2022-06-24
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭にご葬儀の案内状が届いた際に、「小さな子供をご葬儀に連れて行くのは大丈夫?」と、悩んでしまう親御さんは多くいらっしゃいます。「ご葬儀の最中に大声で泣きだしたら…」「騒いで周りの迷惑にでもなったら…」と心配は尽きないでしょう。
本記事では、「いくつからであればご葬儀に連れて行ってもいいのか」「小さな子供をご葬儀に参列させるのは失礼に値しないか」「参列させる場合は、どのような服装を用意すればよいのか」など、小さなお子様がご葬儀に参列する際のマナーについて解説していきます。
ご葬儀に赤ちゃんを参列させていいかどうかは、故人様と赤ちゃんがどのような間柄であるかかによって変わってきます。次の項目では、赤ちゃんを参列させてもいい場合と、そうでない場合の違いについて解説していきます。
故人様と赤ちゃんの関係が親族に当たる場合は、ご葬儀に参列しても問題はありません。例えば、赤ちゃんからみて故人様が祖父母・叔父・叔母に当たる場合などです。
祖父母・叔父・叔母に当たる場合は、「最後のお別れをさせたい」と考える方も多いので、その場合は参列されるのもいい選択となります。
また、ご葬儀は人生で何度も経験するものではないため、小さな子供にとっては「人の死」に触れる貴重な体験にもなります。
故人様と赤ちゃんとの関係が親族でない場合は、参列を控えるのが無難です。しかし、故人様が生前に赤ちゃんをとても可愛がっていた場合には、逆に参列させないのが薄情だと思われてしまう可能性があります。
一番確実なのは、赤ちゃんを参列させたいが迷惑をかけるかもしれない旨を事前に伝え、ご遺族に子供を同伴してもいいか確認しておく方法です。
ご葬儀では各家から参列者の人数の確認があるはずですから、その時点でお伝えして連れて行ってもいいのか確認してみましょう。その方がご遺族側も心算や準備が行えます。
セレモニーの葬儀場では、小さな子供の参列も想定しお子様向けのおもちゃを用意している施設もあります。キッズスペースや、授乳室代わりとなる遺族控室もあるので、事前にそれらが利用できるかも確認しておくとさらに安心でしょう。
赤ちゃんをご葬儀に参列させる場合、親御さんは他の参列者の迷惑にならないよう、また式の妨げにならないような配慮を行わなければなりません。
次の項目では、赤ちゃんや小さな子供をご葬儀に連れて行った場合に親御さんが配慮するべきマナーについて解説します。
ご葬儀にベビーカーで乗り入れることは、マナー違反ではありません。可能であればB型のベビーカーの方がコンパクトなため、迷惑になりにくいです。しかし、赤ちゃんの月齢も関係してくるので、必ずしもB型である必要はありません。
ベビーカーを持参する場合は、公共の場で配慮するときと同じように、「通り道で邪魔にならないようにする」「人にぶつからないようにする」など、気を配れば問題ありません。
赤ちゃんが突然泣き始めてもすぐ退室できるよう、座るときは出入り口に近い席に座るようにしましょう。なぜなら、赤ちゃんの泣き声によって場の雰囲気が壊れてしまったり、場合によっては進行の妨げになってしまったりする可能性があるからです。
そのほかにも、突然の体調不良やお漏らし、吐き戻しなどがあった場合でも、出入り口付近に座っていれば迅速に対応することができます。
途中退席はマナー違反ではありません。ほかの参列者に会釈をして、さっとその場を後にすれば大丈夫です。お焼香や読経の途中であっても、頭を下げて謝意を表し退出すれば失礼になりません。
火葬場まで同行しなくてもマナー違反にはなりません。なぜなら、火葬には2時間程かかるため、赤ちゃんへの負担が大きなものになってしまうからです。
火葬場に同行するのは本当に親しい間柄だけとなるので、「ここで帰ったら失礼になるのでは」と不安に感じてしまう方もいらっしゃいます。しかし、火葬に時間がかかるのは誰しもが事前に分かっていることです。ご遺族に相談や報告をしたうえで同行を辞退すれば、失礼にはあたりません。
赤ちゃんをご葬儀に参列させる際に、どのような服装を着せるのか悩んでしまう親御さんは多いです。次の項目では、赤ちゃんがご葬儀に参列する際の服装のマナーについて解説します。
ご葬儀における大人の服装のマナーはしっかり決まっていますが、赤ちゃんに関しての特定のマナーは存在しません。
ご葬儀の場ですので、なるべく落ち着いた色合いの服装を選ぶとよいでしょう。例えば「黒」「白」「グレー」などのモノトーンカラーなどが「落ち着いた色」に該当します。くつ下も同様に、「黒」「白」「グレー」のモノトーンカラーを選べば目立ちません。
キャラクターもの・派手な配色のもの・フリルやレースなど過度な装飾がついた服装は避けた方が無難です。
抱っこ紐は、ご葬儀中も基本的に使用できます。抱っこ紐であれば、赤ちゃんが動き回る心配もありませんし、寝ている赤ちゃんを抱っこしたままご葬儀に参列することが可能です
ご葬儀に参列されるお子さんの年齢によって、服装のマナーは変わってきます。お子さんが幼稚園・保育園児の場合は、指定の制服が礼服となります。もし、制服が黒以外の色であっても、制服であれば問題ありません。
制服がない場合はご葬儀にふさわしい服を着ていく必要があります。以下は男の子と女の子、それぞれにおける服装のマナーです。
・上衣 …黒のブレザーやジャケット(光沢のある素材は避ける)
・下衣 …白・黒・グレー・ネイビーのズボン
・くつ下…黒・白・グレー・ネイビーのくつ下、くるぶし丈のものは避ける
・靴 …ローファーやスニーカー(できれば派手な色は避ける)
・上衣 …白の襟がついたブラウス、または黒・グレー・ネイビーのワンピース
・下衣 …黒・白・グレー・ネイビーのスカート
・くつ下…黒・白・グレー・ネイビーのくつ下、くるぶし丈のもの、ニーハイソックスは避ける
・靴 …ローファーやスニーカー(できれば派手な色は避ける)
ご葬儀に赤ちゃんを参列させるかどうかは、故人様と赤ちゃんとの関係性によって変わってきます。基本的に親族関係以外であれば、参列を辞退するのが一般的です。
赤ちゃんをご葬儀に参列させたい場合は、ご遺族に一度相談するのをおすすめします。参列した際は他の参列者に配慮し、なるべく出入り口に近い席に座らせてもらえるようにしましょう。
「孫の祭り」という言葉があるように、孫が騒ぐのは故人様が長生きした証しとして考えられてきました。最低限のマナーを守り、子供と共に故人様を見送ってあげたいという謙虚な気持ちがあれば、その気持ちはご遺族にも伝わることでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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