2021-06-11
日本では、故人様が亡くなられた後に決まった時期に故人様を供養する「法事」を執り行います。法事では、読経をあげていただき故人様を供養するために司式者をお呼びするほか、ご家族やご親族なども参列してもらうため、早めに日程を決めておかなくてはいけません。
そこで今回は、法事を執り行う忌日の計算方法や法事の日程の決め方のルール、法事に向けての準備などについてご紹介します。
法事を執り行う日程を決める際に知っておきたい基礎知識があります。以下では、そんな基礎知識について3つまとめましたので、ご参照ください。
法事を執り行う日程を決めるにあたって最初に押さえておきたいのが、「命日よりも前に法事を設定する」ことです。例えば、一周忌法要であれば、故人様が亡くなられてから丸1年経つよりも前に法事を執り行うということです。
「命日よりも前に法要を執り行っても大丈夫なの?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、逆に命日よりも後に法要を執り行ってしまうと、故人様をお待たせしてしまうことになります。そのため、法事を早いうちに執り行う分には問題ありませんので、ご自身やご親族、司式者などの都合を考慮して、最適な日程を決めましょう。
法事を執り行う際にかかる時間については法事の内容にもよりますが、会食も行う場合には3時間程度、納骨なども執り行う場合には4時間程度かかります。もし法事を平日に執り行うとなると、参列者は仕事や学校を休まなくてはならず、スケジュール調整が難しくなります。
そのため、参列者にご負担をかけないようにするためにも、なるべく法事の日程については土日祝日に設定するのがよいでしょう。
冠婚葬祭の日程を決める際に「大安」や「仏滅」などの六曜を気にされる方は多いと思いますが、法事を執り行う日程を決める際にはどうなのでしょうか。
「仏滅」や「友引」に法事を執り行ってもよいのか悩まれる方もいらっしゃるかと思いますが、中国で時刻の吉凶を示すものとして生まれた六曜と仏教をもとにして生まれた法事には直接的なつながりはありません。そのため、法事の日程を決める際に特別六曜を気にする必要はありません。
法事を執り行う日程を決める際に大切なのが法事を執り行う日程の計算です。法事の日程を決める際は故人様が亡くなられた日、つまり「命日」を基準とします。故人様が亡くなられた日については、「忌日(きにち)」「忌辰(きしん)」「遠日(おんにち)」などとも呼ばれます。
仏教の場合、故人様が実際に亡くなられた日を一回忌とし、仏教以外の神道やキリスト教においても故人様が亡くなられた日を基準として「式年祭」や「記念礼拝」などを執り行います。
それでは具体的に法事ごとの日程の計算はどのようにすればよいのでしょうか。以下では仏式での法事を例として、法事ごとの計算方法を見ていきましょう。なお、分かりやすいように以下では故人様が亡くなられた日を2021年4月1日とします。
法事名 | 故人様が亡くなられてからの日にち・年数 | 法事を執り行うべき日程 |
---|---|---|
初七日 | 数えて7日目 | 2021年4月7日まで |
四十九日 | 数えて49日目 | 2021年5月19日まで |
百箇日※1 | 数えて100日目 | 2021年7月19日まで |
一周忌 | 1年後 | 2022年4月1日まで |
三回忌 | 2年後 | 2023年4月1日まで |
七回忌 | 6年後 | 2027年4月1日まで |
十三回忌 | 12年後 | 2033年4月1日まで |
十七回忌 | 16年後 | 2037年4月1日まで |
三十三回忌※2 | 32年後 | 2053年4月1日まで |
※1:百箇日については近年省略されることもあります。
※2:一般的には三十三回忌をもって最後の供養である「弔い上げ」となります。ただし、近年では三十三回忌を待たずに弔い上げとすることも多いようです。
法事の準備を進めていく上で、どのような準備が必要になるのでしょうか。以下では、法事に向けて準備しておくことをまとめましたので、ご参照ください。
法事の日程が決まったら、当日に読経をあげていただく司式者に依頼をしましょう。菩提寺がある場合はそちらに、菩提寺がない場合は近い寺院の司式者や面識のある司式者に依頼しましょう。司式者に心当たりがない場合は葬儀社に相談してみるとよいでしょう。
次に法事に招待する範囲と人数を決めましょう。法事はご葬儀と異なり、施主が参列者の方々を招待します。ご親族の他にも、故人様の知人・友人などもお呼びすることもあるため、しっかり招待する範囲と人数を決めましょう。
次に法事を執り行う会場を手配しましょう。法事に関してはご自宅や菩提寺で執り行うのが一般的ですが、法事では会食(お斎)も行われますので、会場には司式者と参列者をもてなせる広さが求められます。そのため、参列者が多いようであれば、会場をセレモニーホールや葬儀式場、ホテルなども検討しましょう。
法事の招待する方と会場を決めたら、次は案内状の準備と発送になります。会食を手配している場合は会食への出欠をとるために返信用はがきを案内状に同封しましょう。なお、法事をご家族やご親族だけで執り行われる場合、口頭で法事の日程を打ち合わせできるようであれば案内状を送る必要はありません。
最後に食事とお返しの手配をしましょう。法事でふるまう食事は精進料理や懐石料理、仕出し弁当などが一般的です。なお、伊勢海老や鯛といった「おめでたい献立」が出されないように、食事を手配する際には注意しましょう。
法事でのお返しについては、食品・消耗品などの消えものや日常生活でよく使用する実用品などを選ぶとよいでしょう。また、遠方からいらっしゃる方や重いものを持つのが難しい方のことを考えて、軽くて小さく、且つ日持ちがしてかさばらないものが好適でしょう。
法事は故人様を供養すると共に、故人様に思いをはせる大切な機会です。故人様をしっかり供養できるように、法事の日程を決める際は余裕をもって法事を執り行えるようにしましょう。
なお、セレモニーの直営葬儀式場では、法事も承っております。過去にセレモニー直営葬儀式場でご葬儀を執り行われていらっしゃらなくてもご利用いただけます。法事の事前相談も行っておりますので、ぜひお近くのセレモニー直営葬儀式場までご相談ください。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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