいか迷ったら、僧侶と相談してできる限り早めに行うとよいでしょう。

枕経をあげる際の準備と流れ

ここでは、枕経であらかじめ準備しておきたいものと、儀式の流れについてお伝えします。枕経は喪主としてはじめて菩提寺に挨拶をする機会になりますので、最低限の知識を身につけておく必要があります。

枕経をあげる前に準備するもの

僧侶をお迎えする前に、下記のものを準備しておきましょう。

<枕経をあげる前に準備するもの>

●故人様を寝かせるための布団

●枕飾り

●僧侶用の座布団

●僧侶に出すお茶やお菓子

●御車代

枕飾りとは枕元に設置する祭壇のことです。白木台もしくは白色の布を掛けた台に、三具足(香炉・燭台・花瓶)を置き、枕団子・ご飯などをお供えします。

後ほどご説明しますが、その日の御車代も必要です。お布施はすべての儀式が終わってからでよいので、急いで用意する必要はありませんが、忘れないようにしましょう。

枕経の流れ

枕経は菩提寺の僧侶に依頼することが多いですが、菩提寺がない場合には葬儀社に連絡すると手配してくれます。

1.ご遺体を安置する

まずは自宅に安置場所を用意します。もしくは葬儀社が手配した施設にご遺体を寝かせます。

2.菩提寺の僧侶に依頼する

菩提寺がある場合には僧侶に依頼を、ない場合には葬儀社に相談して僧侶を紹介してもらいましょう。

3.枕飾りを設置する

枕元に枕飾りと呼ばれる小さな祭壇を設置し、僧侶をお迎えするための準備を整えます。

4.僧侶に枕経をあげてもらう

僧侶が到着したら枕経をあげてもらいます。30~40分程度が多いです。

5.僧侶と今後の儀式について相談する

枕経をあげてもらった後は、僧侶にお茶やお菓子を出してお通夜やご葬儀の段取りについて相談します。戒名の依頼がまだ済んでいない場合は、このタイミングで行います。

宗派などによって違いもありますが、以上がおおまかな流れです。

枕経のマナー

近年では、儀式が省略されつつありますので、枕経を経験したことのない方も多いでしょう。ここでは、枕経のマナーについて、最低限知っておきたい知識をお伝えします。

【喪主・参列者】服装のマナー

服装は、喪主・参列者ともに平服で構いません。元々、枕経はご臨終の際に看取るタイミングであげられていたものですので、喪服である必要がないのです。

【喪主・参列者】持ち物のマナー

喪主・参列者ともに、黒のハンカチと数珠を持参しましょう。数珠はお通夜やご葬儀でも必要になりますので、バッグの中に常に入れておくとよいでしょう。

【喪主】お布施・御車代

当日は御車代だけをお渡しします。お布施はすべての儀式が終わってから、まとめてお渡ししてください。

御車代の相場は、5,000~10,000円程度ですが、遠方から来ていただく場合には距離に合わせて金額を上乗せします。

【参列者】香典

参列者は香典を持参する必要はありません。枕経は近親者のみで行われますので、残されたご家族を金銭的に助けるという目的を持つ香典の持参は必要ないのです。お香典を渡すタイミングは、お通夜やご葬儀の際にお渡しする従来の形で問題ありません。

枕経の宗派ごとの違いに注意

枕経は仏教特有の儀式ですが、宗派によってとらえ方が異なります。

たとえば浄土真宗の場合には、枕経ではなく「枕のお勤め」が行われ、故人様にではなく阿弥陀仏に対して読経します。これはお亡くなりになった後すぐに極楽浄土へ行けるという浄土真宗ならではの考え方によるものです。

流れやマナーに関して分からない点があれば、前もってご親族に確認しておくと、当日の儀式を滞りなく終えられます。

まとめ

今回は、枕経について、あげる際の準備と流れ、服装やお布施に関するマナーを解説しました。

喪主を務める場合、お通夜やご葬儀などさまざまな儀式をとり行わなくてはいけません。経験したことのない儀式や聞き慣れない言葉が飛び交う中で、悲しみをこらえながら冷静に物事を進めていくのはとても大変なことです。

枕経には故人様の霊が無事に成仏できるよう願うだけでなく、臨終時の枕元でお経をあげることで心を鎮める効果もあったといわれています。省略される場合も多くなってきていますが、故人様をきちんとお送りするためにも行いたいものです。

分からない点や気になることがあれば、前もって確認しておき、滞りなく儀式を終えられるよう準備できるものがあれば事前に用意しておきましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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