2020-12-25
近年の少子高齢化による影響もあり、お墓の継承者がいらっしゃらなかったり、お墓の管理をするのが難しいという方もいらっしゃいます。そのような中、知らない方々が一緒に納骨される「共同墓地」を選ばれる方が増えてきましたが、まだ一般的には知られていないのが現状になります。
そこで今回は、共同墓地の意味や特徴などの基本的なことについてご紹介します。
共同墓地には、「共同墓地のもともとの意味」と「最近の共同墓地の意味」の大きく2つがあります。
共同墓地の昔ながらの意味として、「自然発生的に地域で生まれた墓地」や「同じ地域の方々が共同で管理・運営している墓地」があります。それぞれの地域で暮らす方々が共同で利用することができる墓地の中にそれぞれの家単位でお墓を建てて利用されており、集落墓地や村墓地などとも呼ばれていました。
この場合の墓地は「自治体の墓地」、いわゆる「公営墓地」とされていることが多いのですが、実際の管理・運営に関しては、それぞれの地域住民や墓地の使用者が行っていることが多いようです。
一方で、近年では、仲のよい方々でお墓を造られるなど、「1つのお墓に複数のご家庭の方が共同で入るお墓」という意味が新しく使われるようになりました。大きな供養塔などの内部に多くのご遺骨を納める合祀型のお墓ということで、合祀墓(ごうしぼ)や合葬墓(がっそうぼ)、共同墓などとも呼ばれます。
この場合の管理・運営に関しては、一般的にはそれぞれのお墓がある寺院や霊園などが行いますが、一緒のお墓に入る方々で団体を作った場合などでは、その団体が管理・運営のルール作って運営を行っていくということもあります。
なお、共同墓地(合祀墓)を寺院や民営の霊園が管理している場合は、利用者の跡継ぎがいなくなっても墓地の管理者が定期的に供養してくれる「永代供養」が付いてきますが、公営の霊園が管理している場合は特定の宗教で供養をしてもらうことはできないため、永代供養は付いてきませんので注意が必要です。
共同墓地に納骨する際は、一般的に以下に挙げる5つの費用が必要になってきます。ただし、実際の費用に関しては、共同墓地を維持・管理している寺院や霊園などによって異なっていますので、必ず確認するようにしましょう。
・埋葬料
・永代使用料
・永代供養料
・管理料
・刻字料
「埋葬料」は、「納骨手数料」などと呼ばれることもあり、ご遺骨を埋葬するために必要となる費用になります。永代使用料や永代供養料とセットになっている場合もあります。
「永代使用料」は、共同墓地の所有者と契約をして代々共同墓地を使用するための権利を得る費用になります。
「永代供養料」は、一度支払えば利用者の跡継ぎがいなくなった後も、永代(長い年月)に渡り供養してもらうための費用になります。なお、共同墓地を寺院や民営の霊園が管理している場合、先でも取り上げましたが、ほとんどの場合、供養が付いてきます。
「管理料」とは、墓地や霊園内の共同で使用される水くみ場・トイレなどの補修や清掃というような維持・管理に必要となる費用になります。
「刻字料」とは、共同墓地に納骨されたことを墓誌に刻印するのにかかる費用になります。それぞれの寺院や霊園によって、デザイン・材質が変わるため、金額も変わってきます。
【メリット】
・費用を低く抑えられる
・お寺や霊園が半永久的に管理や供養をしてくれる(公営霊園を除く)
・お彼岸やお盆には合同で供養が行われる
・寺院以外の共同墓地であれば宗派を問わず申し込むことができる
・多くの方が合祀されているため寂しさがない
・比較的交通の便が良い立地であることが多い
【デメリット】
・血縁は関係なく全くの他人と一緒に埋葬される
・遺骨が合祀されると、以後遺骨を取り出すことができない
・多くの共同墓地では個別の法要は希望がなければ行わない
・個別のお墓ではないので従来のお墓参りとは異なる
・お墓の掃除ができない
大切なご遺骨を納めている場所ですので、しっかりと整備されている場所に納めたいものです。しかし、場所によっては、共同墓地やその周囲が荒れ果ててしまっていることもあります。そのため、実際に共同墓地に足を運び、きちんと維持・管理がされているかを見極めましょう。
共同墓地の利用料は1人分を想定していることが多いので、ご夫婦やご家族で共同墓地を契約されたい方は1人あたりの金額がどうなるのかを確認しておきましょう。
また、共同墓地の場合、基本的に「管理費」が必要ないことがほとんどです。しかし、場所によっては「会員費」などを求められることもあるそうです。どのような理由から必要なのか、どれくらいかかるのかなどをしっかり確認した上で判断するようにしましょう。
場所によっては、契約料や利用料のほかにお布施を求められることがあります。これからお世話になりますので、快く納められる範囲であれば問題ありませんが、高額なお布施を求められるようであればやめておくとよいでしょう。
お墓参りをされる方がいる場合は、その方のご自宅から遠くない場所にするようにしましょう。
後にご遺骨を移動されることを想定されているようであれば、初めから合祀しなければいけないことになっている場所は避けるようにしましょう。
共同墓地を選ぶ上で1番確かなのは、気になる共同墓地に実際に足を運んで、ご自身の目で見ることになります。現在では、様々な選択肢が用意されています。ご家族やご親族としっかり話し合って、ご自身だけでなく、ご家族やご親族も後悔がないようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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