2022-02-04
百箇日法要とは、故人様が亡くなられてから100日目に執り行われる法要のことを指します。最近は開催しないところも増えているので、馴染みがない方も多いかもしれません。しかし、百箇日法要は忌明けから初めて行う法要のため、故人様・ご遺族様双方にとって大切な意味を持つ日となります。
今回は、百箇日法要までに準備しておかなければならないもの、当日の流れ、服装なのどのマナーについて解説します。バタバタと慌てることなく百箇日法要を執り行えるよう、ぜひチェックしてみてください。
百箇日とは、故人様が逝去してから100日目のことを指し、その日に行われる法要のことを百箇日法要と言います。出苦忌(しゅっくき)や卒哭忌(そっこくき)とも呼ばれており、故人様を失った悲しみに別れを告げ、前に進むための節目としての意味を持ちます。一般的に親族などの近親者のみで行われますが、地方によっては友人や知人などを呼び、比較的大規模で開催されることも少なくありません。
百箇日法要を執り行う際、いったいどんな準備をしておけばよいのでしょうか。地域によって細かなところに違いはありますが、大きく変わることはありません。全体像を把握しつつ、親戚の方と相談しながら準備を進めましょう。
法要の日程は菩提寺の方と相談して決めます。理想は故人様の逝去後100日目なのですが、予定がつかないことも多いため、そのような場合には早めの日程で調整しましょう。百箇日法要は故人様が逝去した後100日を過ぎると取り行えないという決まりがあり、前倒しの日程で設定する必要があります。
法要後にはお斎と呼ばれる会食を行います。法要会場でそのまま開催する場合、葬儀社が用意してくれることがほとんどです。自宅で行う場合は手料理を振る舞う他、お弁当を手配します。また、別会場で行う場合はあらかじめお斎で利用する旨を伝え、予約しておきます。
百箇日法要は、事前に開催を知らせる案内を送る必要があります。特に、どうしても参加してほしい方へは予定の調整などを考慮し、遅くても1ヶ月前に案内を送付しておくと親切です。
供花は法要に欠かせない準備のひとつです。ご葬儀や告別式ほどしっかりとしたものを用意する必要はありませんが、故人様が生前好きだった花を選ぶのが一般的です。ただし、バラなどのトゲがある花は仏教的に望ましくないので避けるようにしましょう。
参列する方への返礼品(香典返し)の準備も必要なので、ある程度の参加人数を把握しておきましょう。返礼品は、他の追悼供養同様「消え物」が良いとされています。
百箇日法要の流れは、基本的に他の法要と大きく変わることはなく、一般的に以下のように進められます。
①僧侶による読経
②お焼香
③お斎(会食)
具体的な内容について、詳しく解説していきます。
施主による挨拶の後、僧侶による読経が始まります。挨拶は、参列者への感謝や僧侶に読経をしてもらうことを簡単に伝えれば完了です。
挨拶の例としては、以下のとおりです。
本日はお忙しい中にもかかわらず、お越しいただきありがとうございます。それでは〇〇(お寺の名前)よろしくお願いいたします。
このように、簡潔にまとめて進めましょう。
お焼香は、故人様と血縁関係の濃い順に上げていくのが基本となります。宗派によってお焼香の所作が若干異なるため、事前に確認しておくと安心です。
会食は法要を執り行った会館、あるいは場所を移して行われます。施主による献杯の挨拶、その後は故人様の思い出を語らいながら食事し、解散という流れになります。
百箇日法要は、基本的に親族のみで執り行われますが、だからといってカジュアルな服装で参列していいわけではありません。故人様にとって大切な法要のため、しっかりとした服装で参列する必要があります。ここからは、百箇日法要における適切な服装や持ち物について解説していきます。
百箇日法要はご葬儀や告別式と違い、前もって開催の案内が届くため、急いで準備する必要はありません。施主・参列者の立場で気にかけなければならない服装のマナーは以下のとおりです。
・施主、ご遺族の方の場合…準喪服
・参列者の場合…準喪服・略喪服
準喪服とは、お通夜やご葬儀などで着用するもので、男性はブラックスーツ、女性はアンサンブルのブラックフォーマルを指します。
略喪服とは、「平服」と指定された時などに着る準喪服に準ずる喪服です。男性はダークグレーなどの地味な色合いのスーツ、女性は地味な色のワンピース、スーツ、アンサンブルなどの華美でない格好を指します。
また参列者の方は、喪主よりも格が高い服を着用するのはマナー違反となります。準喪服よりさらに格式高い正喪服は控えましょう。準喪服を選ぶのが無難ですが、略喪服を着用しても問題ありません。
持ち物は施主・ご遺族、参列者のどちらの立場かによって違ってきます。
・故人様の位牌
・数珠
・ハンカチ
・線香、お焼香
・お布施
【参列者の場合】
・数珠
・小さめのカバン
・お供え物
・香典
お寺や葬儀場で執り行う場合、葬儀社がお線香やお焼香を用意してくれることが多いですが、自宅で行う場合、線香やお焼香などを自分たちで用意するケースも少なくありません。また、僧侶に渡すお布施を用意する必要もあります。自宅で執り行う場合は「御車代」、僧侶がお斎を辞退した際には「御食事料」などを用意しておくと安心です。
一般的な相場は、お布施が30,000〜50,000円、御車代が5,000〜10,000円、御食事料が5,000〜20,000円とされています。しかし、地方や宗派によっては相場が異なってくるので、不安なときは事前に確認しておきましょう。
百箇日法要に参列する際は、香典を包む必要があります。百箇日法要の香典の相場は10,000〜15,000円とされていますが、故人様との関係やお斎の有無によって包む金額が変わってくる点に注意が必要です。
百箇日法要は、故人様が逝去されてから100日目に執り行われる大切な法要です。ご遺族様にとって大事な日であり、百箇日法要を開催する場合にはその意味と流れをきちんと理解する必要があります。しっかりと事前準備を行い、百箇日法要の日を迎えましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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