2021-02-26
ご葬儀を執り行う方が葬儀費用を捻出できない状況、例えば生活保護を受給されている方にとっては万が一の葬儀費用に関しては大きな不安の種なのではないでしょうか。しかし、ご葬儀に関しては生活保護を受給されている方であっても問題なく執り行うことができます。
そこで今回は、生活保護を受給されている方のご葬儀やご葬儀を執り行うための支援制度などについてご紹介します。
生活保護を受給されていた方が亡くなられた場合、通常のご葬儀を執り行うのは難しいのが現状です。このような場合、自治体から生活保護法に基づいて葬儀費用が支給される「葬祭扶助」を受けることができます。
この制度を利用できるのは、以下のどちらかの条件を満たさなければいけません。
1)同居されているご家族が亡くなったが、ご遺族自身も生活保護世帯で葬儀費用が出せない場合
2)故人様が生活保護を受給されており、ご遺族以外の方がご葬儀を手配する場合
生活保護世帯の方が亡くなられ、同居されているご家族がご葬儀を執り行う場合は、1の条件にあてはまります。この場合、管轄する役所の福祉課や保険課が故人様やご家族の収入、困窮状態などを判断した上で支給額が決定されます。
また、亡くなられた方にご家族がいない、またはご家族が別居されていてご葬儀を執り行う意思がない場合は2の条件にあてはまり、ご家族以外の方の手によってご葬儀が執り行われます。支給額は自治体によって多少差はありますが、大人209,000円以内、子ども167,200円以内になります。
葬祭扶助を利用されて執り行うご葬儀を「福祉葬」と言います。福祉葬ではお通夜式やご葬儀・告別式、読経などの宗教儀式を省いた「火葬式」となります。
なお、葬祭扶助で支給される葬儀費用は必要最低限のご葬儀にかかる費用が対象であり、ご遺体の搬送や安置費用、ドライアイス、お棺、火葬料、骨壺などになります(支給額に上限あり)。
ちなみに、故人様に遺産がある場合には、まず遺産を葬儀費用にあてて、不足分を葬祭扶助制度で補填する形になります。
生活保護を受給されていた方が亡くなられた場合の葬祭扶助を申請する際の手続きと葬祭扶助を利用した際のご葬儀の流れを以下で見ていきましょう。
生活保護を受給されていた方が亡くなられたら、民生委員やケースワーカー、生活保護を受給されていた方がお住いの役所の福祉課(福祉係)に連絡を入れます。
申請者(ご葬儀を執り行う方)がお住いの地域を管轄する福祉事務所に葬祭扶助の申請を行います。なお、葬祭扶助の申請は、必ずご葬儀を執り行う前に行わなければいけませんので、注意しましょう。
葬祭扶助の申請者と故人様の住民票の管轄が異なるようであれば、原則的には申請者の住民票がある福祉事務所に申請します。ただし、自治体によって葬祭扶助の支給額は異なる場合もありますので、故人様の住民票がある福祉事務所にも確認しておくとよいでしょう。
生活保護を受給されていた方が亡くなられたら、葬儀社に葬祭扶助でご葬儀を執り行いたい旨を伝えて、ご葬儀を依頼します。
葬儀社にご自宅もしく葬儀社の安置施設に搬送してもらい、火葬までご遺体を安置してもらいます。
葬祭扶助の範囲内のご葬儀を執り行います。葬祭扶助を利用してのご葬儀は、お通夜式やご葬儀・告別式、読経などの宗教儀式を省いた「火葬式」になります。
ご葬儀の終了後に、葬儀社から福祉事務所に葬儀費用が請求され、福祉事務所から葬儀社に葬儀費用が支払われます。この際、喪主を介さずに、直接福祉事務所から葬儀社に葬儀費用が支払われます。
最後に、葬祭扶助を利用してご葬儀を執り行う場合の注意点についてまとめさせていただきます。葬祭扶助の利用を検討されている方は、ぜひご参照ください。
先にも述べたように、葬祭扶助を利用してのご葬儀は、お通夜式やご葬儀・告別式、読経などの宗教儀式を省いた「火葬式」になります。原則として司式者を招いたり、装飾を豪華にしたりすることはできないことはご留意ください。
故人様が生活保護を受給されていた方であっても、ご遺族が葬儀費用を支払うことができる場合には、葬祭扶助を受けることができません。また、葬祭扶助によって支給される火葬の費用と合わせて、ご遺族がその他の葬儀費用を支払うことでご葬儀を執り行うということもできませんので、注意しましょう。
葬祭扶助を申請するようであれば、ご葬儀後の申請はできませんので、必ずご葬儀の前に行うようにしましょう。また、葬儀社に対しては必ず「葬祭扶助で葬儀を執り行いたい」ことを伝えるようにしましょう。
生活保護を受給されている方であれば、収入が発生した場合には役所に報告する必要があるため、香典をいただいた際にもその必要があるかと思います。しかし、香典は収入としては見なされませんので、受け取っても全く問題ありません。
葬祭扶助を利用されてのご葬儀であっても、大切なご家族をお見送りしたい気持ちに違いはないと思います。「葬祭扶助だから」といった理由で諦めるようなことはせず、福祉事務所や役所、葬儀社に相談して後悔なく故人様をお見送りしましょう。
なお、セレモニーでも生活保護を受給されている方のご葬儀を執り行えますので、ご検討されている方はぜひご相談ください。
https://www.sougi.info/sousai_fujo
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。